『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の特徴と運用実績を競合する全世界株式インデックスファンドと比較してみました。
対象は『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))』です。
参考までにバランスファンド(8資産均等型)とも比べています。
オール・カントリーほか全世界株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて47ヵ国の大型株と中型株2,900銘柄弱で構成されています。世界の株式市場の時価総額のうち約85%をカバーしています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
ケイマン諸島に登記している企業には少なからぬ中国企業が含まれるようです。
・なぜアリババの所在地はケイマン諸島なのか(大和総研)
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国と新興国合せて46ヵ国の大型株と中型株2,600銘柄強で構成されています。
運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場の動きをとらえることをめざして、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国合せて48ヵ国の大型株・中型株・小型株9,400銘柄強で構成されています(MSCIの指数と同様に香港を数に入れるなら49ヵ国)。世界の株式市場の時価総額のうち98%以上をカバーしています。
・「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」投資対象銘柄(組入れETF)の追加について(PDF/楽天投信)
運用管理費用(年率)は税込0.199%程度です。「楽天VT」から「楽天VTI 60% + VXUS 40%」へ完全に移行するなら税込0.178%程度になる計算です(ただし現時点ではVTを売却する予定はないそうです)。
下記のポートフォリオは実質的な投資対象であるVT、VTI、VXUSのうち代表的なVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)のものです。
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)は世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。
運用管理費用(年率)は税込0.154%以内です。
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを軽減するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
オール・カントリーほか実績(チャートと騰落率)
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と競合投信の過去4年の基準価額の推移(2019年2月18日~2023年2月17日)は下のチャートの通りです。起点の基準価額を1万円にそろえています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2023年2月17日現在)。
コロナショックの下落率は2020年2月21日~同年3月24日(バランスのみ~同19日)の数字です。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』に比べ、国内株式を含まない『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』や中小型株まで幅広くカバーした『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』は良くも悪くも値動きが若干大きめな可能性はあるかもしれませんね。
・なぜGDPと株価は相関性が高いと言われているの?(三井住友DSアセットマネジメント)
経済活動の中でも、個⼈消費は重要な要素であり、各国・地域のGDPにおいても、⼤きな割合を占めています。個⼈消費が活発化することで、企業の業績向上につながることが⾒込まれます。
個⼈消費の動きは、⼈⼝増減の影響を受けると考えられます。⼈⼝が増加すれば、全体の消費⽀出は⼤きくなり、企業の業績向上も期待されます。
世界⼈⼝は2020年 の約78億⼈から2030年に約85億⼈、20年後の2040年には約92億⼈にまで増加すると予想されており、今後も世界の経済成⻑が続くと⾒込まれます。
ただしGDPや人口の増加が著しくても投資環境の整備が不十分だったりして株価がさえない国もありますから、特定の新興国等に集中投資するよりは国際分散投資がやはり王道になるでしょうか。
目先は世界経済の減速が心配されていますが、長い目で見れば将来の回復局面に向けた買い増しのチャンスという見方もありますね。
・初心者向け!ストレスフリーで貯めながら増やす「長期積立投資」(楽天証券トウシル)
株価が下落した場面で着実に「押し目買い」や「積み増し買い」を自動的に実践できる積立投資を実践するにあたっては、市場の変動に対し「ストレス」を感じる必要はありません。
株式市場が下がっていれば、「安く買い増すことができる」くらいに思える冷静な姿勢が肝要となります。
楽天証券トウシルの記事によれば、2000年1月から2022年6月まで毎月3万円を世界株式(MSCI ワールド ※)に積立投資をすると、累計投資額810万円(3万円×270回)に対し6月時点での評価額は3.1倍弱の約2,474万円に達したそうです。
※ MSCI ワールド(日本を含む先進国)とMSCI エマージング・マーケット(新興国)を足したのがMSCI ACWI。先進国と新興国の比率はおよそ9:1。
時に予想外のことが起きるのが市場ですから、冷静な判断力を保ちながら積み立てを続けるには余力も残しておきたいですね。
全世界インデックスファンド まとめ
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の純資産総額は順調に成長中です。世界最大級の運用会社バンガードは、市場を長期的視点で見ると「世界的な強気相場によるリターンは弱気相場の損失を補って余りある」と述べています(バンガード「終わりのない弱気相場はない」より)。
弱気相場になると悲観的になりがちですが、長期の目線を忘れないようにしたいです。
今回、取り上げた全世界株式インデックスファンドは、金融庁が公表している「つみたてNISA対象商品届出一覧」(PDF)に入っています。
日本を含む世界の大型株から小型株まで網羅している点に魅力を感じるなら、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も「つみたてNISA」の有力な候補の一つになりそうです。
実質的な投資対象にしている海外ETFの規模の大きさは安心感がありますが、現物株に直接投資している場合に比べるとベンチマークとのかい離が若干気になるところでしょうか。
・『楽天・全世界株式』『楽天・全米株式』ベンチマークからのかい離が大きめ?ライバルとの差は縮小中
令和5年度税制改正の大綱等で示された2024年以降の新しいNISAの概要は下の表の通りです。
・新しいNISA(金融庁)
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・『ひふみワールド+』全世界株式および米国株式(S&P500)インデックスファンドと実績比較・評価 世界の成長企業に投資するアクティブファンドの実力は?
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