『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』のコストが高めな訳は?SMTダウ・ジョーンズと比較

2017年9月21日木曜日

配当貴族 米国株式

t f B! P L
『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』のコストが高めな訳は?

連続増配企業に着目した『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の特徴と成績を、同じSMTシリーズの米国株式インデックスファンドである『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』と比較しながら、簡単にまとめてみました。

SMT 米国株配当貴族の特徴

SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』は、連続増配企業に着目した米国株式インデックスファンドです。指標とするS&P500配当貴族指数は、25年以上連続して増配している銘柄を対象としています。

三井住友トラスト・アセットマネジメントは販売用資料(PDF)の冒頭(1ページ)で

長期にわたり連続して増配を継続する企業は、高い企業価値や強固な財務基盤を有する傾向があり、中長期的な成長が期待できます。それらの企業群に投資することで、(中略)市場平均を上回る投資成果を目指します。

とうたっています。

下の表は、『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』と『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』の組入上位10業種について比較したものです。

『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』と『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』の組入上位10業種
2017年8月末の月報より

SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』は老舗企業を投資対象にしているので、『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』で上位に入っている「ソフトウェア・サービス」や「テクノロジー・ハードウェアおよび機器」といった新興の情報技術セクターはランク外のようです。

SMT 米国株配当貴族ほか成績

『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』と『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』成績表
2017年9月20日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の成績は良好ですが、『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』と比べると見劣りしてしまいますね。2017年8月末現在、S&P500配当貴族指数には新興の成長産業である情報技術セクターが2%しか含まれていないので上昇相場では波にうまく乗れなかったのかもしれませんね。

チャイナショックやイギリスのEU離脱騒動など2016年は相場が荒れ模様だったので過去1年の騰落率はかなり高めの数字になっています。1年前の2016年の9月にはドイツ銀行への米司法省の巨額制裁金をめぐる報道があり金融システム不安から市場が動揺していました。

購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。

SMT 米国株配当貴族ほか実質コスト

2017年8月末の交付運用報告書より

どちらも決算期間が1年ではなく半年である点に注意してください。

信託報酬以外の諸経費を加えた合計が信託報酬の何倍になっているかを比較すると、『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』は2.4倍、『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』は約1.06倍です。

SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の信託報酬以外の諸経費がかさんでいるのは純資産総額がまだ小さいためでしょうね。

指数を提供している S&P Dow Jones Indices の資料「S&P500配当貴族指数メソドロジー」(PDF)によると、均等加重指数であるS&P500配当貴族指数は、年1回(1月)構成銘柄を見直すだけでなく、年4回(1月、4月、7月、10月)構成銘柄のウェイト調整も行っているそうです。

この四半期ごとのリバランスも実質コストが高めな理由の一つかもしれませんね。

まとめ

『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の連続増配企業に着目したコンセプトは魅力的ですよね。その一方で、まだ設定されて日が浅く資産規模が小さいこともあってか実質コストが高めであるなど、実際の運用についてはもう少し長い目で見守る必要がありそうです。

インデックスファンドの信託報酬率の引き下げ競争は一段と激しくなっていて、先進国株式では信託報酬(運用管理費用)が年率で税抜0.19%というファンドもあります。『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』と直接は競合しないかもしれませんが、コストに向けられる目は厳しくなってきており高コストなファンドはそれだけで素通りされてしまう可能性もありますね。

下落相場に強い、相場の環境にかかわらず運用実績が安定しているなど『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』ならではの特徴を発揮できれば、もっと注目度が上がるでしょうか。




関連記事
新大統領が米国一人勝ちをめざすなら米国株に投資すべき?米国株式インデックスファンドの定番は?
増配企業に投資する「SMT米国株配当貴族」をi-mizuho米国株式と比較 市場平均に勝つのは難しい?
意外?「SMT米国配当貴族」の組入銘柄の配当利回りは外国株式インデックスより低い
米国株式は最近好調なNYダウ投信にしぼってもいい?S&P500連動型は直近では先進国株式と同成績?
投資先の海外ETFの特徴は?『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(VTとVTI)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』出足の成績は全敗!?iFreeS&P500・NYダウ、SMT米国株配当貴族等と比較
『iFree S&P500インデックス』をNYダウや米国配当貴族等の投信と比較 楽天・全米株式も気になる?
『ニッセイグローバル好配当株式プラス』を米国株配当貴族やニッセイ外国株式インデックス、セゾン等と比較
つみたてNISA対象アクティブ投信『フィデリティ・米国優良株・ファンド』を米国や先進国の株式インデックス投信と比較
NYダウ・インデックス投信の運用成績と実質コスト比較【iFree、eMAXIS、SMT】
NYダウに投資するメリット・デメリット eMAXIS、SMT、iFree、たわら各社NYダウ投信の成績は?

楽天Koboウォール街のランダム・ウォーカー<原著第11版>ーー株式投資の不滅の真理【電子書籍】[ バートン・マルキール ]
Amazon敗者のゲーム<原著第6版> [ チャールズ・D.エリス ]

ブログ村 投資信託
投資信託が話題のブログのリンク集
ブログ村 インデックス投資
インデックス投資が話題のブログのリンク集
ブログ村 家計管理・貯蓄
家計管理・貯蓄が話題のブログのリンク集
NISA 人気ブログランキング
NISAが話題のブログ人気ランキング

注目の記事

株高の恩恵は株主以外の幅広い層にも及ぶ?&ポイント運用でお試し投資/全世界株(オルカン)、先進国株、国内株、米国株(S&P500)、新興国株 各インデックスファンドの成績 新NISAも赤字解消

2024年10月末時点の主要なインデックスファンドと私自身の運用成績 を簡単にまとめています。 また資産運用に関する記事をいくつか紹介しています。

よく読まれている人気記事

QooQ