米国株式(S&P500/NASDAQ100)インデックスファンドの積立投資の成績をレバレッジ型と比較・評価 コロナショックのように急反発するとは限らないのが怖いところ?

2022年9月7日水曜日

米国株式 毎月1万円の積立投資

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米国株式インデックスファンドの積立投資の成績をレバレッジ型と比較・評価・解説

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eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)と『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』(大和AM)の積立投資の成績をレバレッジ型と比較してみました。

比較の対象の『iFreeレバレッジ S&P500』(大和AM)と『iFreeレバレッジ NASDAQ100』(大和AM)は、日々の基準価額の値動きが指数(米ドルベース)の値動きの2倍程度になることをめざします。

レバレッジ型のみ為替ヘッジありです。


S&P500指数とNASDAQ100指数の業種別構成比

S&P500指数とNASDAQ100指数の業種別構成比

NASDAQ100指数は『QQQ』の業種別構成比を参考にしています。

米国の大型株を対象にしたS&P500指数より、米国の新興企業向け市場の上位100銘柄(金融を除く)を対象にしたNASDAQ100指数のほうが業種の偏りが大きいです。


米国株式インデックスファンドとレバレッジ型の積立投資の成績

毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休日の場合は後ずれします。

下のチャートは毎月1万円ずつ積み立てた場合の元本と評価額の推移を示しています(2019年1月7日~2022年9月6日)。

各年月の元本と評価額は約定日の数字ですが、最新月のみ2022年9月6日現在の数字です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFreeレバレッジ S&P500、iFreeNEXT NASDAQ100インデックス、iFreeレバレッジ NASDAQ100の積立投資の成績(チャート)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『iFreeレバレッジ S&P500』の積立投資の成績の詳細は下の表の通りです。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とiFreeレバレッジ S&P500の積立投資の成績(詳細)

iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』と『iFreeレバレッジ NASDAQ100』の積立投資の成績の詳細は下の表の通りです。

iFreeNEXT NASDAQ100インデックスとiFreeレバレッジ NASDAQ100の積立投資の成績(詳細)


米国株式インデックスファンドとレバレッジ型の積立投資 まとめ

2019年1月から3年8ヵ月の積立投資(毎月1万円)の評価額は、45万円の元本に対して以下の通りです(2022年9月6日現在)。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
662,031円(+212,031円/+47.12%)

iFreeレバレッジ S&P500
545,817円(+95,817円/+21.29%)

iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
665,173円(+215,173円/+47.82%)

iFreeレバレッジ NASDAQ100
544,882円(+94,882円/+21.08%)

積立投資の場合、基準価額が下がっているときは、より多くの口数を購入するチャンスでもあり、値動きの大きなレバレッジ型と積立投資の相性は悪くないとする見方もあるようです。

月3万円の積立で億万長者になれる!? 田端信太郎が「iFreeレバレッジ」にガチツッコミ!(新R-25)

「コロナショック…大丈夫でした?」レバレッジ型投信に個人資産をぶち込んでいた男に近況を聞いてきた(新R-25)

積立投資のメリット

ただし、元本がふくらんでくると新規積立分の影響は薄れてきますし、一般的にはレバレッジ型ファンドは時間の経過とともに指数とのかい離が拡大し減価する傾向にあるため長期保有には向かないと言われています。

指数が上昇・下落をしながら動いた場合には、次第に基準価額が押し下げられることになるからです(当の大和アセットマネジメントの交付目論見書でも説明されています)。

レバレッジ型ファンドの注意点2

NIKKEI STYLE(日経電子版)の記事では、レバレッジ型ファンドは「短期売買が主体のセミプロ向け」としています。

指数横ばいでも損? レバレッジ型投信の値動きに迫る(NIKKEI STYLE)

コロナショックのような急反発を常に期待できるとは限らないですよね。少し前まではコロナ禍の大規模な金融緩和が株式市場の追い風になっていましたが、米国はすでに金融政策の正常化に向けて動き出しています。

レバレッジをかけたときの振れ幅の大きさを想像するには、もしITバブルのピーク前にレバレッジ2倍のNASDAQ100連動投信を1000万円分運用したら?というシミュレーション記事も参考になるかもしれません。

4000万円が92万円まで減少も? 急増する“レバナス信仰”の裏に隠れた投資信託「負の側面」(ITmedia ビジネス)

基準価額の低迷が長引いて投資資金の流出が続いた場合、投資信託が繰上償還(※)されてしまう恐れもあります。レバレッジをかけて損失が拡大したまま途中で運用がストップしてしまったら悲惨です。

※受益者に償還の是非を問う場合、繰上償還を回避するには議決権の3分の1を超える反対が必要

やってはいけない!レバレッジ投信での積立投資(楽天証券トウシル)

どんなハイリスクな商品でも良い結果が出ている時はリスクを感じにくくなります。相場が悪い時を想定せずに投資していては、気づいた時には手遅れになってしまい、投資を継続することが難しくなるでしょう。

両学長の動画『レバレッジ型ETFの「よくある勘違い5選」について解説』を観て感じたこと(投資信託クリニック)

当然の話ですが、投資に人生を賭けてはいけません。人生はあなた自身に賭けるべきです。<中略>マーケットの高揚感と、コロナ渦の激変の中 若者の人生に対する諦念がミックスされて、ほの暗い『射幸心』を煽る典型例として、レバレッジ型商品は挙げられるのではないでしょうか?

【レバナス】なぜ、米国の大手運用会社はレバレッジ投資信託やETFを提供しないのか?【バンガード・ブラックロック】(バンガードS&P500ETF(VOO)に投資するりんりのブログ)

金融庁の注意喚起(PDF)と同様に米国の大手運用会社もレバレッジ型商品は個人投資家の長期の資産形成には向いていないとコメントしているようです。

過去の指数データを使ったシミュレーションではコストの影響(手数料や税金、レバレッジによる金利負担※など)が無視されがちなので、投資成果ばかりを強調した宣伝文句や販売資料をうのみにするのは危うい印象も受けるでしょうか。

※「レバレッジ運用を行なうにあたり先物取引を利用するため、借入金利に相当する負担があります。そのため、長期に保有する場合、金利負担が累積されます」(交付目論見書7ページより)。利上げによる金利上昇と株価下落でダブルパンチにならないか気になります。

先物取引に関するリスクとして「株価指数先物の価格は、対象指数の値動き、先物市場の需給等を反映して変動します。先物を買建てている場合の先物価格の下落により損失が発生し、基準価額が下落する要因となり、投資元本を割込むことがあります。また、先物を買建てている場合の株式市場の下落によって、株式市場の変動率に比べて大きな損失が生じる可能性があります。なお、対象指数の値動き等に変動がなくても、収益または損失が発生することがあります。」(同6ページより)との記載も。

金融市場の混乱で先物取引の需給が崩れた場合など、本来の資産価値から算出される水準とは大きく乖離した基準価額になる可能性も否定できない、ということですね。

レバレッジ投資信託とは? 順調だった「レバナス投資」の落とし穴(ZUU)


米国株式インデックスファンドとレバレッジ型基準価額の推移、騰落率、レバレッジ型の注意点については下の記事も参考にしてください。

天国から地獄? 米国株式(S&P500/NASDAQ100)インデックスファンドをレバレッジ型と比較・評価 株価急落時の値動きは?



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