『iTrust新興国』の特徴は? |
※ データを更新しました(2017年11月2日)。
新興国の中でも労働人口が拡大している国に投資するという『iTrust新興国株式』(愛称:働きざかり~労働人口増加国限定~)の特徴と運用成績を、他のファンドと比較しながら簡単にまとめてみました。
比較の対象は『eMAXIS 新興国株式インデックス』です。参考までに『eMAXIS 先進国株式インデックス』とも比べてみました。
ファンドの特徴
2017年9月末月報より |
『iTrust新興国株式』は、労働人口が拡大していて、相対的に高い経済成長が期待できる新興国の株式に分散投資します。交付目論見書では労働人口(15~64歳の生産年齢人口)が拡大している国の例としてインド、ブラジル、南アフリカ、インドネシア、マレーシア、メキシコ、フィリピンを挙げています(2017年3月末現在)。
原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は無期限です。
2017年9月末の月報によると、15か国の140銘柄に投資しています。
『eMAXIS 新興国株式インデックス』は、新興国の株式を対象にしたMSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算)に連動した投資成果をめざすファンドです。同インデックスは2017年10月末現在、アジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の24か国838銘柄で構成されています。原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。
『eMAXIS 先進国株式インデックス』は、先進国の株式を対象にしたMSCIコクサイ・インデックス(円換算)に連動した投資成果をめざすファンドです。同インデックスは2017年9月末現在、北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,331銘柄で構成されています。原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。
ファンドの成績は?
2017年11月2日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
『iTrust新興国株式』の信託報酬(運用管理費用)は投資対象の投資信託証券を含めた実質的な負担を示しています。ファンド・オブ・ファンズ(複数の投資信託を組み入れた投資信託)で、二重に経費がかかるためコストがやや高めです。
上記の期間では新興国株式インデックスファンドが先進国株式インデックスファンドよりも好調にもかかわらず、『iTrust新興国株式』の運用実績はさえません。
投資先の約4分の1を南アフリカが占めていますが、資源安で同国の成長が鈍化し財政赤字も拡大しています。大統領の汚職疑惑をめぐる政治的混乱も懸念材料です。投資対象を絞り込んでいるのが逆に裏目に出てしまった形ですね。
まとめ
『iTrust新興国株式』の、労働人口が拡大していて相対的に高い経済成長が見込まれる新興国に限定して投資するというコンセプトは面白いですよね。ただし、それが素直に報われるかというと、なかなか難しい面もあるかもしれませんね。労働人口が豊富で経済成長率の伸びている誰もが有望だと思うような国は、それ相応に株価も高くなっていて、むしろ割高なため上昇余地が少ないのでは?という懸念もあるでしょうか。
中間所得層の持続的な拡大が消費市場の成長を促すのは確かだとしても、投資の果実を得るにはそれなりに長い目で見守る必要がありそうです。
長期で投資するには、投資信託を保有している間かかる信託報酬がもう少し安いと嬉しいですよね。
こぼれ話
インデックスファンドの一層の低コスト化が進んでいて、最近、設定された『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は『eMAXIS』よりさらに低コストで、信託報酬は年率で税込0.3672%(税抜0.34%)です。もし100万円を投資したとすると、1年あたり3,672円の負担です。
これに対し、『iTrust新興国株式』は1年あたり11,167円の負担です。10年、20年と長期で投資信託を保有した場合、コスト負担の差が運用成績にも影響しそうですよね。
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