信託報酬(運用管理費用)の低廉な投資信託の方が本当に好成績なのか、評価額にどれくらい差がつくものなのか、三菱UFJ国際投信の先進国株式インデックスファンド3種を比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(信託報酬 税抜0.093%以内/税込0.1023%以内)、『つみたて先進国株式』(同 税抜0.2%/税込0.22%)、『eMAXIS 先進国株式インデックス』(同 税抜0.6%以内/税込0.66%以内)です。
上記の投資信託はつみたてNISA対象商品です。
先進国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』、『つみたて先進国株式』、『eMAXIS 先進国株式インデックス』は、日本を除く主要先進国の株式市場を対象にした「MSCI コクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざします。2022年9月末現在、ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株1,275銘柄で構成されています。
組入銘柄はアップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグル)、アマゾン、テスラなど米国企業が上位を占めています。
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式インデックスファンドの実績(チャートと騰落率)
先進国株式インデックスファンド3種の過去5年間の基準価額の推移(2017年10月25日~2022年10月24日)は下のチャートの通りです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年10月24日現在)。
上記の投資信託はノーロード(購入時手数料なし)です。解約時の信託財産留保額もありません。
信託報酬が低い投資信託ほど運用実績が上向いていて、複利効果により徐々に差が広がっています。
信託報酬の一番低い『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と一番高い『eMAXIS 先進国株式インデックス』(Fat?)は100万円を投資したとして1年で5,846円、3年で27,904円、5年で48,947円の差です。
ちなみに『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』はこれまでに7回、信託報酬率の引き下げを行っています。
2017年10月2日 税抜0.2000% → 税抜0.1900%
2017年11月10日 税抜0.1900% → 税抜0.1890%
2018年1月30日 税抜0.1890% → 税抜0.1095%
2018年7月25日 税抜0.1095% → 税抜0.1090%
2019年6月25日 税抜0.1090% → 税抜0.0999%
2019年12月27日 税抜0.0999% → 税抜0.0965%
2020年3月17日 税抜0.0965% → 税抜0.0930%(※)
※ 純資産総額に応じて500億円未満の部分は税抜0.093%(税込0.1023%)、500億円以上1,000億円未満の部分は税抜0.09145%(税込0.100595%)、1,000億円以上の部分は税抜0.0899%(税込0.09889%)になります。
先進国株式インデックスファンド まとめ
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の取扱販売会社がSBI証券や楽天証券などネット証券を中心に22社なのに対し、『つみたて先進国株式』は証券会社だけでなくゆうちょ銀行や地方銀行など53社にのぼります。『つみたて先進国株式』は身近な金融機関で取り扱っているので、ネット証券に不安を感じる人に向いているかもしれませんね。
業界最低水準の運用コストめざすという『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は、信託報酬の引き下げに積極的でした。
コストは運用成績にも影響を及ぼしますから、僅差でも長期投資では軽視できないですよね。
・投信選びでは、なぜ「コストの低さ」が一番重要なのか?(ダイヤモンド)
ニッセイ、たわらノーロードとの比較は下の記事を参考にしてください。
・『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』ニッセイ、たわらと実質コストやコロナ禍の運用実績を比較・評価
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・「先進国株式」一括投資と積立投資の成績を5年、10年、15年で比較・評価 運用成績にどれくらいの差がある?
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