『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コストや運用実績を競合と比較してみました。
比較の対象は『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』と『たわらノーロード 先進国株式』です。
最後の段落で、世界最大級の資産運用会社バンガードの助言する「ニュースの正しい読み方(と間違った読み方)」の一節を紹介しています。
先進国株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)、『たわらノーロード 先進国株式』(アセマネOne)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株1,279銘柄で構成されています(2022年7月末現在)。
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式(eMAXIS Slim、ニッセイ、たわら)の実質コスト
上記の数字は一部推計による概算値であることに注意してください。運用報告書の数字を年率に改めて、現時点の信託報酬率を適用しています。
信託報酬(運用管理費用)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.143%)は第5期(2021年4月27日~2022年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.043% ×(365日 ÷ 第4期の日数 364日)+ 信託報酬 0.0996%(※)= 0.143%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額3,598.14億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1023%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.100595%、1,000億円以上の部分 税込0.09889%)
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の実質コスト(年率 0.159%)は、第8期(2020年11月21日~2021年11月22日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
1万口当たりの費用明細の合計 0.160% ×(365日 ÷ 第8期の日数 367日)= 0.159%(少数第3位未満 四捨五入)
『たわらノーロード 先進国株式』の実質コスト(年率 0.179%)は、第6期(2020年10月13日~2021年10月12日)の運用報告書(PDF)から引用しています。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスほか実績(チャートと騰落率)
下のチャートは『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』設定来5年6ヵ月弱の期間(2017年2月27日~2022年8月10日)で基準価額の推移を比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年8月10日)。
コロナショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来の騰落率は5年6ヵ月弱の数字です。
インデックスファンドの低コスト化が進んだこともあり、主要な先進国株式インデックスファンドの運用実績は僅差にとどまります。
2022年8月10日時点の純資産総額は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』3,598.14億円(2017年2月27日設定)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』4,185.35億円(2013年12月10日設定)、『たわらノーロード 先進国株式』2,165.62億円(2015年12月18日設定)です。
スタグフレーションへの警戒感や地政学リスクの高まりから、直近の株式市場は不安定になっています。
心配の種は尽きませんが思い通りにならないことであれこれ悩むより、積立の途中なら目標とする資産配分までリスク資産を積み上げていく。目標とする資産配分に達したのなら定期的にリバランスしてリスク水準を一定に保つ。
自分でコントロールできることに取り組んだら、後は時間が解決してくるのを待つ。そのくらいの開き直りも長期運用には必要かもしれないですね。
インフレがピークアウトした後は株高が進みやすいとの指摘もあります。
・物価上昇一巡後は株高か インフレと資産価格の関係(三井住友DSアセマネ)
先進国株式の一括投資と積立投資の成績は下の記事を参考にしてください。
・「先進国株式」一括投資と積立投資の成績を5年、10年、15年で比較・評価 運用成績にどれくらいの差がある?
バンガード「ニュースの正しい読み方(と間違った読み方)」より
世界最大級の運用会社バンガードはニュースについて次のように述べています(「ニュースの正しい読み方(と間違った読み方)」より)。不確かなシナリオについて思い悩んでも、それが現実に起きる確率は上がりません。もし市場の底入れを予想するのであれば、同じ時間をかけて市場の反発も想像してみてください。一部の情報だけを取り入れるのではなく、多くの情報を取り入れましょう。
知識は力です。しかし知識を得ようとして、市場に関連する暗いニュースに触れることで、不安が高まり、市場リスク(市場の変動によって投資収益が減少するリスク)に対する見方が厳しくなる場合もあります。
市場リスクを脅威として捉えると、ポートフォリオを入れ替えたいという衝動にかられます。そして結果的に、長期的な投資目標の達成が困難になる恐れがあります。
バンガードは悲観的な視点と楽観的な視点の両方に触れバランスを取ること、⾃分にとって本当に重要なニュースかどうか判断すること、それから時に雑⾳を無視することも必要だと助言しています。
もし、コロナショックで怖くなって株を投げ売りしていたら、大きな損失が確定することになっていました。目先のニュースに振り回されて長期目線を忘れないようにしたいです。
市場を長期的視点で見ると「世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りある」と言います(バンガード「終わりのない弱気相場はない」より)。
冷静な判断力を保つためには預貯金等の安全資産や生活防衛資金の備えも大事ですよね。
おすすめ記事
先進国株式のコストと成績については下の記事も参考にしてください。・低コストな方が本当に好成績?『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』『つみたて先進国株式』『eMAXIS 先進国株式インデックス』
・eMAXIS Slim 国内株式・先進国株式・新興国株式の実質コストと運用実績を比較 リスク・リターン特性も評価
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