分配金は再投資した方が得?『三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド』インデックス投信より好成績?

2017年9月4日月曜日

新興国株式 投資信託の注意点

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楽天証券の投資信託ランキングの海外株式で1位(2017年8月28日~同年9月1日)の『三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド』の特徴と運用成績を、他のファンドと比較しながら簡単にまとめてみました。

比較の対象は『i-mizuho中国株式インデックス』、『eMAXIS 新興国株式インデックス』です。参考までに『eMAXIS 先進国株式インデックス』とも比べてみました。

ファンドの特徴

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド』は、中国国内で事業展開している企業の中から、中長期的な運用視点にもとづき、各業種毎に競争力の強いエクセレント・カンパニーに厳選して投資します。新規公開企業にも選別投資します。

原則として対円での為替ヘッジを行いません。信託期間は無期限です。

2017年7月末の月報によると組入銘柄数は67銘柄です。組入上位10銘柄は以下の通りです。

1.テンセント(ソフトウェア・サービス)中国のインターネットサービス大⼿
2.アリババ・グループ・ホールディング(ソフトウェア・サービス)中国のインターネット通販最大⼿
3.平安保険(保険)⽣命保険では中国第2位
4.州茅台酒(⾷品・飲料・タバコ)中国の大⼿酒造メーカー
5.Cトリップ(小売)中国のオンライン旅⾏代理店最大⼿
6.瀘州⽼窖(⾷品・飲料・タバコ)中国の大⼿酒造メーカー
7.TALエデュケーション(消費者サービス)中国の教育サービス大⼿
8.申洲国際ホールディング(耐久消費財・アパレル)繊維製品の加工・製造大⼿
9.中⻘旅控股(消費者サービス)旅⾏業務や観光開発、ホテル運営など
10.サニー・オプティカル・テクノロジー(素材)中国の光学部品大⼿

構成比率はテンセントが10.9%、アリババ・グループ・ホールディングが9.3%、平安保険が5.2%と、上位銘柄の比率がやや高めです。

i-mizuho中国株式インデックス』は、中国の株式を対象にしたFTSE中国50インデックス(円換算)に連動した投資成果をめざすファンドです。原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。

eMAXIS 新興国株式インデックス』は、新興国の株式を対象にしたMSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算)に連動した投資成果をめざすファンドです。同インデックスは2017年5月末現在、アジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の24か国830銘柄で構成されています。原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。

eMAXIS 先進国株式インデックス』は、先進国の株式を対象にしたMSCIコクサイ・インデックス(円換算)に連動した投資成果をめざすファンドです。同インデックスは2017年5月末現在、北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,327銘柄で構成されています。原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。

ファンドの成績は?

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド、i-mizuho中国株式インデックス、eMAXIS 新興国株式インデックス、eMAXIS 先進国株式インデックスのコストと成績表
2017年9月1日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。

騰落率は分配金(税引前)を再投資したものとして計算しています。

上記の期間では『三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド』は今回取り上げた各種インデックスファンドより好成績でした。

まとめ

三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド』は2013年に1,400円、2014年に1,200円、2015年に1,800円、2016年に1,000円の分配金と、4年連続で1,000円を超える分配金を出しています(決算日は年1回、10月20日)。もしかしたら、分配金利回りの高さも人気ファンドになった理由の一つかもしれませんね。

同ファンドの設定日は2001年10月22日で基準価額は10,000円からスタートしました。もし、分配金(税引前)をずっと再投資に回していたとすると、2017年9月1日現在の基準価額は57,123円になっています。これに対し、分配金を再投資に回さなかった場合の基準価額は15,303円で分配金の累計は18,400円です。

設定日に100万円を投資したと仮定すると、分配金(税引前)を再投資していた場合、571万円強になっていたものが、分配金を再投資に回さず受け取っていた場合には337万円強にとどまります。234万円強の大差がついています(実際には税金の分、もう少し差は縮まります)。

もちろん基準価額が右肩下がりの場合は分配金を再投資に回さないほうが得ですが、資産運用は短期では山あり谷ありでも、長い目で見て資産の成長を期待するものですよね。

こぼれ話
『三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド)』の交付目論見書の6ページから分配金に関する注意事項を引用します。

分配金は、預貯金の利息とは異なり、ファンドの純資産から支払われますので、分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がります。

分配金にのみ注目するのではなくて、基準価額の値動きも含めたトータルリターンが大事ということですよね。また分配金は必ずしも投資のもうけ(収益)から出ているわけではありません。

投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります

テーマ型投資信託のように信託期間が限られていて、しかも設定時が人気のピークで以降ぱっとしないと、分配金を受け取っておいた方がキズが浅くてすむ場合もあるかもしれないですね。事前に優秀なファンド見抜くのは難しいですよね。

先進国株式インデックスファンドや新興国株式インデックスファンドのように投資対象が幅広く分散されていて、長い目で見れば世界経済の成長に合わせてプラスのリターンが期待できるものに投資しておくのがやはり王道でしょうか。




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