

適格機関投資家限定のアクティブファンドも組み入れた『セゾン資産形成の達人ファンド』の実質コストや運用実績を全世界株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』です。
セゾン資産形成の達人ファンドとオール・カントリーほか特徴
アクティブファンドの『セゾン資産形成の達人ファンド』(セゾン投信)は、投資対象ファンドを通じて海外および日本の株式に幅広く分散投資します。株式市場の過熱により有望な投資先がないと判断した場合は、債券にも投資する場合があります。投資先ファンドの選定は企業分析をしっかり行っていること、長期的な視点で運用されていること、手数料が適正なことを条件としています。適格機関投資家限定のファンドにも投資しています。
2021年3月度運用レポートによると、9のファンドを通じて529銘柄(一部重複あり)を組み入れています。
投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は年率で税込1.55%程度です。購入時手数料はありません。解約時の信託財産留保額は0.1%です。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて50ヵ国2,978銘柄を組み入れています(2021年3月末現在)。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.1144%以内です。購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株・中型株・小型株9,231銘柄を組み入れています(2021年3月末現在)。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.212%程度です。購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。
今回、取り上げた投資信託は為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
セゾン資産形成の達人ファンドとオール・カントリーほか実質コスト
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『セゾン資産形成の達人ファンド』の実質コスト(年率 1.551%)は第14期(2019年12月11日~2020年12月10日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点のファンドと投資対象ファンドの信託報酬の合計を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.001% ×(365日 ÷ 第14期の日数 366日)+ 信託報酬の合計 1.550% = 1.551%(少数第3位未満 四捨五入)
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.203%)は、第2期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.090% ×(365日 ÷ 第2期の日数 368日)+ 信託報酬 0.11382%(※) = 0.203%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額1,596.56億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1144%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.11385%、1,000億円以上の部分 税込0.1133%)
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.261%)は、第3期(2019年7月17日~2020年7月15日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の合計に投資対象ファンド(VT)の経費を加えています。
費用明細の合計 0.181% + VTの経費 0.080% = 0.261%
セゾン資産形成の達人ファンドと全世界株式の実績(チャートと騰落率)
下のチャートは後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来2年6ヵ月の期間(2018年10月31日~2021年4月30日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2021年4月30日現在)。
調整局面の下落率は2020年2月21日~同年3月23日(セゾン以外は~同24日)の数字、設定来騰落率は2年6ヵ月の数字です。
投資対象ファンドを通じ銘柄を厳選した『セゾン資産形成の達人ファンド』も、コロナ・ショックでは基準価額の大幅な変動は避けられませんでした。
指数連動型のインデックスファンドよりは落ち込みが若干控えめだったものの、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来の運用実績に大差はなく過剰な期待は禁物かもしれないですね。
新型コロナにより勝ち組企業と負け組企業の二極化もささやかれていて、優勝劣敗が進むならアクティブ運用の腕の見せどころかと思われましたが、市場平均をベンチマークにしたインデックスファンドも健闘しています。
ちなみに『セゾン資産形成の達人ファンド』設定来(2007年3月末~2021年3月末)の基準価額の推移は下のチャートの通りです。
リーマン・ショックで低迷した時期もありましたが、その後、力強く回復しています。感染再拡大が懸念されている新型コロナも乗り越えられると信じたいですね。
・最も確実な投資先 それは世界経済全体 積立王子への道(6)(日本経済新聞)
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