SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)のセレクトプランで投資可能なバランスファンドの特徴と運用実績を簡単にまとめてみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』、『iFree 年金バランス』、『SBIグローバル・バランス・ファンド』、『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』です。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)ほか特徴
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)は世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.154%以内です。
『iFree 年金バランス』(大和アセットマネジメント)は先進国を中心に国内外の株式と債券に分散投資します。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオに近づけることを目標としています。
運用管理費用(年率)は税込0.1749%です。
『SBIグローバル・バランス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)は世界の株式と債券に分散投資します。債券運用部分については為替ヘッジを行います。
原則として年に1回、市況見通しの変化等により、基本とする配分比率に対して±20%の範囲で見直しを行う場合があります。
iDeCoの加入者が掛金の配分設定を行わなかった場合の指定運用商品になっています。
運用管理費用(年率)は税込0.27%程度です。
『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』(セゾン投信)は世界30ヵ国以上の株式と10ヵ国以上の債券に分散投資します。新興国株式を組み入れる一方で、新興国債券(利回りは高い反面、債券としては値動きが大きめ)は組み入れられていません。
運用管理費用(年率)は税込0.58%程度です。解約時の信託財産留保額(0.1%)が設定されています。
今回、取り上げた投資信託は、『SBIグローバル・バランス・ファンド』を除き、原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
8資産均等型ほかバランスファンドの運用実績(チャートと騰落率)
下のチャートは後発の『SBIグローバル・バランス・ファンド』設定来3年11ヵ月弱の期間(2018年10月4日~2022年8月30日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年8月30日現在)。
コロナショック時の下落率は2020年2月の天井から同年3月の底までの数字(※)、設定来の騰落率は3年11ヵ月弱の数字です。※2020年2月21日~同年3月19日(セゾンのみ~同18日)
スタグフレーション(景気停滞と物価上昇の同時進行)に対する警戒感から株式市場は不安定な状態が続いています。
金融政策の正常化で債券も下落する一方で、将来的にはインカムゲイン(利子収入)の改善が見込まれています。債券部分が為替ヘッジ付の『SBIグローバル・バランス・ファンド』は円安も重荷になっていそうです。
ただ、金融引き締めが見直されれば逆回転もありえますよね。
2020年のコロナショックでは株式だけでなくREIT(不動産投資信託証券)も大きく値下がりし、バランスファンドの中では『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』のマイナス幅が相対的に大きくなっています。
一般的にはREITはミドルリスク・ミドルリターンと言われているものの、市場規模が小さいため投資資金の流出入にともなって株式以上に値動きが荒くなる場合があります。
・新型コロナウイルス感染拡大を受けた各資産の値動き(日興AM)
8資産均等型ほかバランスファンドの積立投資(月1万円)の成績
毎月1日を積立日に設定しています(約定日はセゾンを除き翌営業日、セゾンは翌々営業日)。1日が休日の場合は後ずれします。下のチャートは毎月1万円ずつ積み立てた場合の元本と評価額の推移を示しています(2019年1月7日~2022年8月30日)。
各年月の元本と評価額は約定日の数字ですが、最新月のみ2022年8月30日現在の数字です。
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』と『iFree 年金バランス』の積立投資の成績の詳細は下の表の通りです。
『SBIグローバル・バランス・ファンド』と『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』の積立投資の成績の詳細は下の表の通りです。
SBI証券セレクトプラン「バランスファンド」まとめ
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』は世界の株式や債券、REITといった幅広い資産に投資できて運用管理費用も低廉です。『iFree 年金バランス』や『SBIグローバル・バランス・ファンド』は純資産総額がまだ小さいのがやや気になるところかもしれませんね。
2007年設定の『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』は最近の低コストなバランスファンドに比べると運用管理費用が若干割高ですが、純資産総額の大きさは安心感があります。
資産運用に好不調の波はつきもので、複数の資産に分散されたバランスファンドでも時に運用成績がマイナスになったり、停滞したりすることはありえます。
『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』設定来の基準価額の推移(2007年3月~2022年7月/月末ベース)は下のチャートの通りです。
『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』も世界的な金融危機だったリーマンショックの際には基準価額が大きく落ち込み停滞することになりましたが、その後、力強く回復しています。
コロナショックの際に公開されたセゾン投信の特別レポート「今こそ長期投資家の胆力が試される」では、リーマンショック時に積立投資を一時的にストップした場合と継続した場合の運用成績を比較し、下落相場こそ積立投資の真価を発揮する時だと訴えていました。
粘り強く投資を継続することで、将来に花を咲かせるための種まきをすることこそ積立投資の醍醐味と言えるのでしょうね。
下の図表はiDeCoと同様、長期・分散・積立投資を基本にした、つみたてNISAの資料です。定額の積立投資の場合、基準価額が下がっている時は、より多くの口数を購入するチャンスでもあります。
iDeCoの場合、毎年の所得税や住民税が軽減されるのは大きなメリットですが(iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」)、資産運用には長期的な視点も欠かせないですよね。
将来の受け取り時の方法については下の記事を参考にしてください。
・差がつくiDeCoの受け取り方法(前編)分割か一括どっちがいいの?(トウシル)
・差がつくiDeCoの受け取り方法(後編)パターン別の有利な方法とは?(トウシル)
2022年のiDeCoの法改正については下の記事を参考にしてください。
・法改正でますます拡充 2022年からiDeCoはどう変わる?(iDeCo公式サイト)
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