ニッセイ日本株ファンドを競合する投信と比較 |
TOPIXを上回ることが目標のアクティブ運用投信『ニッセイ日本株ファンド』(ニッセイアセットマネジメント)の特徴や運用成績を、競合する投資信託と比べながら簡単にまとめてみました。
比較の対象は『ひふみプラス』と『eMAXIS TOPIXインデックス』です。
ニッセイ日本株ファンドほか特徴
2017年9月末の月報より(ニッセイの銘柄数のみ2017年5月22日付交付運用報告書より) |
『ニッセイ日本株ファンド』は日本の株式を対象に独自の運用モデルを活用し割安株投資の効果に着目した運用を行います。中長期的観点からTOPIX(配当込み)を上回ることを目標にしています。
アナリストによる企業調査も行っているようですが、上位10銘柄のうち8銘柄がTOPIXに連動するインデックスファンドと共通するなど手堅くはあれ、やや個性に乏しい印象も受けるでしょうか。
株式の実質組入比率は原則として100%を保ち、市場環境の変化や変化の見通しに基づいた変更は行いません。
『ひふみプラス』は財務指標や株価指標など目に見える定量面だけでなく、企業訪問等を通じ経営方針や戦略など目に見えない定性面にも徹底した調査・分析を行うことをうたっています。
株価の下落リスクが高まっている時や、株価水準から魅力的な銘柄が無いような時には株式の組入比率を最大で50%強まで引き下げます。
『eMAXIS TOPIXインデックス』は、東証一部上場の全銘柄が対象のTOPIX(東証株価指数)の値動きに連動する投資成果をめざします。
今回取り上げた投資信託の信託期間はすべて無期限です。
3つとも金融庁の「つみたてNISA対象商品届出一覧」(PDF)に入っています。TOPIXに連動するインデックス投信でもっと信託報酬の安いものもありますが、運用期間が短いため比較の対象にしませんでした。
ニッセイ日本株ファンドほか成績
2017年10月20日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
過去5年の騰落率は以下のような成績順でした。
ひふみプラス > eMAXIS TOPIX > ニッセイ日本株ファンド
『ニッセイ日本株ファンド』は『eMAXIS TOPIXインデックス』に対して過去5年の騰落率では劣後し、それ以外の期間は僅差でほぼ変わらない成績になっています。であれば、信託報酬の安い指数連動型のインデックス投信でいいのでは、という結論になってしまいますよね。
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。2018年から始まる「つみたてNISA」では、すべてノーロード(購入時手数料なし)になります。
『ひふみプラス』は純資産総額に応じて一定額を超えた分について信託報酬(運用管理費用)の料率が下がる仕組みになっています。500億円を超える部分は税抜0.88%、1,000億円を超える部分は税抜0.78%に下がります。
まとめ
独自の運用モデルの活用をうたった『ニッセイ日本株ファンド』ですが、市場平均に連動するインデックス投信を明確に上回る実績をあげ続けるのは容易なことではないようです。TOPIX連動型で信託報酬(年率)が0.1%台など、2018年から始まる「つみたてNISA」を前にインデックス投信の一層の低コスト化が進んでいます。実績に乏しいアクティブ運用の投資信託は高めの運用管理費用を正当化するのがますます難しくなりそうです。
上記期間の各月末における直近1年間の騰落率 『ニッセイ日本株ファンド』交付目論見書5ページより引用 |
こぼれ話
今回比較の対象にした『ひふみプラス』はインデックス投信よりも優勢で、過去にさかのぼってまとまった金額を投資していればとつい思ってしまいますが、事前に良好な成績の投資信託を見分けるのは難しいですよね。
世界的な金融緩和の追い風のあったこれまでと違って、アメリカが利上げや緩和策の縮小に動く中、今度は向かい風も予想されます。
「つみたてNISA」のように20年先を見据えて分散投資(投資対象と時期の分散)を心がけながらコツコツと積み立てていくのがいいのかもしれないですね。
直販のひふみ投信の紹介と資料請求は上のバナーから
追記
つみたてNISA商品ラインナップ(予定)
今回取り上げた投資信託は3つともネット証券大手の楽天証券とSBI証券の「つみたてNISA」商品ラインナップ(予定)に入っています。・楽天証券「つみたてNISA取扱商品」株式とバランス型に分類し信託報酬の安い順に並び替えてみました
・SBI証券「つみたてNISA取扱商品」株式とバランス型に分類し安い順に並替 楽天・全世界株、全米株もあり
・金融庁が「つみたてNISA対象商品届出一覧」公表 各指数で信託報酬が最安値の投資信託は?
楽天証券は少額(100円)から投資信託を積み立てられるほか、楽天グループの「楽天スーパーポイント」(期間限定ポイントを除く)でも投資信託を購入可能です。
・楽天証券「投資信託ポイント買付サービス」少額なら米国株投信やアクティブ投信に投資してみる?
つみたてNISAガイドブックほか
「つみたてNISA」については金融庁のリーフレット(PDF)や「つみたてNISA早わかりガイドブック」(PDF)がわかりやすいです。制度が導入された背景も含めて詳しく知りたい場合は「導入直前!「つみたてNISA」の制度説明」(PDF)を参照してください。巻末に「つみたてNISA」のよくある質問と回答も載っています。
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