バランス投信も魅力的だけど正攻法は? |
2017年11月17日に設定されたばかりの『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』(愛称:ファンドパック7)の特徴を、バランスファンドの定番と比較しながら、簡単にまとめてみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim バランス (8資産均等型)』、『世界経済インデックスファンド』です。
3つの投資信託とも金融庁の発表したつみたてNISAの対象商品に入っています。
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)ほか特徴
世界経済インデックスファンドは2017年8月末現在 |
『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』は、国内外の株式、REIT(不動産投資信託証券)、債券市場の動きに連動する投資成果をめざします。
国内株式(TOPIX)、先進国株式、新興国株式、国内REIT、先進国REITに10%ずつ、国内債券と先進国債券に25%ずつ分散投資します。
新興国債券は含まれていません(※)。新興国債券は見かけ上の金利は高いのですが通貨安で相殺されがちで、以前は新興国に投資するなら債券よりも株式を優先すべきという意見もありました。
※ 厳密には先進国債券(シティ世界国債インデックス 除く日本)に新興国債券もわずかに含まれています。
構成比は株式30%:債券50%:REIT20%です。国内45%:海外55%です。
『eMAXIS Slim バランス (8資産均等型)』は、日本を含む世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。
株式37.5%:債券37.5%:REIT25%です。国内37.5%:海外62.5%です。
『世界経済インデックスファンド』は、日本を含む世界の株式と債券に分散投資します。
株式50%:債券50%です。国内10%:海外90%です。
今回取り上げた投資信託は為替変動リスクを回避するための為替ヘッジを原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)ほか成績
2017年12月11日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
購入時手数料は上限の数字でネット証券など無料の場合もあります。つみたてNISAでは、ETFを除き、投資信託はノーロード(購入時手数料なし)です。
まだ設定されたばかりのため運用実績は、あくまで参考値です。
上記の期間では国内株式と先進国株式が好調、国内債券がやや軟調でした。
そのため、国内株式と先進国株式の比率が低く、国内債券の比率の高い『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』は競合する投信に対し劣後しています。
ポートフォリオのリスクとリターン
リターンとリスクは年率
過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
上の表は『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』ほか3つの投資信託に準拠したポートフォリオのリターンとリスク(ともに年率)を比較したものです。
『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』は、他の投資信託に比べリターン(投資の収益率)は控えめですが、リスク(収益のぶれ幅)も相対的に小さくなっています。国内資産の比率が45%と高めで長期では少子高齢化の影響がやや気になるところかもしれませんね。
その一方で、国内資産の比率が10%で海外資産の比率が90%という『世界経済インデックスファンド』に準拠したポートフォリオは、上記の期間では、8資産均等型に比べリスクの高さのわりにリターンが報われていない結果になっています。
REIT(不動産投資信託証券)の有無のほか、為替相場の影響も少なからずあるものと思われます。
○は年間リターンの平均値 |
2003年3月31日から2017年11月30日までの任意の連続1年間で騰落率のうち最大の騰落率を「最大上昇時」、同じく最小の騰落率を「最大下落時」としています。
売買手数料、税金等の費用は考慮していません。過去のデータは将来の運用成績を保証するものではありません。
『世界経済インデックスファンド』は2017年8月末現在の基本投資割合を参考にしています。同ファンドの地域別構成比はGDPシェアの変化に応じて原則として年1回見直しを行う場合があります。
まとめ
『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』は、債券で変動リスクを抑えつつ株式やREITのリターンも享受したい、ある意味、欲張りな人(?)向けでしょうか。リスク資産の激しい値動きに慣れないなら、バランスファンドで緩和するというのも一案かもしれません。
ただし、本来は投資信託だけでリスクとリターンを推し量るのではなく、預貯金や個人向け国債といった安全資産も含めた資産全体で考えるのが正攻法です。
値動きを小さくしたいなら、投資信託等リスク資産への配分を控えめにするほうがシンプルで明快です。
・国内債券主体の堅実型?『ニッセイ・インデックスパッケージ(国内・株式/リート/債券)』を8資産均等型や世界経済IFと比較
・債券なしバランス投信『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート)』を8資産均等型や世界経済IFと比較
・国内、先進国、新興国に均等配分『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)』を楽天・全世界株式等と比較
こぼれ話
『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート/債券)』の販売会社は、SBI証券、光世証券、楽天証券です(2017年12月8日現在)。
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