増配企業に投資する「SMT米国株配当貴族」をi-mizuho米国株式と比較 市場平均に勝つのは難しい?

2017年3月9日木曜日

配当貴族 米国株式

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ウォール街写真

記事の最後に2017年8月15日のデータを追記しています。

2016年8月30日に設定されてから約半年がたった「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」の成績を、「i-mizuho米国株式インデックス」と比較してみました。

「i-mizuho米国株式インデックス」がアメリカを代表する株価指数であるS&P500指数をベンチマークにしているのに対して、「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」は連続増配企業に着目したS&P500配当貴族指数を指標にしています。その特徴とは?

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SMT 米国株配当貴族の特徴

「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」は、連続増配企業に着目した株式ファンドです。指標とするS&P500配当貴族指数は、25年以上連続して増配している銘柄を対象としています。

三井住友トラスト・アセットマネジメントは販売用資料(PDF)の冒頭で

長期にわたり連続して増配を継続する企業は、高い企業価値や強固な財務基盤を有する傾向があり、中長期的な成長が期待できます。それらの企業群に投資することで、(中略)市場平均を上回る投資成果を目指します。

とうたっています。

販売資料では、「高い収益力・成長性に裏付けされるキャピタル収益」によって「市場平均を上回る投資成果が期待」でき、さらには「高水準のインカム収益」によって「市場下落時には、インカムの積み上げによる運用収益の下支え効果が期待」できると記載しています。

下の表は組入上位10業種を「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」と「i-mizuho米国株式インデックス」それぞれについて比較したものです。

「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」と「i-mizuho米国株式インデックス」組入上位10業種比較表
2017年1月末の月報より

SMT 米国株配当貴族ほか成績

SMT 米国株配当貴族ほか成績表
2017年3月8日現在の基準価額をもとに計算

「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」の成績は良好ですが、ただ「i-mizuho米国株式インデックス」とくらべると見劣りしてしまいますよね。

販売用資料(PDF)の5ページ目のグラフでは、S&P500配当貴族指数は過去の累積収益率やリスク・リターン特性でS&P500指数を上回っていたはずなのですが……。やはり過去の成績は必ずしも将来のリターンを約束してくれるわけではないようです。

厳選した銘柄への投資が報われない理由は?

2017年1月末の月報によると、アメリカの株式市場の8割近くをカバーするS&P500指数に連動する「i-mizuho米国株式インデックス」が506銘柄に投資しているのに対して、「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」は投資先を52銘柄に厳選しています。

市場平均を上回る投資成果をめざして選りすぐりの企業に投資しているはずなのに、幅広い銘柄に投資するファンドに劣後してしまっているのは腑に落ちない気もしますよね。投資先を絞っているぶん、好不調の波が出やすいのでしょうか?

あるいは過去において有効だった戦略も、それをもとに投資信託が組成されるくらい有名になると株価に織り込まれてしまい、役に立たなくなるのかもしれませんね。いつまでもお買い得な銘柄が割安なまま放置されているはずはない、ということなのでしょうね。

アメリカの利上げが繰り返されて米国債の金利が十分に高くなれば、株式より安定した債券が選好されることになるはずです。逆に言えば、その頃にみんなに見放された株を買い集めるのがさえたやり方でしょうか。言うは易く行うは難しだと思いますけれども(苦笑)。

追記
下の表は2017年8月15日現在のデータです。「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」が設定されてからもうすぐ1年になりますが、「i-mizuho米国株式インデックス」と大きな差がついてしまっていますね。

2017年8月15日現在

ちなみに組入上位10業種は下の表のようになっています。

「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」と「i-mizuho米国株式インデックス」組入上位10業種比較表
2017年7月末の月報より




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