ベンチマークを上回る投資成果をめざすアクティブ運用の『フィデリティ・欧州株・ファンド』の特徴と運用成績を、米国株式および先進国株式のインデックスファンドと比較しながら、簡単にまとめてみました。
『フィデリティ・欧州株・ファンド』は、つみたてNISA対象商品です。
フィデリティ・欧州株・ファンドと米国株式インデックスファンドほか特徴
『フィデリティ・欧州株・ファンド』(フィデリティ投信)は、英国および欧州大陸の上場株式を投資対象とし、個別企業分析により優良企業を選定し、利益成長性等と比較して妥当と思われる株価水準で投資を行ないます。分散投資を基本にリスク分散を図ります。欧州株式の代表的な株価指数である「MSCIヨーロッパ・インデックス」(税引前配当金込・円ベース)を長期的に上回る運用成果を目標にしています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税抜1.5%です。購入時手数料の上限は税抜3%ですが、ネット証券などノーロード(購入時手数料なし)の場合もあります。
月報によると52銘柄に投資しています(2019年9月末現在)。
フィデリティ・欧州株・ファンド 2019年9月末現在(同年11月付月報より) |
『iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド』(ブラックロック)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.375%程度です。購入時手数料や解約時の信託財産の留保額はありません。
S&P500指数 業種別構成比 2019年10月末現在 |
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(配当込み・円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.0999%です。購入時手数料や解約時の信託財産の留保額はありません。
ベンチマークの指数は1,328銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比 2019年10月末現在 |
今回、取り上げたファンドは、原則として為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
フィデリティ・欧州株・ファンドと米国株式インデックスファンドほか成績
下のチャートは過去5年間の基準価額の推移(2014年11月19日~2019年11月18日)を比べたものです。起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2014年11月19日~2019年11月18日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年11月18日現在)。
調整局面での下落率は2018年9月28日~同年12月25日の数字です。
2019年11月18日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
欧州経済の停滞も伝えられる中、アクティブファンドの『フィデリティ・欧州株・ファンド』は米国株式および先進国株式インデックスファンドを上回る成績になっています。
フィデリティ・欧州株・ファンドまとめ
先進国株式インデックスファンドにも欧州株式は含まれていますがその比率は限定的で、米国株式の比率が7割近くに達しています。過熱感の指摘される米国株式偏重ではなく、金融緩和や景気刺激策による後押しが期待される欧州株式にもう少し比重を置きたいなら『フィデリティ・欧州株・ファンド』は面白い選択肢かもしれませんね。
ただし、銘柄を調査・分析して厳選しているアクティブ運用の投資信託なのでコストは高めです。『フィデリティ・欧州株・ファンド』の運用管理費用は年率で税抜1.5%ですが、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は税抜0.0999%と0.1%を切る水準になっています。
信託報酬だけが運用成績の決定要因ではありませんが、長期で投資することを考えるとリターンに対するコスト負担の影響も無視できないですよね。資産運用に好不調の波はつきもので、調子の良いときは高コストに目をつぶれても、成績がさえないときは悩みの種になりがちという面もあります。
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