ラップファンドの実力は? |
「ネットで受けられる富裕層向けプレミアムサービス」をキャッチコピーにした『SBIグローバル・ラップファンド』(愛称:My-ラップ)の特徴と運用成績を定番バランスファンドと比較してみました。
富裕層向けのサービスであるラップ口座を一般向けに少額から利用できるようにしたという投資信託の実力は?
比較の対象は『世界経済インデックスファンド』3種と『eMAXIS バランス(8資産均等型)』です。
SBIグローバル・ラップファンドほか特徴
『SBIグローバル・ラップファンド』(愛称:My-ラップ)は複数の投資信託を組入れたファンド・オブ・ファンズ方式で運用されています。投資対象ファンドを通じて、世界各国の株式、債券、貸付債権(バンクローン)、ヘッジファンド、コモディティ、REIT(不動産投資信託証券)等、さまざまな資産への分散投資を行います。
また、スマートベータ指数に連動するETFや国内外の中小型株式にも投資し、中長期的な収益の獲得をめざします。
変更日:2016年3月15日 交付目論見書2ページより引用 |
安定型は債券型資産(債券、ヘッジファンド等)70%:株式型資産(株式、REIT等)30%、積極型は債券型資産30%:株式型資産70%です。市況の見通しの変化等により±10%の範囲で変動する場合があります。
為替変動リスクを軽減するため外貨建資産については適宜為替ヘッジを行います。信託期間は無期限です。
SBI証券、カブドットコム証券、楽天証券等で販売されています。
『世界経済インデックスファンド』は、世界の株式と債券に分散投資します。
2017年8月末現在 |
債券シフト型が債券75%:株式25%、標準型が債券50%:株式50%、株式シフト型が債券25%:株式75%となっています。
各地域のGDPシェアの変化に応じて、原則として年1回地域別構成比の見直しを行う場合があります。
原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。
『eMAXIS バランス(8資産均等型)』は、世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。債券37.5%:株式37.5%:REIT25%です。
eMAXIS バランス(8資産均等型) |
原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。
SBIグローバル・ラップファンドほか成績
コストと運用実績
2017年11月13日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券などでは無料の場合もあります。
過去2年の騰落率は下記のような成績順でした。
世界経済(株式) > 世界経済 > 8資産 > ラップ(積極型) > 世界経済(債券) > ラップ(安定型)
2016年はチャイナショック、イギリスのEU離脱騒動、アメリカの大統領選と相場が荒れ模様だった反動で、過去1年の騰落率は過去2年の騰落率より高めに出ています。
逆に言えば、『SBIグローバル・ラップファンド』は相場が不安定な時でも落ち込みが少ないので控えめな数字になっているという見方もできるでしょうか。
波乱続きの2016年の相場での値動き
相場が荒れ模様だった2016年の月ごとの基準価額(月末時点)の値動き |
『SBIグローバル・ラップファンド(安定型)』は『世界経済インデックスファンド』に比べれば基準価額の下落幅が控えめです。
『世界経済インデックスファンド』は外貨建資産の割合が高め(国内資産10%:海外資産90%)なので、為替相場の影響もあって値動きが大きくなりがちという面もありますね。
『eMAXIS バランス(8資産均等型)』(国内資産37.5%:海外資産62.5%)と比較した場合は下のグラフのようになります。
相場が荒れ模様だった2016年の月ごとの基準価額(月末時点)の値動き |
『SBIグローバル・ラップファンド(積極型)』とバランスファンドの比較は下のグラフの通りです。
相場が荒れ模様だった2016年の月ごとの基準価額(月末時点)の値動き |
まとめ
投資をプロに一任できる富裕層向けのプレミアムサービスであるラップ口座をネットで手軽に利用できるようにするという、『SBIグローバル・ラップファンド』のコンセプトは興味を引きますよね。SBI証券(ネット)や楽天証券ではノーロード(購入時手数料なし)で100円から投資信託を購入できますから、最低でも数百万からという従来のラップ口座に比べれば、はるかに敷居が低いのは確かです。
ただし、実際の運用成績に関しては過剰な期待は禁物かもしれないですね。変動リスクを抑えたいのであれば、投資信託への投資額を減らして預貯金や個人向け国債などの安全資産を厚めに持つという方法もあります。
また『SBIグローバル・ラップファンド』は世界最大級の投信評価会社モーニングスターグループのグローバルな調査力・豊富な投資情報を活用することをうたっていますが、格付会社の評価は過去の情報に基づくものであり、将来のパフォーマンスを約束するものではないことにも注意が必要でしょうか。
こぼれ話
『eMAXIS バランス(8資産均等型)』より後発の『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』の信託報酬(運用管理費用)は年0.2268%です。
100万円投資信託を購入した場合、単純計算で『SBIグローバル・ラップファンド』は1年あたり1万7千円強の負担です。『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』なら年2千2百円ちょっとですから、長期で考えると差は小さくないですよね。
実際には信託報酬以外に諸経費がかかり、もう少し負担が増えます。
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