『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』、『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』、『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』の実質コストや運用実績を比較してみました。
オール・カントリー、除く日本、3地域均等型の特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて47ヵ国の大型株と中型株2,898銘柄で構成されています(2022年8月末現在)。世界の株式市場の時価総額のうち約85%をカバーしています。
運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
ケイマン諸島に登記している企業には少なからぬ中国企業が含まれるようです。
・なぜアリババの所在地はケイマン諸島なのか(大和総研)
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国と新興国合せて46ヵ国の大型株と中型株2,660銘柄で構成されています(2022年8月末現在)。
運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場の値動きに連動した投資成果をめざします。
「TOPIX(東証株価指数)(配当込み)」※1、「MSCIコクサイ インデックス(配当込み、円換算ベース)」※2、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース」)※3を均等に組み合わせた合成指数がベンチマークです。
※1は東証一部上場の全銘柄を対象にした指数、※2と※3は大型株と中型株を対象にした指数です。ベンチマークの指数は3つ合せると47ヵ国4,829銘柄をカバーしています(2022年8月末現在)。
運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを軽減するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
全世界株式インデックスファンドの実質コスト(年率換算)
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.170%)は、第4期(2021年4月27日~2022年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.056% ×(365日 ÷ 第4期の日数 364日)+ 信託報酬 0.1134%(※)= 0.170%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額7,053.52億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1144%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.11385%、1,000億円以上の部分 税込0.1133%)
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』の実質コスト(年率 0.173%)は、第4期(2021年4月27日~2022年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.059% ×(365日 ÷ 第4期の日数 364日)+ 信託報酬 0.1138%(※)= 0.173%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額1,784.04億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1144%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.11385%、1,000億円以上の部分 税込0.1133%)
『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』の実質コスト(年率 0.189%)は、第4期(2021年4月27日~2022年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.074% ×(365日 ÷ 第4期の日数 364日)+ 信託報酬 0.1144%(※)= 0.189%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額60.85億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1144%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.11385%、1,000億円以上の部分 税込0.1133%)
純資産総額は2022年9月13日現在の数字です。
全世界株式インデックスファンドの成績(チャートと騰落率)
下のチャートは後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来3年10ヵ月半弱の期間(2018年10月31日~2022年9月13日)で基準価額の推移を比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。
日本の構成比は10%に満たないので『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』のチャートは『同(除く日本)』とほぼ重なっています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年9月13日現在)。
コロナ・ショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来の騰落率は3年10ヵ月半弱の数字です。
スタグフレーション(景気停滞と物価上昇の同時進行)への警戒感から株式市場は不安定な状態が続いていますが、投資信託の基準価額は為替相場が円安傾向なため底上げされています。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』や『同(除く日本)』ではアメリカが構成比の過半数を占めています。
アメリカ以外の地域の巻き返しに期待してもう少し比重を上げたいなら、今のところ出遅れている印象の『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』も面白い選択肢かもしれません。
リスク・リターン特性と年間リターン
「オール・カントリー」に準拠したポートフォリオ(国内株式1:先進国株式8:新興国株式1)、「除く日本」に準拠したポートフォリオ(先進国株式8.5:新興国株式1.5)、「3地域均等型」に準拠したポートフォリオ(国内株式1:先進国株式1:新興国株式1)、それぞれのリスク・リターン特性は下記の通りです。リターン(投資収益率)とリスク(投資収益率のぶれ)は年率です。
シャープレシオはリスクの大きさに比べ、どれだけリターンを得られているかという運用効率の高さを示します(数値が大きいほうが優秀)。
全世界株式に占める日本の比率は低下しつつあり、「オール・カントリー」と「除く日本」は今後ますます僅差になるかもしれません。上記の期間では「3地域均等型」は運用効率の面でわずかに見劣りするようです。
下のグラフは各ポートフォリオの年間リターン(最大上昇時・平均値・最大下落時)を示しています。
世界的な金融危機であるリーマン・ショックを含む2003年3月31日から2022年8月31日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。○は年間リターンの平均値です。
売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去のデータは将来の運用成果を保証するものではありません。
・危機乗り越える世界株投資 夫婦で4000万円目指す(日本経済新聞)
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