日本経済新聞で報道されていた、アメリカのトランプ大統領が掲げるインフラ投資政策関連の銘柄に投資する投資信託が17日に運用が開始されたので、その成績を米国株式インデックスファンドや先進国株式インデックスファンドと比較してみました。
大和投資信託のWEBサイト
・米国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジあり)
・米国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジなし)
比較対象は米国株式インデックスファンドである「iFree NYダウ・インデックス」と「i-mizuho米国株式インデックス」、先進国株式インデックスファンドである「たわらノーロード 先進国株式」の3つです。
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ファンドの特徴
「⽶国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジあり/ 為替ヘッジなし)」は、アメリカにおけるインフラ設備の建設、改修またはメンテナンス、建設資材の生産または輸送などに直接関わる企業の株式に投資します。信託期間は平成34年1月13日までとなっています。交付目論見書(PDF)より、冒頭でふれた日経の解説のほうがわかりやすいです。為替の変動リスクを軽減する為替ヘッジありとなしの2つのファンドがあります。今は日本のほうが米国より金利が低いので、為替ヘッジをするには金利差に需給要因を加えたコストがかかっています。
「iFree NYダウ・インデックス」は、アップル、ウォルトディズニー、キャタピラーなどアメリカを代表する優良30銘柄を対象としたダウ・ジョーンズ工業株価平均に連動するインデックスファンドです。
「i-mizuho米国株式インデックス」は、アメリカ全株式の時価総額のうち8割近くを占める大型株約500銘柄を対象としたS&P500指数に連動するインデックスファンドです。
「たわらノーロード 先進国株式」」は、日本をのぞく先進国の株式を対象にしたMSCIコクサイ指数(円ベース)に連動するインデックスファンドです。MSCIコクサイ・インデックスは2016年5月末現在、北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,321銘柄で構成されています。
ファンドの成績比較
購入時手数料は税抜の数字。3.0%は上限なので販売会社によって手数料は異なります。 |
米国株式インデックスファンドや先進国株式インデックスファンドの基準価額の騰落率が+1%台なのに対して、「⽶国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジあり/ 為替ヘッジなし)」の騰落率は+8%前後と今のところ非常に良好な成績です。購入時の手数料を差し引いてもアウトパフォームしています。
まとめ
交付目論見書(PDF)の日付は2017年1月26日となっていますが、大和投資信託のWEBサイトにはまだ販売会社が記載されていません。販売が開始されたら人気が出そうですが、投資先の分散されたインデックスファンドに慣れていると、テーマ型投資信託は投資先がしぼられていることにやや不安も感じます。アメリカは国土が広いだけにインフラの更新には莫大な費用と年月を必要としそうですよね。インフラ投資は有望なテーマかもしれませんが、財政問題だけでなく労働者不足も指摘されていて移民を制限する政策とどう折り合いをつけていくのか、実現性が気になります。
追記
ファンドレター「投資環境と運用方針について」(PDF)によれば、アメリカの老朽化したインフラへの投資は喫緊の課題であり、安全面だけでなく経済成長の足かせにもなっているそうです。巨大な需要があるのであれば息の長いテーマにもなり得るかもしれませんね。
財源に関しても、アメリカ企業の海外留保金を還流させる「レパトリ」による税収入やインフラ銀行の設立、官民共同プロジェクトなどがあげられています。業種別構成や組入上位10銘柄も掲載されています。
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