確定拠出年金にも対応 TOPIXより好成績?『みのりの投信』をひふみプラスやジェイリバイブと比較

2017年8月21日月曜日

ジェイリバイブ ひふみ 国内株式

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※ 記事を更新しました(2018年4月17日現在)。

絶対収益型の投資信託をめざすという『みのりの投信』(ポートフォリア)の特徴や運用成績を、主に国内株式に投資する競合する投資信託と比べながら簡単にまとめてみました。

比較の対象は『三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド』、『ひふみプラス』、『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』です。

みのりの投信ほか特徴

『みのりの投信』は、日本および海外の株式から選んだ「剛・柔・善」企業への規律ある集中投資によって、“階段型” に基準価額が上昇する絶対収益型の投資信託をめざすアクティブファンドです。

主な投資制限として、株式への実質投資割合は原則として信託財産の純資産総額の50%を超えるものとします。外貨建資産への実質投資割合には制限を設けません。適宜、為替ヘッジを行います。

資産をできるだけ減らさず守りながら着実に増やすという運用方針の通り、2017年3月末の交付運用報告書の「設定来の基準価額等の推移」では、株式組入比率を第2期決算日に60.3%に、第3期決算日に52.6%にまで実際に減らしているのが見て取れます

みのりの投信の株式組入比率
2017年3月末交付運用報告書14Pより引用(下線筆者)

2018年3月末の月次レポートの2ページ「資産の内訳」によると、現在は日本株式98.5%:現金等1.5%となっています。

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド』は、東証1部上場の全銘柄を対象にした「東証株価指数(TOPIX)」の値動きに連動する投資成果をめざすインデックスファンドです。

みのりの投信、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 組入上位10銘柄
2018年3月末現在

ひふみプラス』は、長期的な将来価値に対して市場価値が割安と考えられる成長企業に選別投資するアクティブファンドです。

直販のひふみ投信と同じマザーファンドを通じて運用されています。状況に応じて株式を売却して現金比率を高める場合があります(最大で50%未満)。

国内だけでなく海外の企業にも投資先を広げています。2018年3月末の月次レポートによると、海外株の比率は8.6%です。外貨建資産は原則として為替ヘッジは行いません。

SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』は、株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、わが国の経済社会に貢献すると考えられる企業の株式に厳選して投資するアクティブファンドです。

ひふみプラスは2018年3月末現在
ジェイリバイブは同年4月13日現在

今回取り上げた投資信託の信託期間は、すべて無期限です。

みのりの投信ほかコストと成績

みのりの投信、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド、ひふみプラス、SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ、eMAXIS TOPIXインデックスのコストと成績表
2018年4月16日現在
過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

みのりの投信』の設定来の騰落率TOPIX連動型のインデックスファンドを上回っているものの、残念ながら同じアクティブファンドの『ひふみプラス』と『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』に対しては大幅に劣後しています。

購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。

みのりの投信』と『ひふみプラス』は純資産総額に応じて一定額を超えた部分について信託報酬(運用管理費用)の料率が下がる仕組みになっています。

みのりの投信、ひふみプラスの信託報酬(運用管理費用)

まとめ

『みのりの投信』の「“階段型” に基準価額が上昇する絶対収益型の投資信託をめざす」というコンセプトは力強くて頼もしいですが、株式の組入比率を大胆に変化させるタイミング投資が毎回、うまくいくのだろうかという懸念もあるでしょうか。

設定来の成績では『みのりの投信』は今回取り上げた他のアクティブファンドには大差をつけられていて、下落局面で値下がり幅を抑えられたとしても逆転するのは難しいのでは?という疑問も浮かびます。

リスク調整後のリターンを測るシャープレシオ(3年)は以下のようになっています(2018年3月末現在)。

ジェイリバイブ(1.61) > ひふみプラス(1.39) > みのりの投信(1.33)

過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません。世界的な金融緩和の恩恵のあったこれまではともかく、逆に緩和政策の縮小に向かうこれからは信託報酬の高さに見合う成果をあげるのは容易ではなさそうです。逆境でも絶対収益を追求することができるか要注目ですね。

こぼれ話
途中で株式の組入比率を半分程度に減らしながらTOPIXに連動するインデックスファンドを上回る成績と考えると、『みのりの投信』の健闘が光ります。ただし、信託報酬(運用管理費用)の高さが惜しいですよね。

『みのりの投信』にはDC版もあります。SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)等で投資可能です。『みのりの投信(確定拠出年金専用)』の信託報酬は純資産総額に応じて年率で税抜1.55~1.15%と若干廉価に設定されています。一定額を超えた分について料率が下がる仕組みです。

最近はインデックスファンドの一層の低コスト化が進んでいて、例えば『eMAXIS Slim 国内株式インデックス(TOPIX)』の信託報酬は年率で税抜0.159%です(2018年4月17日現在)。




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