主だったインデックスファンドの成績と2021年10月末現在のNISA・iDeCo・特定口座の評価額および損益を確認してみました。
また最後の段落で、安定的な長期運用をするために必要なリバランスの意義についてまとめたバンガードの記事の一節を紹介しています。
全世界株式、先進国株式、米国株式、国内株式、新興国株式の成績
インデックスファンドの基準価額の推移(チャート)
下のチャートは過去1年間の基準価額の推移(2020年10月末~2021年10月末/月末ベース)です。起点の基準価額を1万円に統一しています。インデックスファンドの騰落率
下のグラフは10月の騰落率(前月末比)と過去1年の騰落率(前年同月末比)です(2021年10月29日現在)。堅調な企業業績や円安によって10月の投資信託の成績は概ね好調でした。国内株式は選挙前ということもあってか足踏みを余儀なくされています。
・世界的な利上げへの動きを背景に、進行した円安(日興AM)
主要国では利上げに向けた動きが強まる一方、日本では、大規模な金融緩和が当面続く可能性が高いことに加え、物価上昇率の鈍さなどもあり、内外金利差が拡大したことなどから、円は総じて売られる展開となりました。
なお、新興国通貨については、ワクチン接種の進展の遅れによる成長鈍化懸念のほか、ブラジルやトルコなどでは、政治懸念などの個別要因も嫌気され、弱含む展開となっています。
<中略>為替市場においては、当面、インフレと金融政策の動向を受け、金利差を材料とした展開が続くと見込まれます。ただし今後は、景気回復とインフレペースを織り込みながら、市場の過度な懸念は、徐々に落ち着きを取り戻すと考えられます。
インデックスファンドの積立投資の成績は下の記事を参考にしてください。
・インデックス投資で月1万円を積み立てたら評価額は? 米国株(S&P500)、先進国株、世界株、8資産均等型バランス(2019年1月~)
・【インデックス投資】 国内株式・先進国株式・新興国株式をつみたてNISAで毎月1万円ずつ積み立てたら今いくら?(2018年1月~)
NISA・iDeCo・特定口座の評価額と損益(合算)
資産配分と評価額および損益
上記のほか、日興フロッギーでETFも少額保有しています(世界株 117円、米国株 8,755円)。
株価が好調なので、先月末に比べて100万円ほど評価額が増えています。反動が怖いですね。コロナショックの再来のような2番底が来ないことを祈ります。安全資産の備えも大事ですよね。
つみたてNISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)の評価額および損益は下の表の通りです。
つみたてNISAは楽天証券を利用しています。iDeCoはSBI証券に口座を開設しています。
NISAのしくみや活用法は、金融庁の「NISA特設ウェブサイト」にまとめられています。iDeCoについては、国民年金基金連合会の「イデコ公式サイト」が参考になります。かんたん税制優遇シミュレーションでiDeCoに加入した場合の税負担の軽減額を確認できます。
好調な株価に強気になってリバランスしない場合のリスクとは?
世界最大級の資産運用会社バンガードは「キャピタルゲインは望ましいもの」という記事の中で、税負担を避けるためなどの理由で長期投資でリバランスをしなかった場合の危険性について解説しています。
ここでは米国株式と米国債券からなるポートフォリオを対象にしています(米ドルベース)。
2005年初めに株式に60%、課税債券に40%投資するポートフォリオがあったとします。
2006年は好調な市場リターンに気を良くしましたが、リバランス後のキャピタルゲインに課税される税⾦を⽀払う気になれませんでした。その後、多忙な⽣活を送り、世界⾦融危機に⾒舞われましたが、損失を直視することができず、損失覚悟で売却することもありませんでした。これは、必ずしも過ちを犯さなかったということにはなりません。
2006年以降にリバランスをしなかったため、弱気相場に⼊る直前にポートフォリオの株式⽐率は70%近くまで上昇しました。このポートフォリオは2007年12⽉31⽇から2009年3⽉31⽇までの間に31.18%の累積損失を抱えていたと考えられ、株式と債券の⽐率が60/40だった場合に⽐べて4.59ポイント悪化します。
それだけではありません。弱気相場の間にリバランスしなかったことで、ポートフォリオの株式⽐率は2009年3⽉までに50%を下回ったと思われます。したがって、株価が回復基調に転じてもこのポートフォリオはすぐには回復しません。バンガードの調査によると、この誤った投資⾏動によって投資リターンが数ポイント低下したと考えられます。
またリバランスを行わなかった場合、ポートフォリオが直近に好成績だった人気銘柄に偏重する危険性についても指摘しています。
最近はポートフォリオのスパイスとしてNASDAQ100指数連動型やそのレバレッジ型が人気ですが、一般的なインデックスファンドに比べ業種の偏りが大きいので、ブームが去った時にポートフォリオの価格変動の度合いの高まりや運用成績の低下が危惧されます。
・うまくいかない「勝ち組」の後追い、米国株式長期で検証(モーニングスター)
2020年4月末までのデータなので参考程度に見てください。順張り戦略はITバブル崩壊の影響を強く受けています。好調なセクターの過熱感はやはり気になるところでしょうか。
市場が好調な時に前のめりになりすぎたり、あるいは逆に荒れ模様の時に投資機会を逃したりしないためにも、リバランスを通じてリスク水準を一定に保つことが有効なのでしょうね。
今のように株式市場に追い風が吹いているとバランスファンドは軽視されがちですが、マーケットには好不調の波がつきものですし、感情を排して機械的にリバランスを実行するのは意外と難しいので、ファンド内で自動的にリバランスが行われるメリットが再評価される場面もいずれ来るかもしれないですね。
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