純資産総額の3倍の投資を行う『米国3倍4資産リスク分散ファンド(年2回決算型)』(2019年10月15日設定)の出足の成績を競合と比較してみました。
比較の対象は『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(愛称:USA360)』、『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』です。
米国3倍4資産リスク分散ファンド、USA360ほか特徴
『米国3倍4資産リスク分散ファンド(年2回決算型)』(大和アセットマネジメント)は米国の株式、REIT(不動産投資信託証券)、債券ならびに金に分散投資します。各投資対象の比率は、ポートフォリオ全体に占める各資産のリスク割合が均等となることを目標に決定します(比率は毎月見直し)。
先物取引等を活用して純資産総額の3倍相当額の投資を行います。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込1.1275%です。信託期間は2029年9月11日までです。
米国3倍4資産リスク分散ファンド 交付目論見書2ページより |
『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(愛称:USA360)』(楽天投信投資顧問)は株式と債券への投資比率を1:3として、実質的にファンドの純資産総額の360%(3.6倍)相当額を米国の株式と債券に分散投資します。
株式部分は、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と同じく、大型株から小型株まで幅広くカバーした「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」を採用しています。
運用管理費用(年率)は税込0.4945%程度です。信託期間は無期限です。
基本配分 株式1:債券3 純資産総額合計360% |
『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』(日興AM)は世界の株式、REIT、債券の3つの資産に純資産総額の3倍相当額の投資を行います。
運用管理費用(年率)は税込0.4840%程度です。信託期間は2020年12月24日付で無期限に変更される予定です。
グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型) 2019年6月22日付交付目論見書2ページより引用 |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.1620%程度です。信託期間は無期限です。
米国3倍4資産リスク分散ファンド、USA360ほか成績
下のチャートは過去1年の基準価額の推移(2019年11月12日~2020年11月11日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年11月11日現在)。
調整局面の下落率は『米国3倍4資産リスク分散ファンド(年2回決算型)』などバランスファンドの場合は2020年2月21日~同年3月19日の数字、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の場合は2020年2月21日~同年3月24日の数字です。
コロナショックでは株式以上にREIT(不動産投資信託証券)が大きく値下がりしたので、REITにも分散する『米国3倍4資産リスク分散ファンド(年2回決算型)』や『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』の基準価額の下落幅が大きめですね。
新興国株式を含む『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』はショック時の値動きが『楽天・全米株式インデックス・ファンド』よりも荒くなっています。
・新型コロナウイルス感染拡大を受けた各資産の値動き(日興AM)
一般的にREITはミドルリスク・ミドルリターンと言われていますが、市場規模が小さいため投資資金の流出入にともなって株式以上に値動きが激しくなる場合もあるようです。コロナ禍で先行きの不透明感も根強いものの、長期目線で回復を信じるなら投資のチャンスという見方もあるかもしれませんね。
『米国3倍4資産リスク分散ファンド』は分配金再投資基準価額で計算しています。
米国3倍4資産リスク分散ファンド まとめ
『米国3倍4資産リスク分散ファンド』のコロナショック時の下落率は約30%と決して小さくはありませんが、過去1年の運用実績は比較的堅調です。ただ、『米国3倍4資産リスク分散ファンド』の純資産総額は、年2回決算型(2.18億円)のほかに毎月決算型(2.84億円)と隔月決算型(0.78億円)を合わせても、5.8億円にとどまります(2020年11月11日現在)。
『米国3倍4資産リスク分散ファンド』は、先行する『グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)』より運用管理費用(信託報酬)が割高なこともネックでしょうね。
『楽天・米国レバレッジバランス・ファンド(愛称:USA360)』は、レバレッジ型バランスファンドの中では投資内容が比較的シンプルで、信託期間も無期限なのが魅力かもしれませんね。
長期運用を前提にするなら、リスク資産は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』のような低コストのインデックスファンドを主軸にして、預貯金等の安全資産を厚めに持つほうが単純明快でわかりやすいのでは、という考え方もあるでしょうか。
レバレッジ型バランスファンドは投資効率の良さがうたわれる一方で、リスクの高さが把握しにくいのが難点ですよね。過去の指数データを使ったシミュレーションの結果は良好でも、将来の運用成績はあくまで未知数ですし。
コロナショック以前から債券バブルが懸念されていたのも気になるところでしょうか。
・債券は「バブル」なのか? 弾けたときに起こること(ITmedia)
・コロナ禍で歴史的水準に 米マネーサプライの特異性(ピクテ投信)
パウエルFRB議長が再三にわたって主張しているように、コロナ禍によって景気低迷が長引けば、流動性(資金調達)リスクはソルベンシー(返済能力)リスクに変化するおそれがある
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