信託報酬(運用管理費用)の低廉な投資信託の方が本当に好成績なのか、評価額にどれくらい差がつくものなのか、三菱UFJ国際投信の新興国株式インデックスファンド3種の成績を比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(信託報酬 税抜0.170%以内/税込0.187%以内)、『つみたて新興国株式』(同 税抜0.340%/税込0.374%)、『eMAXIS 新興国株式インデックス』(同 税抜0.600%以内/税込0.660%以内)です。
上記の投資信託はつみたてNISA対象商品です。
新興国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』、『つみたて新興国株式』、『eMAXIS 新興国株式インデックス』は、新興国の株式市場を対象にした「MSCI エマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざします。2022年9月末現在、ベンチマークの指数はアジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の24ヵ国の大型株と中型株1,387銘柄で構成されています。
組入上位5銘柄は台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(台湾)、テンセント・ホールディングス(中国)、サムスン電子(韓国)、アリババ・グループ・ホールディング(中国)、メイトゥアン(中国)です。
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
新興国株式インデックスファンドの成績(チャートと騰落率)
過去4年間の基準価額の推移(2017年10月27日~2022年10月26日)は下のチャートの通りです。起点の基準価額を1万円に設定しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年10月26日現在)。
上記の投資信託はノーロード(購入時手数料なし)です。『eMAXIS 新興国株式インデックス』のみ解約時の信託財産留保額(0.3%)が設定されています。
僅差ではあるものの、信託報酬が低い投資信託ほど運用実績が上向いているのが見て取れます。
信託報酬の一番低い『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』と一番高い『eMAXIS 新興国株式インデックス』(Fat?)は100万円を投資したとして1年で3,903円、3年で15,195円、5年で22,734円の差です。
ちなみに『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』はこれまでに4回、信託報酬率の引き下げを実施しています。
2017年11月10日 税抜0.340%→税抜0.339%
2017年12月13日 税抜0.339%→税抜0.190%
2018年7月25日 税抜0.190%→税抜0.189%
2020年9月25日 税抜0.189%→税抜0.170%(※)
※ 純資産総額に応じて500億円未満の部分は税抜0.170%(税込0.187%)、500億円以上1,000億円未満の部分は税抜0.1695%(税込0.18645%)、1,000億円以上の部分は税抜0.1690%(税込0.1859%)になります。
新興国株式インデックスファンドは信託報酬以外の諸経費がかさみがちで実質コストは高めな傾向にあります。
・eMAXIS Slim 国内株式・先進国株式・新興国株式の実質コストと運用実績を比較 リスク・リターン特性も評価
新興国株式インデックスファンド まとめ
今回、取り上げた新興国株式インデックスファンド3種の中では『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の信託報酬が一段と低く、低廉な分、運用成績も向上しています。ネット証券に抵抗があり、身近なゆうちょ銀行や地方銀行のほうが安心感があるのであれば、店頭でも取り扱いのある『つみたて新興国株式』が選択肢に入るかもしれません。
新興国株式に投資する投資信託にはインドや中国など特定の国だけを対象にしたものもあります。ポートフォリオのスパイスとしてなら面白いですが、手数料が割高だったり信託期間が限られているものは長期投資でメインにするには不向きでしょうね。
なるべく手軽に投資信託1本ですませたいなら、全世界株式インデックスファンドという選択肢もあります。将来の新興国株式市場の成長に期待して新興国の比率を先取りして高めたいなら、インデックスファンドの組み合わせが有用でしょうね。
・【毎週更新】eMAXIS Slim 国内株式、先進国株式、新興国株式の組み合わせ(国内10%:先進国80%:新興国10%/国内20%:先進国50%:新興国30%/先進国60%:新興国40%)をオール・カントリーと比較・評価
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