※ 記事を更新しました(2018年1月31日)。
世界のバイオ医薬品関連企業に投資する『iTrustバイオ』の特徴と運用成績を競合する投資信託と比較しながら簡単にまとめてみました。
比較の対象は『グローバル・ヘルスケア&バイオオープンBコース(為替ヘッジなし)』、先進国株式インデックスファンドである『たわらノーロード 先進国株式』、『SMT グローバル株式インデックス・オープン』です。
iTrustバイオほか特徴
『iTrustバイオ』国別構成比は米国が8割強 2017年12月末現在 |
『iTrustバイオ』(ピクテ)は、高い成長が期待される世界のバイオ製薬関連企業の株式に投資します。外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。
バイオ医薬品とは、免疫力の低下や体の機能の異常といった病気の原因に直接働きかけるなどして治療する薬のことです。人の持つ免疫力や自然の力などを活用して作られるため、比較的副作用が少ないとされています。
一例としては、がんの治療薬アバスチン、インフルエンザの治療薬タミフルなどがあります。
2017年12月末の月報によると組入国数は8か国、組入銘柄は38銘柄で、そのうち組入上位10銘柄は下記の通りです。
1.アムジェン(米国)白血球生成促進剤や関節リウマチ治療薬などが主力
2.バイオジェン(米国)神経学、腫瘍学、免疫学などを中心とした新薬の開発、製造、販売
3.ギリアド・サイエンシズ(米国)HIVやC型肝炎など感染症治療薬の分野に強み
4.セルジーン(米国)がん領域や免疫・炎症関連疾患などを中心に治療薬の発見や開発、商品化
5.アレクション・ファーマシューティカルズ(米国)自己免疫疾患治療用の独自の免疫調整合成薬の研究、開発
6.マイラン(米国)呼吸器疾患、アレルギー疾患、精神障害等の治療薬を手がける
7.ユナイテッド・セラピューティクス(米国)肺高血圧症向け合成プロスタサイクリン製剤をはじめ、がん、C型肝炎などの治療薬の開発・販売
8.ジャズ・ファーマシューティカルズ(米国)居眠り病、血液・腫瘍関連の治療薬や鎮痛剤などの製品を持つ
9.PRAヘルス・サイエンシズ(米国)バイオをはじめとした医薬品企業に対して医薬品開発における臨床開発の受託サービスを提供
10.リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)がんや慢性炎症、関節リウマチの治療薬など
『グローバル・ヘルスケア&バイオオープンBコース(為替ヘッジなし)』(三菱UFJ国際投信)は、世界主要先進国市場の中から、製薬、バイオテクノロジー、医療製品、医療・健康サービス関連企業等の株式に投資を行います。
『たわらノーロード 先進国株式』(アセットマネジメントOne)と『SMT グローバル株式インデックス・オープン』(三井住友トラスト・アセットマネジメント)は、日本を除く先進国の株式市場の値動き(※)に連動する投資成果をめざすインデックスファンドです。
※ ベンチマークの「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算)は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,332銘柄で構成されています(2017年12月末現在)。
『たわらノーロード 先進国株式』 2017年12月末月報1ページより引用 |
今回取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間はすべて無期限です。
iTrustバイオほか成績
2018年1月30日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
購入時手数料は上限の数字でネット証券など無料の場合もあります。
『iTrustバイオ』は健闘はしているものの、残念ながら設定来の騰落率では先進国株式インデックスファンドを下回っています。
過去10年の騰落率では、『グローバル・ヘルスケア&バイオオープンBコース(為替ヘッジなし)』の成績は先進国株式インデックスファンドを大きく上回っています。
まとめ
『iTrustバイオ』の運用実績は良好ですが、設定来の成績では先進国株式インデックスファンドには及びませんでした。長い目で見ればバイオ製薬関連銘柄は将来性が期待できる分野かもしませんね。投資信託の場合は個別の銘柄に投資するよりはリスクは控えめかもしれませんが、新薬の開発には長い年月と巨額の研究費が必要とされますし、期待値の高さと同時に厳しい競争にさらされている業界だということは留意しておく必要があるでしょうね。
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