米国の新興企業向けの市場を対象にした『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』の特徴と運用実績を競合する米国株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『iFreeNEXT FANG+インデックス』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『iFree NYダウ・インデックス』です。
参考までに『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』とも比べてみました。
iFreeNEXT NASDAQ100インデックスファンドほか特徴
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』(大和AM)は、「NASDAQ100指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。NASDAQ(ナスダック)は米国にある世界最大の新興企業向けの株式市場です。米国以外の企業を含みハイテク(IT)関連銘柄の比率が高いのが特徴です。「NASDAQ100指数」は時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)で構成されています。
「株式 業種別構成比」外国投資信託・先物を除外 2020年5月末月報より |
『iFreeNEXT FANG+インデックス』(大和AM)は、「NYSE FANG+指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
同指数は、フェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)、アリババ、バイドゥ、エヌビディア、テスラ、ツイッターの10社に等金額投資したポートフォリオで構成されています。
四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスを行ないます。
「株式業種別構成比」外国投資信託・先物を除外 2020年5月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2020年4月末現在(同年5月末月報より) |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2020年5月末月報より |
『iFree NYダウ・インデックス』(大和投資信託)は、米国を代表する優良30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
「株式業種別構成比」外国投資信託・先物を除外 2020年6月末月報より |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2020年5月末月報より |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 国・地域別構成比 2020年5月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを回避するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
米国株式インデックスファンド等の実績比較
下のチャートは『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』設定来1年10ヵ月強(2018年8月31日~2020年7月7日)の基準価額の推移を競合と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年8月31日~2020年7月7日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年7月7日現在)。
2020年の調整局面の上昇率は3月の底から7月7日までの数字、2020年の調整局面の下落率は2月の天井から3月の底までの数字、2018年の調整局面の下落率は10月の天井から12月の底までの数字、設定来騰落率は1年10ヵ月強の数字です。
2020年7月7日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
・いち早く上昇に転じた米ナスダック総合指数 ~次代をけん引する「次のGAFAM」を探し出せ~(日興AM)
・米株式市場に富の偏在-時価総額に占める上位5社の割合が過去最大に(ブルームバーグ)
過去1年、設定来の騰落率で『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』や『iFreeNEXT FANG+インデックス』が優勢なのは、ハイテク大手が経済動向に関わらず比較的盤石な銘柄として選好された面もあるようです。
信託報酬(運用管理費用)と純資産総額は下記の通りです(2020年7月7日現在)。
2020年7月7日現在 |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス まとめ
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』は比較的低コストで米国の新興企業向けの株式市場に投資できる点が魅力ですよね。『iFreeNEXT FANG+インデックス』に比べれば銘柄も業種も分散されています。
ハイリスク・ハイリターンと言われる「NASDAQ100指数」の過去のパフォーマンスは飛び抜けています。
出典:楽天証券トウシル はじめて米国株に投資する方も!ETFで分散投資 図1より引用 https://media.rakuten-sec.net/articles/-/22661 |
ただし、過去のデータは将来の運用成績を保証するものではありません。
IT、バイオテクノロジー、医療など最先端の分野は成長期待が高いだけに、業績の伸びが鈍れば割高感が強まり一気に崩れかねない心配もあります。
コロナショックはバイオや医療関連の銘柄への注目度を高めたり、財務体質の健全なハイテク大手への選好を強めたりする結果になっているようですが、企業業績の悪化が予想される中、株価の割高感も指摘されています。
・割高感と当面先の業績相場入りで上値重く(PDF/J.P.モルガン)
いずれまたハイテク貿易摩擦や独占禁止法をめぐる問題が再燃しないかも気になるところかもしれませんね。
・ハイテク、生活必需品が時価総額上位に 『米国会社四季報』ランキング2(東洋経済新報社)
積立投資の成績は下の記事も参考にしてください。
・米国新興市場に積立投資『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』楽天・全米株式やeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と実績比較・評価
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』を先進国株式インデックスファンドと組み合わせた場合の運用実績は下の記事を参考にしてください。
・ポストコロナに適応する? 先進国株式/米国株式(NASDAQ100)インデックスファンドに半分ずつ投資した運用実績を評価
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米国株式インデックスファンドとレバレッジ型の運用実績の比較については下の記事も参考にしてください。・天国から地獄? 米国株式(S&P500/NASDAQ100)インデックスファンドをレバレッジ型と比較・評価 株価急落時の値動きは?
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