フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)など次世代テクノロジーを担う企業を投資対象にした『iFreeNEXT FANG+インデックス』の実質コストや運用実績を、大型株から小型株まで幅広くカバーした『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と比較してみました。
iFreeNEXT FANG+と楽天・全米株式の特徴
『iFreeNEXT FANG+インデックス』(大和AM)は、次世代テクノロジーをベースに大きな影響力を持つ著名企業を対象にした「NYSE FANG+指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。同指数はフェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)、アリババ、バイドゥ、エヌビディア、テスラ、マイクロソフトの10社に等金額投資したポートフォリオで構成されています。
四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスを行ないます。12月の定期リバランスでマイクロソフトが採用され、ツイッターが除外されました。
・FANG+インデックス銘柄入れ替えについて(PDF/大和AM)
投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.7755%です。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))』(楽天投信)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(信託報酬)は年率で税込0.162%程度(税込0.132% + 0.03%程度)です。
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを回避するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、どちらも無期限です。
iFreeNEXT FANG+と楽天・全米株式の実質コスト
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『iFreeNEXT FANG+インデックス』の実質コスト(年率 0.822%)は、第3期(2020年1月31日~2021年2月1日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の合計を1年(365日)相当に改めています。
費用明細の合計 0.829% ×(365日 ÷ 第3期の日数 368日)= 0.822%(少数第3位未満 四捨五入)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.187%)は、第4期(2020年7月16日~2021年7月15日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の合計に実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VTI 経費率0.03%)を加えています。
費用明細の合計 0.157% + VTIの経費 0.030% = 0.187%
iFreeNEXT FANG+と楽天・全米株式の実績(チャートと騰落率)
下のチャートは『iFreeNEXT FANG+インデックス』設定来4年弱の期間(2018年1月31日~2022年1月4日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年1月4日現在)。
2020年の急落局面の下落率は2020年2月20日~同年3月17日の数字、2018年の急落局面の下落率は2018年7月18日~同年12月25日の数字、設定来の騰落率は4年弱の数字です。
株式を対象にしたインデックスファンドは基準価額の変動幅が大きめとはいえ、『iFreeNEXT FANG+インデックス』は、投資先の分散された『楽天・全米株式インデックス・ファンド』よりさらに値動きが激しいですね。
ハイテク企業の成長力の高さは魅力的ですが、ボラティリティ(価格変動の度合い)の大きな『iFreeNEXT FANG+インデックス』は、やはりポートフォリオのスパイス向きでしょうか。
値上がりした「勝ち組」セクターを後追いする順張り戦略はうまくいかないとする指摘もあるのは気になるところかもしれません。
・うまくいかない「勝ち組」の後追い、米国株式長期で検証(モーニングスター)
iFreeNEXT FANG+インデックス まとめ
わずか10銘柄で構成された『iFreeNEXT FANG+インデックス』は、上がるときだけでなく下がるときも値動きが大きめです。ハイテク大手は独占的な支配力を持つがゆえに規制の対象になったり、国家間のあつれきに巻き込まれたりするリスクもありますね。
・バイデン氏、競争促進へ大統領令署名 「悪質な独占行為やめさせる」(ロイター)
・中国企業の米上場株が大幅安、滴滴のNY上場廃止方針受け(ロイター)
リスク許容度が高く長期目線で投資できるなら、社会の変革を促すようなイノベーションを起こす企業への投資はスリリングで魅力的かもしれませんね。
・ストラテジストの眼 Vol.142 改めて考える米国株式「テクノロジー株の魅力」(PDF/岡三AM)
将来の投資戦略としてここで考えておきたいのが、秋以降にデルタ株の感染が収束に向かい、先進国でコロナと経済活動の共存が進む過程で、テクノロジー株と景気敏感株のどちらが市場を牽引するかという議論です。
<中略>昨今の世界的なITプラットフォームへのもうけ過ぎ批判には注意が必要です。短期的には景気敏感株が市場を牽引する状況も想定されますが、コロナ後の世界でも中⻑期的にはテクノロジー株が株式市場を牽引する相場環境が続くと予想しています。
・THINK BIG-大きく考え、市場に居続ける。(PDF/日興AM)
・アップルは何位? 覇を競う自動運転、最新成績ランキング(フォーブス)
おすすめ記事
FANG+はテスラのほかにもEVや自動運転に関わっている、もしくは参入が噂されている企業が含まれているのも面白いところかもしれませんね(アップル、アマゾン、アルファベット、エヌビディア、アリババ、バイドゥ)。自動運転やEV関連の企業をテーマにした投信との比較は下の記事を参考にしてください。
・『eMAXIS Neo 自動運転』『iFreeActive EV』米国株式(FANG+/NASDAQ100)および全世界株式インデックスファンドと実績比較・評価
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