アメリカのトランプ次期大統領が掲げるインフラ投資政策関連の銘柄に投資する投資信託の設定が相次いでいるようです。
大和投資信託の「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」とアセットマネジメントONEの「米国インフラ関連株式ファンド」(愛称:グレート・アメリカ)の設定来の成績を、米国株式インデックスファンドや先進国株式インデックスファンドと比較して確認してみました(記事の最後に3月までの成績を追記しました)。
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米国インフラ・ビルダー株式ファンドの特徴
交付目論見書(PDF)によると、アメリカのインフラ設備の建設、改修またはメンテナンス、建設資材の生産または輸送などに直接関わる企業の株式に投資します。月報によると、建設・土木、機械、建設資材、陸運・鉄道、商社・流通業、電気設備、金属・鉱業などの業種に投資しています。為替ヘッジありは為替変動リスクを低減するため、為替ヘッジを行います。為替ヘッジなしは為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行ないません。
米国インフラ関連株式ファンド(グレート・アメリカ)の特徴
交付目論見書(PDF)によると、アメリカの生活インフラ関連企業を「インフラ運営関連企業」と「インフラ開発関連企業」に分類し、投資環境に応じて投資割合を機動的に変更するそうです。景気減速局面では中長期的に安定的な収益が見込める人々の生活に必要不可欠な設備やサービスを運営・提供する「インフラ運営関連企業」(通信、水道、石油、ガス、電力等)への投資割合を高め、景気拡大局面では収益拡大が期待されるインフラの整備・構築等に携わる「インフラ開発関連企業」(建設、素材、運輸、銀行等)への投資割合を高めるというイメージ図を運用例としてあげています。
為替ヘッジありとなしを選択できます。
米国株式インデックスファンドほかの特徴
「iFree NYダウ・インデックス」は、ゴールドマン・サックス・グループ、ボーイング、アップル、ウォルトディズニー、キャタピラーなどアメリカを代表する主要30銘柄を対象としたダウ・ジョーンズ工業株価平均に連動するインデックスファンドです。月報によると投資先の業種は資本財・サービス、金融、情報技術、一般消費財・サービス、ヘルスケア、エネルギー、生活必需品、素材、電気通信サービスと幅広いです。「i-mizuho米国株式インデックス」は、アメリカ全株式の時価総額のうち8割近くを占める大型株約500銘柄を対象としたS&P500指数に連動するインデックスファンドです。月報によると投資先の業種は情報技術、金融、ヘルスケア、一般消費財・サービス、資本財・サービス、生活必需品、エネルギー、公共事業、素材、不動産と多岐にわたっています。
米国インフラ・ビルダー株式ファンドほか成績比較
「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」の設定された2017年1月17日から2017年2月24日現在までの基準価額の騰落率を比較しました。投資信託が設定されてまだ間もないので短期間での比較になっている点はご容赦ください。
米国インフラ関連株式ファンド(グレート・アメリカ)ほか成績比較
「米国インフラ関連株式ファンド」(愛称:グレート・アメリカ)の設定された2017年2月17日から2017年2月24日現在までの基準価額の騰落率を比較しました。投資信託が設定されてまだ間もないので、ごく短期間での比較になっている点はご容赦ください。
まとめ
「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」も「米国インフラ関連株式ファンド」(愛称:グレート・アメリカ)も購入時手数料(税込みで最大3.24%)を考慮すると、なかなか厳しい数字になっていますね。「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」は一時は米国株式インデックスファンドである「iFree NYダウ・インデックス」や「i-mizuho米国株式インデックス」を上回る成績だったのですが、今は逆転されています。
テーマ型投資信託の場合、特定の業種に集中投資することになりますから、基準価額の変動が激しくなりがちです。大統領選挙の前から選挙後の財政出動を見越してインフラ関連銘柄に買いが入って株価が高騰していましたから、その反動もあるのかもしれません。
トランプ政権の人事の遅れから、今月28日に予定されているトランプ大統領の議会演説に対して期待されるインフラ投資や減税策などに対して具体的な政策が盛り込まれるのか懐疑的な見方もあるようです。政策の具体化と実行力が問われているのでしょうね。
追記
2017年3月13日現在の成績を追記します。「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」の設定来の成績は下の表のとおりです。
「米国インフラ関連株式ファンド」(愛称:グレート・アメリカ)の設定来の成績は下の表のとおりです。
いずれも残念ながら今のところ米国株式インデックスファンドの「iFree NYダウ・インデックス」や「i-mizuho米国株式インデックス」に見劣りする成績になっています。米議会演説でも具体的な政策には言及されなかったようですし、インフラ投資の実行が待たれます。
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