※チャートが見にくかったので標準型とそれ以外で分割して、標準型の長期の騰落率も追記しました(2020年1月16日)。
つみたてNISA対象商品にもなっている、低コストバランスファンド『DCニッセイワールドセレクトファンド』の特徴と運用実績を定番バランスファンドと比較してみました。
つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。詳細については金融庁のWEBサイトで解説されています。
DCニッセイワールドセレクトファンドほか特徴
『DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)』(ニッセイAM)、『同(標準型)』(ニッセイAM)、『同(株式重視型)』(ニッセイAM)は、先進国を中心に国内外の株式と債券に分散投資します。基準ポートフォリオは債券重視型が株式30%:債券70%、標準型が株式50%:債券50%、株式重視型が株式70%:債券30%です。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は2019年10月1日より税抜0.14%に引き下げられています(PDF)。
『DCニッセイワールドセレクトファンド』 交付目論見書2ページより |
『SMT 世界経済インデックス・オープン(債券シフト型)』(SMTAM)、『世界経済インデックスファンド』(SMTAM)、『SMT 世界経済インデックス・オープン(株式シフト型)』(SMTAM)、は、新興国も含む世界の株式と債券に分散投資します。
債券シフト型が株式25%:債券75%、標準型が株式50%:債券50%、株式シフト型が株式75%:債券25%となっています。
各地域のGDPシェアの変化に応じて、原則として年1回地域別構成比の見直しを行う場合があります。
運用管理費用(年率)は順に税抜0.45%、税抜0.5%、税抜0.55%です。解約時の信託財産留保額(0.1%)が設定されています。
2019年11月末現在 |
『eMAXIS バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)と『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』(三菱UFJ国際投信)は、新興国も含む世界の株式、債券、REIT(不動産投資信託証券)に分散投資します。
株式37.5%:債券37.5%:REIT25%です。
運用管理費用(年率)は前者が税抜0.6%、後者が税抜0.14%です。前者のみ解約時の信託財産留保額(0.15%)が設定されています。
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。
DCニッセイワールドセレクトファンドほか運用実績
下のチャートは『DCニッセイワールドセレクトファンド』3種の設定された2003年1月の月末から2019年12月末までの17年弱の基準価額の推移です(起点の基準価額を1万円に統一)。バランスファンドといえども、2008年の金融危機の際には基準価額が大きく下落しているのがわかります。停滞した時期を経て、その後、基準価額は力強く回復しています。
基準価額の推移 2003年1月末~2019年12月末 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
下のチャートは『DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)』の2年間の基準価額の推移(2018年1月15日~2020年1月14日)を競合と比べたものです(起点の基準価額を1万円に統一)。
この期間では国内REITが好調だった『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』が頭一つ抜けています。
基準価額の推移 2018年1月15日~2020年1月14日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
下のチャートは『DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)』と『DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型)』の2年間の基準価額の推移(2018年1月15日~2020年1月14日)を競合と比べたものです(起点の基準価額を1万円に統一)。
基準価額の推移 2018年1月15日~2020年1月14日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです。
下落率は2018年11月8日から同年12月25日の数字です。
2020年1月14日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
分配金の出ている『世界経済インデックスファンド』の騰落率は、分配金(税引前)を再投資したものとして計算しています。
国内株式の出遅れもあり、直近は劣勢の『DCニッセイワールドセレクトファンド』ですが、標準型の過去5年の騰落率はライバルに見劣りしていません。
標準型とライバルのもう少し長期の運用実績は下の表の通りです。
2020年1月14日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
資産配分によって(新興国の有無、REITの有無など)、それぞれに優勢な時期・劣勢な時期はあるかと思うのですが、『DCニッセイワールドセレクトファンド(標準型)』は信託報酬の低廉さにも助けられてか国内資産多めの保守的なポートフォリオの割には健闘しています。
まとめ
『DCニッセイワールドセレクトファンド』は、海外資産より国内資産のほうが比率が高めになっています。先進国を中心に手堅く運用したい場合には魅力的なバランスファンドかもしれないですね。国内外の比率 |
少子高齢化の日本の将来を楽観視しにくいかもしれませんが、日本に暮らし日本円を使って生活をしている以上、国内株式などの国内資産もそこそこの比率で持っておくべきだという意見もあります。
・資産運用で「日本株を40%も持っていい」と考える逆説的な2つの理由(ダイヤモンド)
為替変動リスクはあっても、新興国も含めて海外資産に積極的に投資したい場合には『世界経済インデックスファンド』や『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』のほうが選択肢としてふさわしいでしょうね。
こぼれ話
もっと保守的に運用したい人のために債券中心の『DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)』も追加されました。運用管理費用(年率)は税抜0.14%です。「安定型」基準ポートフォリオ |
非課税口座では節税メリットを活かすために期待リターンの高い株式を中心に運用すべきという考え方もありますが、リスク資産の値動きに慣れていない場合や長期インフレ対策なら選択肢の一つになり得るでしょうか。
・超堅実派?つみたてNISA対象『DCニッセイワールドセレクトファンド(安定型)』を8資産均等型やニッセイ外国株式と比較
逆に債券なしのバランスファンドもあります。
・債券なしバランス投信『ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式/リート)』を8資産均等型や世界経済インデックスファンド、楽天・全世界株式と比較・評価
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