※ 記事を更新しました(2018年3月12日現在)。
日本で初めて、基準価額の下落を一定水準で抑えるために保証銀行と保証契約を締結した投資信託『SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド』(愛称:あんしんスイッチ)が2017年7月28日に設定されました。その特徴を簡単にまとめてみました。
まだ設定されてから日が浅いので参考値ですが、運用成績を『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』や『世界経済インデックスファンド』といった比較的低コストなインデックス型のバランスファンドと比べてみました。
SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチの特徴
月次レポート(2018年1月31日現在)2ページより引用 |
『SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド』(アムンディ)は、世界の株式、債券、不動産投資信託証券、短期金融資産など、さまざまな資産に投資し、資産配分を機動的に変更することで、基準価額がプロテクトラインを上回るように運用しつつ、安定的な収益の獲得をめざします(信託期間は2033年7月11日まで)。
組入外貨建資産については為替ヘッジを行うことを基本としますが、一部ヘッジを行わない場合もあります。
信託報酬とは別に保証料を負担することで、基準価額が一定水準(プロテクトライン)まで下落した場合は保証契約によってプロテクトラインを下回ることなく繰上償還される仕組みです。
当初の基準価額は10,000円で、
(1) 設定時のプロテクトラインは9,000円です。
(2) 基準価額が10,600円を超えると、プロテクトラインは引き上がり、プロテクトラインは10,000円になります。
(3) 基準価額が11,111円を超えた後は、プロテクトラインは日々の基準価額の最高値の90%となり、一度上昇したプロテクトラインは下がりません。
投資信託のコスト
『SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド』は購入時や換金時の手数料はありませんが、ファンドを保有している間、信託報酬(運用管理費用)と保証料を合わせて年率で税込1.4404%の費用が掛かります。最近はインデックスファンドの低コスト化が進んでいて、『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』であれば信託報酬は年率で税込0.22572%(税抜0.209%)です。
コストに年率で1.21468%の差があり、もし投資信託を1,000万円分購入したとすると、インデックスファンドに対し単純計算で1年で12万円強、10年で121万円強のハンデを負うことになります。
SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンドほか成績
2018年3月9日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。
『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』は世界の株式や債券、不動産投資信託証券に分散投資するバランスファンドです。
『世界経済インデックスファンド』は世界の株式や債券に分散投資するバランスファンドです。
どちらも原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。
過去3カ月の騰落率を見ると、『SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド』の下落幅は、ほかの投信より控えめになっています。
ただし、リスク・コントロールとコストの両面を考慮するなら、複雑な仕組みで割高な投資信託に投資するより、単純に金額を半分に抑えて低コストなインデックスファンドに投資するという選択肢もあるでしょうか。
2018年3月9日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
信託報酬(運用管理費用)は、日割り計算で日々の基準価額から差し引かれるので意識しにくいかもしれませんが、リターンにマイナスの影響を与えます。
まとめ
運用開始から1年未満で『SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド』の純資産総額は2246.79億円に達しています(2018年3月9日現在)。「投資には挑戦してみたいけれど、いくら損をするかわからないと怖くて手が出せない」という人向けに、一定の保証が付いた投資信託への潜在的なニーズはかなり大きかったということなのかもしれませんね。
ただし、リスク調整を投資信託任せにせず自分で行うなら、もっと低コストで投資することも可能でしょうか。手元に1,000万円あるとして半分の500万円は安全資産である預貯金に回します。もう半分の500万円を比較的低コストなインデックス型のバランスファンド(リスク資産)に投資します。
定期的に(※)両者の比率が崩れていないか確認して、一定以上かい離していたら比率の増えた資産を売って比率の減った資産を購入することで元の比率に戻します。こうしたリバランスによってリスク水準を一定に保つことができます。
預貯金と投資信託の比率は必ずしも1:1である必要はありません。全体の値動きを小さくしたいなら預貯金の比率を高くすることで調整できます(例えば預貯金と投資信託が4:1など)。
※ 金額が小さいうちは数年に1度、金額が大きければ1年または半年に1度など
こぼれ話
株式を対象にした投資信託でも先進国株式インデックスファンド(22か国1,300銘柄以上)のように幅広く分散されたものを長期で積み立てていくのであれば、値動きをそれほど怖がる必要もないのでは、という考え方もあるでしょうか。
相場に好不調の波があっても長期の積立投資であれば、ほどほどの買値に落ち着くことが期待できますし、むしろ相場が下落している時こそお買い得に投資するチャンスですよね。
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