『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の特徴と運用実績を『SMT 世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)』や『楽天・インデックス・バランス・ファンド』3種と簡単に比較してみました。
ファンド内で自動的にリバランスを実行してくれるバランスファンドも悪くない?
ちなみに今回、取り上げた投資信託は、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ほか特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式を対象にした「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は世界47ヵ国(先進国23ヵ国と新興国24ヵ国)の株式を組み入れています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
『SMT 世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)』(三井住友トラスト・アセットマネジメント)は、日本を含む世界の株式と債券に分散投資(株式75%:債券25%)します。
運用管理費用(年率)は税込0.605%です。解約時の信託財産留保額(0.1%)が設定されています。
基本組入比率は、地域別(日本、先進国、新興国)のGDP(国内総生産)総額の比率に基づき決定します。年1回、地域別構成比の見直しを行います。
『楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)』(楽天投信)、『同(均等型)』(楽天投信)、『同(債券重視型)』(楽天投信)は、日本を含む世界の株式と債券に分散投資します。
債券への投資は為替ヘッジを行い為替リスクの低減をめざします。
運用管理費用(年率)は株式重視型が税込0.211%程度、均等型が税込0.217%程度、債券重視型が税込0.223%程度です。
・「楽天・バンガード・ファンド」シリーズ 実質的にご負担いただく運用管理費用の引き下げについて(PDF/楽天投信)
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。
オール・カントリーとバランスの実績(チャートと騰落率)
下記のチャートは『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来4年1ヵ月強の期間(2018年10月31日~2022年12月8日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年12月8日現在)。
コロナショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来の騰落率は4年1ヵ月強の数字です。
2022年12月8日現在の純資産総額は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』7,713.92億円(2018年10月31日設定)、『SMT 世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)』88.20億円(2017年8月25日設定)、『楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)』263.20億円(2018年7月20日設定)、『同(均等型)』44.94億円(同日設定)、『同(債券重視型)』38.07億円(同日設定)です。
2020年のコロナショックの際は債券の比率が高いほど下落幅が控えめでした。最近は米国などの利上げで債券に逆風が吹いていましたが、やわらぎつつあるのかもしれませんね。
コロナショックの下落率を具体的な金額にすると下記のようになります。どのくらいまでなら耐えられそうでしょうか。
コロナショック時の損失(含み損)は1,000万円を運用していた場合、株式100%なら338万円強、株式50%:債券50%なら192万円弱になります。
これらの数字は過去の一例に過ぎず、将来の値動きを示唆・保証するものではない点に注意してください。
債券部分を為替ヘッジしている『楽天・インデックス・バランス・ファンド』にとって、そのコスト負担が気になりますよね。
・為替ヘッジコストについて(2022年11月)(PDF/大和アセットマネジメント)
為替ヘッジコストの上昇もインフレ圧力が弱まって金融引き締めがゆるめば落ち着くでしょうか。
全世界株式とバランス まとめ
人の心理として株価が好調なときは買い増ししたくなりますし(高値づかみ?)、逆に株価が急落しているときは怖くなってリスク資産を減らしたくなったりすることも(安値で投げ売り?)。機械的にリバランス(好調な資産を売って不調な資産を買い増すことで元の資産配分に戻しリスク水準を一定に保つ)を実行するのは、意外と難しいですよね。含み益があるなら税金もかかります。
NISA(少額投資非課税制度)の場合、一度売却してしまうと非課税投資枠の再利用ができないという制約もあります。
無理な背伸びをせず、ほどほどのリターンをめざすなら手間の少ないバランスファンドもありかなと思いつつ、金利上昇による債券価格の下落は悩みどころですよね。
・債券はマイルドな資産だが、金利上昇が弱点と覚えておく(日興AM)
もっとも、将来的にはインカムゲイン(利子収入)の改善が期待できます。
リターンのばらつきを抑えるための手段として債券の重要性に変わりはないとする主張もあります。
株式と債券の比率については楽天証券トウシルの記事が次のような目安を紹介し解説しています。
「株式の割合 = 100 - 年齢」
「債券の割合 = 年齢」
株式は良くも悪くも値動きが大きいですから、リタイアメントが近づくにつれ保守的なポートフォリオに切り替えていくということですね。
・株は何割?初心者でもできる「資産配分」計算式:ポートフォリオの作り方(楽天証券トウシル)
バランスファンドで運用する場合もリスク資産と安全資産(預貯金や個人向け国債等)の比率が大きく崩れたらリバランスが必要で完全にほったらかしというわけにはいきませんが、王道の分散投資で中庸の成果をめざすなら悪くない選択肢でしょうか。
・『リ・バランス』の経費も込み込みなのが、バランスファンドの良いところ(投資信託クリニック)
・バランス型と株式だけの投信はどっちがいいの? 米国株だけに集中したほうがいいって話も聞くけど……(金融庁「教えて虫とり先生」)
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全世界株式インデックスファンドとバランスファンドの比較は下の記事も参考にしてください。・『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』4資産および8資産均等型バランスファンドや世界経済インデックスファンドと比較 リスク・リターン特性も評価
・楽天・全世界株式/全米株式を4、6、8資産均等型バランスと比較・評価 コロナ・ショックなど急落局面の騰落率は?
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