つみたてNISA対象のバランスファンドでは世界の株式、債券、REITに低コストで分散投資できる『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』が人気ですが、なるべくリスクを抑えた手堅い運用を望むなら?
債券比率高めで一部為替ヘッジつきのバランスファンドと特徴や運用実績を比較し、積立投資の評価額も確認してみました。
バランス(8資産均等型・堅実型・債券重視型)の特徴
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)は世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。為替ヘッジは行いません。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.154%以内です。
『たわらノーロード バランス(堅実型)』(アセマネOne)は世界の株式、債券、REITに分散投資します。
先進国株式の全部と先進国債券の大部分に為替変動リスクを軽減する為替ヘッジを行っています。
運用管理費用(年率)は税込0.242%です。
『楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)』(楽天投信投資顧問)は世界の株式と債券に分散投資します。
株式部分は日本を含む先進国と新興国合わせて49ヵ国の大型株から小型株まで幅広くカバーしています。債券部分は為替ヘッジを行い、為替リスクの低減をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.223%程度です。
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。
バランス(8資産均等型・堅実型・債券重視型)の運用実績
下のチャートは過去3年間の基準価額の推移(2019年3月19日~2022年3月18日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2022年3月18日現在)。
コロナショック時の下落率は2020年2月21日~同年3月19日(楽天のみ同24日)の数字です。
米国の金融引き締め観測で株式だけでなく債券にも逆風が吹いています。債券価格は下落していますが、将来的にはインカムゲイン(利子収入)の改善が見込まれます。
コロナショックの際に『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』の下落幅が比較的大きめなのは、全体の4分の1を占めるREITが株式以上に値下がりしたことも一因のようです。
・新型コロナウイルス感染拡大を受けた各資産の値動き(日興AM)
投資のリスク(リターンのぶれ)の大きさに対しどれだけのリターンを得られているかという運用効率の高さを示すシャープレシオは過去3年では8資産均等型より債券重視型のほうが優秀です。
債券重視型 > 8資産均等型 > 堅実型
過去1年のシャープレシオの比較ではREITの復調もあってか8資産均等型が巻き返しています。
8資産均等型 > 債券重視型 > 堅実型
債券比率の高い『たわらノーロード バランス(堅実型)』や『楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)』は基準価額の変動幅が8資産均等型より控えめですが、純資産総額が発展途上なのが課題かもしれませんね。
バランス(8資産均等型・堅実型・債券重視型)の積立投資の成績
毎月1日を積立日に設定しています(約定日は翌営業日)。1日が休日の場合は後ずれします。下のチャートは毎月1万円ずつ積み立てた場合の投資額(元本)と評価額の推移を示しています(2019年1月7日~2022年3月18日)。
各年月の投資額と評価額は約定日の数字ですが、最新月のみ2022年3月18日現在の数字です。
2020年のコロナショックでは8資産均等型より堅実型や債券重視型の落ち込みが控えめでしたが、最近は債券価格の下落や円安傾向で部分的な為替ヘッジが向かい風になっている印象も受けますね。
積立投資の成績の詳細は下の表の通りです。
2019年1月から3年2ヵ月強の積立投資(毎月1万円)の評価額は、2022年3月18日現在、39万円の投資額に対して以下の通りです。
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』
444,468円(+54,468円/+13.97%)
『たわらノーロード バランス(堅実型)』
396,168円(+6,168円/+1.58%)
『楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)』
413,985円(+23,985円/+6.15%)
資産運用には好不調の波がつきものですが、定額の積立投資の場合、基準価額が下がっているときは、より多くの口数を購入するチャンスでもあります。
ただ、そうは言ってもコロナショックのように基準価額が急落すると悲観にとらわれがちです。
途中で怖くなって投げ出してしまうよりは、値動きの穏やかなバランスファンドで、ほどほどのリターンをめざすという堅実な運用も悪くない戦略のように思えます。
長期の運用であれば、目先のリターンより、どこまでの値動きなら耐えられそうか自分のリスク許容度と相談することのほうが大事かもしれませんね。
・資産「2000万円」づくり 手堅い投信の長期積み立て(NIKKEI STYLE)
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