※ 記事を更新しました(2018年10月5日)。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))と『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))のこれまでの実績を、競合ファンドも交えながら比較してみました。
比較の対象に加えるのは『野村つみたて外国株投信』と『iFree S&P500インデックス』です。
今回、取り上げた投資信託は、すべて「つみたてNISA」の対象商品です。
楽天・全世界株式と楽天・全米株式などの特徴は?
楽天・全世界株式と競合ファンド
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバーした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資対象指数に連動する「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」が実質的な投資先です。
2018年7月末現在、同ETFは日本を含む世界47ヵ国の大型株、中型株、小型株、合わせて8,077銘柄を組み入れています。
2018年7月末現在(同年8月末月報より) |
『野村つみたて外国株投信』(野村アセットマネジメント)は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
同指数は、日本を除く世界46ヵ国の大型株と中型株2,456銘柄で構成されています(2018年8月末現在)。
2018年8月末月報より |
楽天・全米株式と競合ファンド
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資対象指数に連動する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」が実質的な投資先です。
2018年7月末現在、同ETFは米国の大型株、中型株、小型株、合わせて3,627銘柄を組み入れています。
2018年7月末現在(同年8月末月報より) |
『iFree S&P500インデックス』(大和証券投資信託委託)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2018年8月末月報より |
今回取り上げた投資信託は外貨建資産の為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
楽天・全世界株式と楽天・全米株式ほか費用
投資信託を保有中の運用管理費用(信託報酬)は下記の通りです。購入時手数料や解約時の信託財産留保額はありません。『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』
税込0.2296%(年率)
『野村つみたて外国株投信』
税込0.2052%(年率)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』
税込0.1696%(年率)
『iFree S&P500インデックス』
税込0.2430%(年率)
初回の決算では、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も『楽天・全米株式インデックス・ファンド』も実質コストが高めで、年率換算で前者は0.5%前後、後者は0.3%前後でした。
・意外と高コスト?『楽天・全世界株式』『楽天・全米株式』運用報告書で実質コストを確認し競合と実績比較
楽天・全世界株式と楽天・全米株式ほか成績比較
下のグラフは、過去1年間(2017年10月5日~2018年10月4日)の基準価額の値動きを比較したものです(起点の基準価額を1万円に統一)。米国株式の好調さが見て取れます。
基準価額の値動き 2017年10月5日~2018年10月4日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
各投資信託の騰落率は下記の通りです。
2018年10月4日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
米国の長期金利上昇や貿易摩擦への警戒感から、直近の株式市場は米国の一人勝ちに近い状況になっています。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も『楽天・全米株式インデックス・ファンド』も純資産総額は順調に成長していますが、好調な米国株式市場を反映してか後者の方が伸びが大きいです。
両ファンドとも設定当初はベンチマークからのかい離が目立った時期がありました。
・『楽天・全世界株式』『楽天・全米株式』ベンチマークからのかい離が大きめ?ライバルとの差は縮小中
まとめ
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』も堅調な成績ですが、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の好調さは際立っています。世界最大級の運用会社であるバンガード社は、現在の米国株価は過大評価されており、今後5年から10年のリターンは控えめなものにとどまると見ているようです。
・バンガード「グローバル・マクロ・マターズ」シリーズ『米国株の上昇に伴い、リスクとリターンのトレードオフが複雑に』(PDF)
バンガード「グローバル・マクロ・マターズ」シリーズ 『米国株の上昇に伴い、リスクとリターンのトレードオフが複雑に』 3ページより引用(2017年11月発表) |
米国株式よりグローバル株式(米国株式60%:米国以外の株式40%)のほうがリスクを抑えつつリターンの向上を見込める。あるいは、グローバル債券にも分散投資すること(株式60%:債券40%のグローバル・ポートフォリオ)で下振れリスクを大幅に抑制しながら米国株式と同程度のリターンを得られる、と予測しています。
※ 引用した図表のパーセンタイルとはデータを小さい順に並べた時、小さいほうから何パーセント目に入るかを示します。100個の値があったとすると25パーセンタイルは下から25個目、75パーセンタイルは下から75個目、その間には全体の半分の値が分布します。
・「2018年の世界経済と市場見通し」中間アップデート(バンガード)
もちろん将来は不確実でシナリオ通りになるとは限りませんが、長期で運用する場合、相場が荒れ模様になり大波にもまれることは避けようがないですよね。特定の国や資産への集中投資は脆弱さを露呈しかねない、という指摘は傾聴に値すると思われます。
こぼれ話
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の販売会社はHS証券、岡三オンライン証券、SBI証券、カブドットコム証券、GMOクリック証券、ジャパンネット銀行、ソニー銀行、立花証券(ネットトレード ストックハウス)、栃木銀行、フィデリティ証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券です。『楽天・全米株式インデックス・ファンド』は上記に加えて岩井コスモ証券でも取り扱っています(2018年9月30日現在)。
楽天証券では投資信託をスポット購入でも積み立てでも100円から購入可能です。また楽天グループの「楽天スーパーポイント」(期間限定ポイントは除く)でも投資信託を購入できます。
少額かつポイントでお試しできるなら、投資が身近になりますね。手軽に投資できるようになっても将来の運用成績までは保証してくれないので、結果については自己責任という原則は忘れないようにしたいです。
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