『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の特徴と運用実績を競合する新興国株式投信と比較してみました。
比較の対象は『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』、『iFree 新興国株式インデックス』、『iTrust新興国』です。
上記の投資信託のうち、つみたてNISA対象商品は『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』、『iFree 新興国株式インデックス』です。
参考までに『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』とも運用実績を比べています。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドほか特徴
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(新興国株式))』(楽天投信投資顧問)は、新興国の株式市場の動きをとらえることを目指して、「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。各月末の直近1年間の騰落率と基準価額の推移(左) 年間騰落率の最大・平均・最小値(右) 2020年4月付交付目論見書4ページより |
対象指数に連動する「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」(VWO)を主要投資対象としています。
2020年3月末現在、同ETFは新興国市場の大型株、中型株、小型株、合わせて5,058銘柄を組み入れています。
一般的な新興国株式インデックスファンドに採用されているMSCIのエマージング指数と違い、FTSEでは韓国とポーランドは新興国ではなく先進国に区分されています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.232%程度です。
・信託報酬引き下げ!『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』スリム新興国株式と実質コストや運用実績を比較 積立投資の成績も比べてみました
2020年3月末現在(同年4月末月報より) |
『SBI・新興国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(新興国株式))』(SBIAM)のベンチマークは「FTSE エマージング・インデックス」(円換算ベース)です。
対象指数に連動する「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF」(SCHE)を主要投資対象としています。同ETFは1,438銘柄を組み入れています(2020年5月18日現在)。
運用管理費用(年率)は税込0.196%程度です。
2020年4月末月報より |
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)のベンチマークは「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」(円換算ベース)です。
2020年4月末の月報によると、1,398銘柄を組み入れています。
運用管理費用(年率)は税込0.2079%以内です。
2020年4月末月報より |
『iFree 新興国株式インデックス』(大和AM)は、ファンダメンタル(株主資本、キャッシュフロー、売上、配当)に着目した「FTSE RAFI エマージング インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数の構成国は13ヵ国と少なめです(「FTSE エマージング・インデックス」は24ヵ国、MSCI エマージング・マーケット・インデックス」は26ヵ国)。
2020年4月末の月報によると、403銘柄(米国籍の外国投資証券1銘柄と外国株式の先物1銘柄を含む)を組み入れています。
運用管理費用(年率)は税込0.374%です。
2020年4月末月報より |
アクティブ運用の『iTrust新興国株式(愛称:働きざかり~労働人口増加国限定~)』(ピクテ投信投資顧問)は、労働人口が拡大していて、相対的に高い経済成長が期待できる新興国の株式に分散投資します。
2020年3月末の月報によると、18ヵ国の133銘柄を組み入れています。
運用管理費用(年率)は税込1.1775%程度です。
2020年3月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドほか運用実績
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』ほか過去2年間の基準価額の推移(2018年5月21日~2020年5月19日)は下のチャートの通りです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年5月21日~2020年5月19日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
競合との騰落率の比較は下記の通りです(2020年5月19日現在)。
2020年5月19日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
2020年5月19日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
・IMF『世界経済見通し』コロナ収束は年後半予想(三井住友DSアセマネ)
一口に新興国株式と言っても、ベンチマークが異なっていたり、アクティブ運用の投資信託もあり、運用成績はそれぞれに好調な時期、不調な時期があるものと思われます。
目論見書や運用報告書、月報等で各投資信託の特性を理解したうえで投資したいですね。
下記の記事の追記部分に『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』のベンチマークとのかい離についても一緒にまとめています。
・『楽天・全世界株式』『楽天・全米株式』ベンチマークからのかい離が大きめ? ライバルとの差は縮小中
おすすめは楽天証券
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』の販売会社はauカブコム証券、SBI証券、岡三オンライン証券、GMOクリック証券、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、損保ジャパン日本興亜DC証券(確定拠出年金)、松井証券、マネックス証券、楽天証券です(リンク先から証券会社の資料請求ができます)。楽天証券では投資信託をスポット購入でも積み立てでも100円から購入可能です。また楽天グループの「楽天ポイント」(期間限定ポイントは除く)でも投資信託を購入できます。
少額かつポイントでお試しできるなら、投資が身近になりますね。手軽に投資できるようになっても将来の運用成績までは保証してくれないので、結果については自己責任という原則は忘れないようにしたいです。
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