※ 記事を更新しました(2018年10月15日)。
高い成長性の期待される新興国に投資する『ベトナム成長株インカムファンド』と『SBIインド&ベトナム株ファンド』の特徴と運用成績を、新興国株式インデックスファンド等と比較しながら簡単にまとめてみました。
比較の対象は『eMAXIS 新興国株式インデックス』です。参考までに『eMAXIS 先進国株式インデックス』とも比べてみました。
ベトナム成長株インカムファンドほか特徴
『ベトナム成長株インカムファンド』は、ベトナム株式及びベトナム関連企業の株式の中から成長が期待できる銘柄や配当が魅力的な銘柄に選別投資し、分散されたポートフォリオを構築することをめざします。ベトナムの全人口は約9,300万人、毎年約150万人が社会に出ており、旺盛な消費や安価で勤勉な労働力による国際競争力の高さが見込まれています。
2018年8月末の月報によると組入銘柄は51銘柄です。
組入れ上位10銘柄は以下の通りです。
2018年8月末月報2ページより |
『SBIインド&ベトナム株ファンド』は、インドとベトナムの株式に投資します。ベトナム株式への投資は純資産総額の30%以下としています。
2018年8月末月報2ページより |
2018年8月末の月報によると4つのマザーファンドを通じて143銘柄に投資しています(重複あり)。
それぞれのマザーファンドの組入上位10銘柄は以下の通りです。
上から3つがインド株式を対象にしたマザーファンドの組入銘柄、最下段がベトナム株式を対象にしたマザーファンドの組入銘柄です。
2018年8月末月報3~6ページより |
『eMAXIS 新興国株式インデックス』は、新興国の株式を対象にしたMSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算)に連動した投資成果をめざすファンドです。
同指数は2018年9月末現在、アジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の24か国1,151銘柄で構成されています。
2018年9月末月報より |
『eMAXIS 先進国株式インデックス』は、日本を除く先進国の株式を対象にしたMSCIコクサイ・インデックス(円換算)に連動した投資成果をめざすファンドです。
同指数は2018年9月末現在、北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,318銘柄で構成されています。
2018年9月末月報より |
今回取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。
ベトナム成長株インカムファンドほか信託報酬(運用管理費用)
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、SBI証券、楽天証券などのネット証券(インターネットコース)では無料の場合もあります。
ベトナム成長株インカムファンドほか運用実績
下のグラフは、過去3年間(2015年9月30日~2018年9月28日)の基準価額の値動きを比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の値動き(月末ベース) 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2018年10月12日現在)。騰落率は分配金(税引前)を再投資したものとして計算しています。
直近の株式市場は米国の長期金利や貿易摩擦への警戒感から、調整を余儀なくされています。
2018年10月12日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『ベトナム成長株インカムファンド』は上記の期間では『eMAXIS 新興国株式インデックス』を上回る成績です。
『SBIインド&ベトナム株ファンド』も過去5年の騰落率では『eMAXIS 新興国株式インデックス』に圧勝しています。
ただし、『ベトナム成長株インカムファンド』も『SBIインド&ベトナム株ファンド』も特定の国への集中投資になるので、リスク(収益のぶれ)は決して小さくはないでしょうね。
まとめ
現在、ベトナムは、インドと違い、MSCI指数で新興国市場ではなくフロンティア市場に分類されています。投資するには、まだ時期尚早という見方もあるでしょうか。ベトナムの株式市場は外国人持ち株比率の制限が緩和されこともあり、新規上場の増加や政府保有株の放出が海外からの資金流入を促進すると見られており、いずれは新興国市場へ格上げも期待されています。
投資信託の成績を見ると、すでに青田買いに動いている人たちがいるのかもしれませんね。
こぼれ話
つみたてNISAをきっかけにインデックスファンドの一層の低コスト化が進んでいます。
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は『eMAXIS』よりさらに低コストで、信託報酬(運用管理費用)は年率で税込0.20412%(税抜0.189%)です。もし100万円を投資したとすると、単純計算で1年あたり2,041円の負担です。
これに対し、『ベトナム成長株インカムファンド』は1年あたり18,468円の負担です。『SBIインド&ベトナム株ファンド』は1年あたり21,600円の負担です。
実際には信託報酬以外に売買委託手数料や有価証券の取引税、保管費用などの諸経費がかかりますが、いずれにせよ長期で保有した時のコスト負担の差は小さくないですよね。
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