日本を含む世界の株式を投資対象にした『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の特徴や運用実績をバランスファンドと比較してみました。
比較の対象は『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)』、『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』、『世界経済インデックスファンド』です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とバランスの特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式を対象にした「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は世界47ヵ国(先進国23ヵ国と新興国24ヵ国)の株式を組み入れています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)』(ニッセイAM)は、国内外の株式と債券に分散投資します。
運用管理費用(年率)は税込0.154%です。
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)は世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。
運用管理費用(年率)は税込0.154%以内です。
『世界経済インデックスファンド』(三井住友トラストAM)は、世界の株式と債券に分散投資します。
基本組入比率は、地域別(日本、先進国、新興国)のGDP(国内総生産)総額の比率を参考に決定します。年1回、地域別構成比の見直しを行います。
運用管理費用(年率)は税込0.55%です。解約時の信託財産留保額(0.1%)が設定されています。
今回、取り上げた投資信託は外貨建資産の為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
全世界株式とバランスファンドの実績(チャートと騰落率)
下のチャートは『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来4年強の期間(2018年10月31日~2022年11月7日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年11月7日現在)。
直近の下落率は2022年6月9日~同年6月17日の数字、コロナ・ショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月24日(バランスは同19日)の数字、設定来の騰落率は4年強の数字です。
コロナ禍の大規模な金融緩和の追い風を受け『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の設定来の成績は際立っているものの、最近の株価は金融引締やスタグフレーションに対する警戒感もあり不安定な値動きになっています。
利上げ観測による債券価格の下落はバランスファンドにとって当面は逆風ですね。将来的にはインカムゲイン(利子収入)の改善が見込まれています。
2020年のコロナ・ショックではバランスファンドも大きく値下がりしていますが、債券を含む分、全世界株式インデックスファンドよりは値動きが控えめになっています。バランスファンドの中ではREITを含む『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』の下落幅が比較的大きめでした。
・新型コロナウイルス感染拡大を受けた各資産の値動き(日興AM)
リスク・リターン特性と年間リターン
全世界株式やバランスファンドに準拠したポートフォリオのリスク・リターン特性は下記の通りです。リターン(投資収益率)とリスク(投資収益率のぶれ)は年率です。シャープレシオはリスクの大きさに比べ、どれだけリターンを得られているかという運用効率の高さを示します(数値が大きいほうが優秀)。
やはり全世界株式は債券を含むバランスファンドに比べると、高いリターンを期待できそうな反面、リスクも大きめですね。
下のグラフは、各ポートフォリオの年間リターン(最大上昇時・平均値・最大下落時)を示しています。
世界的な金融危機だったリーマン・ショックを含む2003年3月31日から2022年10月31日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。○は年間リターンの平均値です。
売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去のデータは将来の運用成果を保証するものではありません。
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