パリのルーブル美術館(フランス) |
先日、記事にした『財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型』の兄弟ファンドである『世界の財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型』(日興AM)の特徴と運用成績を、他のバランスファンドと比べながら簡単にまとめてみました。
比較の対象は『財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型』、『SBI資産設計オープン(資産成長型)』(愛称:スゴ6)、『eMAXIS バランス(8資産均等型)』、『世界経済インデックスファンド』、『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』です。
ファンドの特徴
世界経済~は2017年2月末現在 セゾン~は2016年12月末現在 |
『世界の財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型』は、国内外の不動産、債券および株式の3つの異なる資産へ投資を行ない、 安定した収益の確保と中長期的な信託財産の成長をめざします。基本組入比率は不動産等3分の1(33.33…%)、債券3分の1、株式3分の1です。
各資産のベンチマークは以下の通りです。6分の1(16.66…%)ずつ投資しています。
国内REIT 東証REIT指数(配当込み)
海外REIT S&P先進国REIT指数(除く日本、為替ヘッジなし・円ベース)
国内債券 NOMURA-BPI総合
海外債券 シティ世界国債インデックス(除く日本、為替ヘッジなし・円ベース)
国内株式 TOPIX(東証株価指数)
海外株式 MSCI-KOKUSAI インデックス(為替ヘッジなし・円ベース)
原則として、毎月、安定した収益分配を行なうことをめざします。信託期間は無期限です。
『財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)』は、投資信託証券への投資を通じて3つの異なる資産(不動産、債券および株式)に分散投資します。基本組入比率は不動産等25%、債券50%、株式25%です。信託期間は無期限です。
『SBI資産設計オープン(資産成長型)』は、日本を含む先進国のREITと債券、株式に分散投資します。資産配分の比率はREIT20%:債券40%:株式40%です。信託期間は無期限です。
『eMAXIS バランス(8資産均等型)』は、日本を含む世界のREIT(不動産投資信託証券)、債券、株式の値動きに連動する投資成果をめざすファンドです。基本組入比率はREIT25%、債券37.5%、株式37.5%です。信託期間は無期限です。
『世界経済インデックスファンド』は、日本を含む世界の債券と株式の値動きに連動する投資成果をめざすファンドです。GDP比を参考にしているため、国内資産が少なく新興国資産が比較的多めです。基本組入比率は債券50%、株式50%です。信託期間は無期限です。
『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』は、バンガード社(米国)の低コストなインデックスファンドを通じて世界10カ国以上の債券と30カ国以上の株式に分散投資します。債券や株式の時価総額比を参考にしているため、日本と新興国の割合が低めです。新興国債券は含みません。基本組入比率は債券50%、株式50%です。信託期間は無期限です。
世界の財産3分法ファンドほか成績
2017年8月18日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
騰落率は分配金(税引前)を再投資したものとして計算しています。『世界の財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型』は、高コストな毎月分配型ということで詳しい人からは非効率と敬遠されそうですね。非課税口座のNISAで分配金を再投資するなら、定番どころのバランスファンドと比べても、意外とそん色のない成績のようです。
過去5年の騰落率では、『世界の財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型』は、『SBI資産設計オープン(資産成長型)』をのぞき、ほかのファンドを上回る成績になっています。直近では新興国資産が堅調で国内REITがさえないため、過去1年の騰落率では他のファンドに見劣りする成績になっています。
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なりますが、ネット証券など無料の場合もあります。『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』の実質的な負担額は年率で税込0.68%±0.03%です。
まとめ
金融庁のEDINETによると、アセットマネジメントOne『たわらノーロード バランス(8資産均等型)』(信託報酬は年率で税抜0.22%)に続き、三井住友トラスト・アセットマネジメントも『SMT 8資産インデックスバランス・オープン』(リンク先はPDF)を2017年8月25日に設定する予定のようです(信託報酬は同0.5%と見劣り)。三菱UFJ国際投信の『eMAXIS バランス(8資産均等型)』(同0.5%)や後発の『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』(同0.22%)、大和証券投資信託委託の『iFree 8資産バランス』(同0.23%)など、すでに8資産均等型は飽和状態に近く、勝算はあるのでしょうか?
正直、過当競争するよりも別の選択肢を提案してもらったほうがありがたいですよね。今回取り上げた『財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型』や『SBI資産設計オープン(資産成長型)』のように先進国を中心にした内外6資産型(均等型でなくても可)で、かつ無分配で低コストなバランスファンドは意外とねらい目ではと思うのですが、どこか設定してくれる会社はないものでしょうか。
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