設定から3年が経過した『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コストや運用実績を先進国株式および米国株式インデックスと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ほか特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は先進国と新興国を合せた50ヵ国の大型株と中型株2,979銘柄で構成されています(2021年9月末現在)。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株1,289銘柄で構成されています(2021年9月末現在)。
運用管理費用(年率)は税込0.1023%以内です。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象にした「S&P500指数(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
全世界株式・先進国株式・米国株式の実質コスト
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。運用報告書の数字を年率に改めて、現時点の信託報酬率を適用しています。
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.175%)は、第3期(2020年4月28日~2021年4月26日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.061% ×(365日 ÷ 第3期の日数 364日)+ 信託報酬 0.1136%(※) = 0.175%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額3,238.13億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1144%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.11385%、1,000億円以上の部分 税込0.1133%)
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コスト(年率 0.145%)は第4期(2020年4月28日~2021年4月26日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.045% ×(365日 ÷ 第4期の日数 364日)+ 信託報酬 0.0998%(※)= 0.145%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額2,715.40億円で計算(500億円未満の部分 税込0.1023%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.100595%、1,000億円以上の部分 税込0.09889%)
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.122%)は、第3期(2020年4月28日~2021年4月26日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.026% ×(365日 ÷ 第3期の日数 364日)+ 信託報酬 0.0958% (※)= 0.122%(少数第3位未満 四捨五入)
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額7,458.05億円で計算(500億円未満の部分 税込0.0968%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.09625%、1,000億円以上の部分 税込0.0957%)
純資産総額はすべて2021年11月1日現在の数字です。
全世界株式・先進国株式・米国株式の運用実績
下のチャートは過去3年の基準価額の推移(2018年11月2日~2021年11月1日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2021年11月1日現在)。
急落局面の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字(コロナショック)と2018年12月4日~同年12月25日の数字です。
新興国株式の失速もあり、最近の全世界株式は先進国株式や米国株式に比べ出遅れ気味です。
新興国株式に対しては米国の金融緩和策が縮小されることへの警戒感、新型コロナウイルスのワクチン普及の遅れ、中国の景気回復の鈍化などが逆風になっていて、先進国と新興国の二極化(ワクチン普及の遅れる新興国はコロナ禍前の成長トレンドに届かない)もささやかれています。
・今年の世界経済は5.9%成長に小幅修正~物価上昇が想定以上に長引くリスクに注意が必要~(日興AM)
国際協力によりワクチンの普及が進めばサプライチェーンの寸断による供給制約も解消され、世界経済の下振れリスクも克服されると信じたいですね。
長期目線では、コロナ禍で情報技術セクターなどのハイテク関連銘柄の好調さが際立っていた(バブル?)米国だけでなく、それ以外の地域の伸長にも期待しています。
・米国株か?世界株か?(ピクテ投信)
長期投資を実践するのであれば、経済情勢の変化にも目を配る必要がある。しかし、10年を超える予測というものはほとんど当てにならないうえ、さらにバブルの「形成」と「崩壊」を見分けるのも至難の業だ。このため、はじめから決め打ちせず、先進国株と新興国株を含めた「世界株」に分散投資を行い、いずれ遭遇するであろうバブルの「形成」と「崩壊」に備えることが長期投資にとって重要ではなかろうか?
1970年代と1980年代、ほかの地域を圧倒するパフォーマンスだった日本株はその後、低迷を余儀なくされています。2000年代に騰落率がトップだった新興国株式も、2010年代は他地域に見劣りする成績でした。
時代によって、もてはやされる株式市場が入れ替わってきたことがうかがえます。
・米国株か?世界株か? PART 2(ピクテ投信)
バリュエーションや相関係数といった定量的な分析から、世界株の投資意義について検証する。結論から言えば、長期的な視点に立った世界株への分散投資は、定量的な観点からも正当化されるのではないかと考える。
PBR(株価純資産倍率)とは株価が割高か割安かを判断するための指標の一つです(数値が小さい方が割安)。株価が1株あたりの純資産の何倍まで買われているかを示しています。
世界的に著名な企業やブランドを多数擁する米国株式はとても魅力的ですよね。バリュエーションの高さも、それだけ力強い成長を期待されているということなのかもしれません。
その一方で、長期投資を前提に将来の経済情勢の変化も視野に入れるなら、全世界株式による国際分散投資も堅実な選択肢ではあるのかなと。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』ほか積立投資の成績は下の記事を参考にしてください。
・インデックス投資で月1万円を積み立てたら評価額は? 米国株(S&P500)、先進国株、世界株、8資産均等型バランス
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と債券やREITを含むバランスファンドの比較は下の記事を参考にしてください。
・『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』4資産および8資産均等型バランスファンドや世界経済インデックスファンドと比較 リスク・リターン特性も評価
・全世界株式(オール・カントリー)をバランス(株式重視・均等・債券重視)と比較・評価 リバランスが難しいならバランスファンドもあり?
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