状況に応じた資産配分戦略は本当に有効?バランスファンド『ファイン・ブレンド』を波乗り型や8資産均等型、世界経済IFと比較

2017年8月30日水曜日

8資産均等型 バランス 世界経済インデックスファンド

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状況に応じて資産配分を調整するというバランスファンド『ファイン・ブレンド(毎月分配型)』と『ファイン・ブレンド(資産成長型)』の特徴と運用成績について、他のバランスファンドと比較しながら簡単にまとめてみました。

比較の対象は『eMAXIS バランス(波乗り型)』、『eMAXIS バランス(8資産均等型)』、『世界経済インデックスファンド』の3つです。

ファイン・ブレンドほかファンドの特徴

ファイン・ブレンド』は、日本を含む世界の債券、株式、REIT(不動産投信)、金上場投信などに投資を行なう投資信託証券に投資を行ない、インカム収益の確保と中長期的な信託財産の成長をめざします。

基準価額の変動抑制効果を高めながら魅力的な収益を追求することをめざして、5資産の配分比率を決定します。また、この比率は定期的に見直します。

ファイン・ブレンド戦略について
『ファイン・ブレンド』交付目論見書4ページより引用

毎月分配型は毎月、資産焼成型は年1回、決算を行います。信託期間は2028年3月8日まで、です。

eMAXIS バランス(波乗り型)』は、日本を含む世界各国の株式、債券およびREIT(不動産投信)を投資対象とし、利子収益の確保および値上がり益の獲得をめざします。

国内株式、先進国株式、新興国株式および国内債券への投資にあたっては、トレンドフォロー戦略を活用し、機動的に資金を配分します。信託期間は無期限です。

『eMAXIS バランス(波乗り型)』トレンドフォロー戦略
『eMAXIS バランス(波乗り型)』交付目論見書2ページより引用

eMAXIS バランス(8資産均等型)』は、日本を含む世界の株式、債券、REIT(不動産投信)に分散投資を行っています。国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REITの8つの資産に均等に投資しています。信託期間は無期限です。

『eMAXIS バランス(8資産均等型)』
『eMAXIS バランス(8資産均等型)』

世界経済インデックスファンド』は、日本を含む世界の株式と債券に分散投資を行っています(株式50%:債券50%)。GDP総額比を参考にしているため、国内資産が少なく新興国資産が比較的多めです。GDPシェアの変化に応じて、原則として年1回、地域別構成比の見直しを行う場合があります。信託期間は無期限です。

『世界経済インデックスファンド』
『世界経済インデックスファンド』2017年2月末現在

ファイン・ブレンドほかファンドのコストと成績

2017年8月29日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

購入時手数料は上限の数字です。販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。

ファイン・ブレンド』の信託報酬(運用管理費用)は、投資先の投資信託証券も含めた実質的な負担を示しています。ファンド・オブ・ファンズ方式で二重に経費がかかるため、コストは高めになっています。

騰落率は分配金(税引前)を再投資したものとして計算しています。

過去3年の騰落率では他のバランスファンドに見劣りしない成績ですが、過去1年の騰落率では大幅に劣後しています。月報を見ると国内債券中心に運用されているので、株式市場の好不調の波に影響されにくい反面、トランプ・ラリー以降の上昇トレンドに乗り切れなかったのかもしれませんね。

まとめ

市場環境の変化に対応して資産配分を調整することをうたった『ファイン・ブレンド』ですが、下落相場での耐性と上昇相場での適応力を両立するのは簡単ではなそうですね。

月報を見ると、毎月分配型、資産成長型ともに国内債券の比率が44.5%とかなり高めです(2017年7月末現在)。

『ファイン・ブレンド(毎月分配型)』資産構成比とその推移
『ファイン・ブレンド(毎月分配型)』資産構成比とその推移 2017年7月末月報2ページより引用

平均最終利回りが0.51%(2017年7月末現在)しかない国内債券と金利のつかない金(ゴールド)が全体の6割以上を占めていて、信託報酬(運用管理費用)が年率で税込1.4479%というのは、コスト負担の面で果たして合理的といえるのか疑問もあるでしょうか。

こぼれ話
eMAXIS バランス(波乗り型)』のトレンドフォロー戦略は過去の運用成績が良い資産の投資比率を上げていくものなだけに高値づかみにならないか懸念もありますよね。

人の主観によらず機械的に判断される仕組みなので、トレンドフォロー戦略4資産(国内株式、先進国株式、新興国株式、国内資産)の組入比率の変動は大きめです。

『eMAXIS バランス(波乗り型)』の資産配分とトレンドフォロー戦略4資産の組入比率推移
『eMAXIS バランス(波乗り型)』資産配分とトレンドフォロー戦略4資産の組入比率推移
2017年7月末月報2ページより

『eMAXIS バランス(波乗り型)』と『eMAXIS バランス(8資産均等型)』の運用成績の優劣は時期によって入れ替わり、最近は『eMAXIS バランス(8資産均等型)』の方が優勢です。




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