世界をどう切り分ける? |
※ 記事のデータを更新し、最後に「eMAXIS Slim」から登場する競合投信について追記(2018年3月16日)。
2017年11月17日に設定された『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』(愛称:ファンドパック3)の特徴を、同じくつみたてNISAの対象になっている全世界株式インデックスファンドと比較しながら、簡単にまとめてみました。
比較の対象は『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))、『野村つみたて外国株投信』です。
今回取り上げた投資信託は、すべて、つみたてNISA対象商品です。
・金融庁が「つみたてNISA対象商品届出一覧」公表 各指数で信託報酬が最安値の投資信託は?
・Q&A「つみたてNISA」ってどんな制度?投信を毎月買わないとダメ?一般NISAとつみたてNISAは併用できる?
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)ほか特徴は?
楽天~と野村~は2018年2月末現在 |
『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』は、国内外の株式市場の動きに連動する投資成果をめざします。日本、先進国、新興国の株式市場に3分の1ずつ分散投資します。
ベンチマークはそれぞれ「TOPIX」、「MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース)」、「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)」です。
2018年2月末現在 国内株式マザーファンドの銘柄数は1,711銘柄(2017年2月20日現在) |
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』は、日本を含む全世界の株式市場の動きをとらえることをめざして、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行います。
投資対象指数は先進国や新興国市場を含む約47ヵ国の約8,000銘柄で構成され、全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーしています。
投資対象指数に連動する『バンガード・トータル・ワールド・ストックETF』が実質的な投資先です。2018年2月末現在、同ETFは日本を含めた世界各国の大型株、中型株、小型株、合わせて8,001銘柄に投資しています。
2018年2月末現在 カナダの順位と比率はバンガード社のHPの記載のまま いずれ訂正されるかもしれません |
『野村つみたて外国株投信』は、日本を除く世界の株式に投資します。
ベンチマークの「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」は、日本を除く先進国と新興国、合計46ヵ国の大型株と中型株2,173銘柄で構成されています(2018年2月末現在)。
2018年2月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを回避するための為替ヘッジを行いません。信託期間はすべて無期限です。
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)ほか成績比較
年初来の基準価額の値動き 比較しやすいよう2018年1月4日の基準価額を1万円に統一 |
もう少し長期での騰落率の比較は下の表の通りです。『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』(2017年11月17日設定)は、まだ運用開始から日が浅いです。
2018年3月15日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
3つの投資信託とも購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。
比較的低コストな『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』ですが、信託報酬(運用管理費用)は競合する投資信託に比べると見劣りします。純資産総額も今一つ伸びていないようです。
貿易摩擦に対する警戒感から株式市場は軟調になっています。上記の期間では、『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』は騰落率のマイナス幅が競合よりは控えめになっています。
ポートフォリオのリターンとリスク
リターンとリスクは年率
過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません
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上の表は『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』に準拠したポートフォリオ(上段)と株式市場の時価総額比におおむね準拠したポートフォリオ(中段)、日本を除くポートフォリオ(下段)のリターンとリスク(ともに年率)を比較したものです。
『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』に準拠したポートフォリオは、新興国株式が3分の1を占めるのでリスク(収益のぶれ)が一見大きそうに思えますよね。ところが、国内(日本)株式の比率も高いので、時価総額比に準拠したポートフォリオよりリスクがむしろ若干控えめになっています。
○は年間リターンの平均値
過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません
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2003年3月31日から2018年2月28日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。
売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去のデータは将来の運用成績を保証するものではありません。
まとめ
最近はインデックスファンドの低コスト競争が激しく、全世界株式インデックスファンドで信託報酬(年率)が税込0.15%程度という『EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式』も登場しました。・『EXE-i つみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド』の出足の成績を楽天・全世界株式や野村つみたて外国株等と比較
比較的低コストな『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』の信託報酬(税込0.34992%)も超低コストなインデックスファンドと比べるとやや割高に感じてしまいますが、株式で地域ごとに均等配分したポートフォリオはなかなか興味深いですね。
「ニッセイ・インデックスパッケージ」のほかの投資信託についても記事にしています。
・債券なしバランス投信『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート)』を8資産均等型や世界経済インデックスファンドと比較
・『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』を8資産均等型や世界経済IFと比較
・国内債券主体の堅実型?『ニッセイ・インデックスパッケージ(国内・株式/リート/債券)』を8資産均等型や世界経済IFと比較
追記
『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』の販売会社は、SBI証券、光世証券、マネックス証券、楽天証券です(2018年3月16日現在)。
「eMAXIS Slim」に同じコンセプトの投資信託が近日、設定される予定です。
『野村つみたて外国株投信』にもライバルが登場します。
・『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』の出足の成績を同(除く日本)、楽天・全世界株式、全米株式と比較
・『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』を同バランス(8資産均等型)、世界経済インデックスファンドと比較 リターンとリスクの特性は?
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