『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の特徴と運用実績を競合する米国株式インデックスファンド等と比較してみました。
対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『iFree NYダウ・インデックス』、『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』、『楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』です。
・世界の投資家の関心を惹きつける米国の魅力(日興AM)
生産年齢人口の増加や研究開発支出の多さは米国の強みとしてよく挙げられるところですよね。世界的に著名な企業やブランドを多数擁しているのも投資対象として魅力的です。
米国株式インデックスファンド等の特徴
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
投資対象指数に連動する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)が実質的な投資先です。2022年12月末現在、同ETFは米国の大型株、中型株、小型株、合わせて3,960銘柄を組み入れています。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
『iFree NYダウ・インデックス』(大和AM)は、米国を代表する優良30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.2475%です。
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』(大和AM)は、「NASDAQ100指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
NASDAQ(ナスダック)は米国にある世界最大の新興企業向けの株式市場です。米国以外の企業を含みハイテク(IT)関連銘柄の比率が高いのが特徴です。「NASDAQ100指数」は時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)で構成されています。
運用管理費用(年率)は税込0.495%です。
『楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場における高配当銘柄の動きをとらえることをめざして、「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
投資対象指数に連動する「バンガード・米国高配当株式ETF」(VYM)が実質的な投資先です。大型株の中でも、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組み入れます。2022年12月末現在、同ETFは米国の高配当株440銘柄を組み入れています。
運用管理費用(年率)は税込0.192%程度です。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株で構成されています。
運用管理費用(年率)は税込0.1023%以内です。
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを軽減するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
スリム米国株式と競合の運用実績(チャートと騰落率)
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と競合の過去4年の基準価額の推移(2019年2月18日~2023年2月17日)は下記のチャートの通りです。起点の基準価額を1万円に設定しています。
騰落率の比較は下記の通りです(2023年2月17日現在)。
コロナショックの下落率は2020年2月21日~同年3月24日(NASDAQ100連動型のみ2020年2月20日~同年3月17日)の数字です。
・米企業業績は足もと落ち込みも、今年後半回復か(PDF/アセットマネジメントOne)
米主要企業の2022年10‐12月期決算は、S&P500種指数採用企業の業績変化率が前年同期比-2.8%と推計され、9四半期ぶりの減益見込み。2023年1-3月期は同-3.7%と、減益拡大予想。
エネルギーを除いたベースでの業績変化率の予想は、1-3月期に4四半期連続で減益の後、10-12月期には12%程度まで増益率が拡大する見込み。情報技術を中心に巻き返しがみられるか。
米国の企業業績について今年後半の回復を予想する見方がある一方で、米国経済の見通しとして景気後退入りの時期を今年前半から後半に変更する資産運用会社もあるようです。
・2023年の米国経済見通しを更新(2023年2月)(三井住友DSアセットマネジメント)
●米景気後退は短期で浅いとの見方は不変だが景気後退入りの時期を今年前半から後半に変更。
●インフレはサービス価格の伸びが高水準で見通しを小幅に上方修正も、鈍化傾向の予想は維持。
●利上げは5月終了へ、ただ雇用調整が遅延なら追加利上げの可能性、年内利下げは想定せず。
インフレや金融引き締めの長期化などの懸念材料はあっても、時間が解決してくれると信じて焦らず株価の回復を待ちたいですね。為替の動向は悩みどころですが、株価の停滞と円高が同時に起こればむしろ投資のチャンスという見方もあるでしょうね。
・米国株の調整に一巡感?長期積立投資は最強か(楽天証券トウシル)
楽天証券トウシルの記事によれば2000年1月から米国株式(S&P500 円換算/配当込み総収益)に毎月3万円ずつ積立投資をした場合、2022年9月末時点で累計投資額819万円に対し評価額は約4.3倍の約3,506万円に達したそうです。
過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありませんが、ITバブル崩壊(2000年)、リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)などの危機を乗り越えてきた長期投資の可能性には勇気づけられますよね。気長に種まきを続けられたらと思っています。
米国株式インデックスファンド まとめ
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の純資産総額は大きく伸びています。『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『iFree NYダウ・インデックス』、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は金融庁が公表している「つみたてNISA対象商品届出一覧」(PDF)に入っています。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』が実質的な投資対象にしている海外ETFの規模の大きさは安心感がありますが、現物株に直接投資している場合に比べるとベンチマークとのかい離が若干気になるところでしょうか。
・『楽天・全世界株式』『楽天・全米株式』ベンチマークからのかい離が大きめ?ライバルとの差は縮小中
国際分散投資を重視するなら先進国株式インデックスファンドのほか全世界株式インデックスファンド、あるいはバランスファンドという選択肢もあります。
・【毎週更新】『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』同(除く日本)、楽天・全世界株式インデックス・ファンド、8資産均等型バランスと比較・評価
令和5年度税制改正の大綱等で示された2024年以降の新しいNISAの概要は下の表の通りです。
・新しいNISA(金融庁)
長期の安定的な資産形成に不向きとされるレバレッジ型投信は除外される予定です。
・天国から地獄? 米国株式(S&P500/NASDAQ100)インデックスファンドをレバレッジ型と比較・評価 株価急落時の値動きは?
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