『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』と『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の特徴と運用実績を『楽天・インデックス・バランス・ファンド』3種と簡単に比較してみました。
今回、取り上げた投資信託は、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。
楽天・全世界株式、全米株式、バランスの特徴
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース・為替ヘッジなし)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は先進国と新興国合わせて48ヵ国の大型株から小型株まで幅広くカバーしています。
下記のポートフォリオは実質的な投資対象であるVT、VTI、VXUSのうち代表的な「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)のものです。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース・為替ヘッジなし)に連動する投資成果をめざします。
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)を実質的な投資対象にしています。
『楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)』(楽天投信)、『同(均等型)』(楽天投信)、『同(債券重視型)』(楽天投信)は世界の株式と債券に分散投資します。
株式部分は大型株から小型株までカバーした「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)を実質的な投資対象にしています。
債券部分は国債に加え、政府関連債、社債、資産担保証券で構成された「バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド」を実質的な投資対象にしています。
債券への投資は為替ヘッジを行い為替リスクの低減をめざします。
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。
楽天・全世界株式、全米株式、バランスの信託報酬と実質コスト
信託報酬(運用管理費用)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』と『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コストは、第4期(2020年7月16日~2021年7月15日)運用報告書の1万口当たりの費用明細の合計に実質的な投資対象である投資信託証券の報酬を加えています。
『楽天・インデックス・バランス・ファンド』の実質コストは、第4期(2021年4月16日~2022年4月15日)運用報告書の1万口当たりの費用明細の合計に実質的な投資対象である投資信託証券の報酬を加えています。
『楽天・インデックス・バランス・ファンド』は債券部分が為替ヘッジ付なので為替変動リスクの軽減を期待できる反面、ヘッジコストの影響が気になるところかもしれませんね。
・為替ヘッジコストについて(2022年8月)(PDF/大和アセットマネジメント)
為替ヘッジコストは金融引き締め観測により足元では上昇傾向です。
楽天・全世界株式、全米株式、バランスの実績(チャートと騰落率)
下記のチャートは後発の『楽天・インデックス・バランス・ファンド』設定来4年1ヵ月強の期間(2018年7月20日~2022年9月2日)で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。債券の比率が高いほど基準価額の変動幅が小さくなっています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年9月2日現在)。
コロナショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来の騰落率は4年1ヵ月強の数字です。
『楽天・インデックス・バランス』の「均等型」と「債券重視型」は純資産総額がまだ小さいのが惜しいですね。
将来的にはインカムゲイン(利子収入)の改善が期待できますが、直近は金融政策の正常化で債券価格も下落しています。債券部分は為替ヘッジしている『楽天・インデックス・バランス』にとって、最近の円安傾向やヘッジコストの上昇も少なからず向かい風になっていそうです。
もっとも米国の利上げが打ち止めとなり日銀の政策が修正されれば、逆に円高に振れる可能性もありますよね。
近年は米国株式が好調でしたが、今後も優位が続くのか、それとも一種のバブルなのか、正確に予測するのは難しいです。
・米国株か?世界株か?(ピクテ投信)
長期投資を実践するのであれば、経済情勢の変化にも目を配る必要がある。しかし、10年を超える予測というものはほとんど当てにならないうえ、さらにバブルの「形成」と「崩壊」を見分けるのも至難の業だ。このため、はじめから決め打ちせず、先進国株と新興国株を含めた「世界株」に分散投資を行い、いずれ遭遇するであろうバブルの「形成」と「崩壊」に備えることが長期投資にとって重要ではなかろうか?
1970年代と1980年代、ほかの地域を圧倒するパフォーマンスだった日本株はその後、低迷を余儀なくされています。2000年代に騰落率がトップだった新興国株式も、2010年代は他地域に見劣りする成績でした。
時代によって優勢な株式市場が入れ替わってきたことがうかがえます。
将来の不確実性を重視するなら、世界株や債券も含めた分散投資が王道になるでしょうか。
まとめ 感情を排してリバランスするのは意外と難しい
長期では株式のほうが債券より期待されるリターンが高いと言われています。ただし、株式は値動きが激しいですから、市場が荒れ模様になると不安になって運用に悩んでしまうこともあるかと思います。バランスファンドなら裁量の余地が少ない分、お任せにできてストレスが少なくてすむかもしれません。あらかじめ決まった比率に自動でリバランスしてくれますし、投資を続けやすいというのは意外と大きなメリットでしょうね。
リスク許容度に応じた無理のない範囲で積立や運用を継続していければと思います。
ある程度までは株式の比率が高いほど長期運用における平均リターンが向上する傾向にありますが、リスク(リターンのぶれ)も大きくなります。
『楽天・インデックス・バランス・ファンド』と『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』の実質コストや運用実績の比較は下の記事を参考にしてください。
・8資産均等型と比較『楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)』『同(均等型)』『同(債券重視型)』
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8資産均等型と株式重視型および債券重視型バランスファンドの運用実績の比較は下の記事を参考にしてください。・【つみたてNISA】8資産均等型よりもう少し積極的な運用を望むなら? 株式重視型バランスファンドの積立でプラスアルファをめざす
・【つみたてNISA】8資産均等型よりリスクを抑えた堅実な運用を望むなら? 値動きの穏やかな債券重視型バランスファンドの積立で、ほどほどのリターンをめざす
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