景福宮の香遠亭(韓国) |
『たわらノーロード』シリーズが信託報酬の一部引き下げ(PDF)を発表しています。引き下げ対象ファンド(※)のうち新興国株式インデックスファンドである『たわらノーロード 新興国株式』の特徴と運用実績を競合する他のファンドと比較しながら簡単にまとめてみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』、『eMAXIS 新興国株式インデックス』、『iFree 新興国株式インデックス』、『EXE-i 新興国株式ファンド』です。参考までに先進国株式インデックスファンドである『たわらノーロード 先進国株式』とも比べてみました。
※ 2018年から始まる「つみたてNISA」に対応させるには株式を含むことも要件の一つですが、『たわらノーロード』は債券やリート(不動産投資信託)といった「つみたてNISA」対象外のファンドも合わせて信託報酬を引き下げています。
新興国株式インデックスファンドの特徴
『たわらノーロード 新興国株式』、『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』、『eMAXIS 新興国株式インデックス』のベンチマークは、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」(円換算)で、同指数はアジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の24か国830銘柄で構成されています(2017年5月末現在)。『iFree 新興国株式インデックス』のベンチマークは、ファンダメンタル(株主資本、キャッシュフロー、売上、配当)に着目した「FTSE RAFI エマージング インデックス」(円換算)で、同指数は13か国約350銘柄で構成されています(2017年3月末現在)。
『EXE-i 新興国株式ファンド』の参考指標は「FTSE・ エマージング・インデックス」(円換算)ですが、参考指標に対して一定の運用成果をめざすものではなく、かい離する場合があります。2つのETFを通じて2,745銘柄(重複あり)に投資しています(2017年3月末現在)。
たわらノーロードとEXE-iは2017年7月末の月報より iFreeは2017年8月末の月報より |
『たわらノーロード 先進国株式』は、先進国の株式を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算)に連動する投資成果をめざします。同インデックスは2017年5月末現在、北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,327銘柄で構成されています。
今回取り上げたファンドは、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
新興国株式インデックスファンドの成績
2017年9月8日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
過去1年の騰落率では、新興国株式インデックスファンドは以下のような成績順でした。
iFree > たわらノーロード > eMAXIS > EXE-i
ただし、ベンチマークが異なるファンド間では、それぞれに好調な時期、不調な時期があります。
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は、2017年7月31日に設定されたばかりで運用期間が短いため参考値です。
信託報酬の引き下げ分(税込)を騰落率に上乗せすると、下の表のようになります(小数点以下4桁まで表示)。実際には引き下げ分がそのまま単純に騰落率に反映されるとは限りません。
まとめ
実際の運用成績は信託報酬だけで決まるものではなく、多少のコスト差よりも相場が好調な時だけでなく不調な時でも投資を継続できるかどうかのほうが大事でしょうね。人の心理としては、どうしても上昇基調の時は投資金額を増やしたくなり下落基調の時は投資をやめたくなりますが、それでは高値づかみや底値での投げ売りになりかねませんよね。
新興国株式は先進国株式よりも変動リスクが大きいですから、事前に決めた比率から逸脱しないようにするなど、なおさらリスクコントロールに気を付けたいですよね。
こぼれ話
下の表は運用報告書から抜粋したものです。
『たわらノーロード 新興国株式』と『iFree 新興国株式インデックス』は決算期間が1年に達していないことに注意してください。
信託報酬以外の諸経費を加えた合計が信託報酬の何倍になっているかを比較すると、以下のような順です。
iFree(3.64倍) > たわらノーロード(1.50倍) > EXE-i(1.15倍)
『iFree 新興国株式インデックス』の実質コストの高さが際立っています。今は高コストなファンドも資産規模が大きくなってくれば改善する可能性はあります。
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