連続増配企業に着目した『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の特徴と成績を、同じSMTシリーズの米国株式インデックスファンドである『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』と比較しながら、簡単にまとめてみました。
SMT 米国株配当貴族の特徴
『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』は、連続増配企業に着目した米国株式インデックスファンドです。指標とするS&P500配当貴族指数は、25年以上連続して増配している銘柄を対象としています。三井住友トラスト・アセットマネジメントは販売用資料(PDF)の冒頭(1ページ)で
長期にわたり連続して増配を継続する企業は、高い企業価値や強固な財務基盤を有する傾向があり、中長期的な成長が期待できます。それらの企業群に投資することで、(中略)市場平均を上回る投資成果を目指します。
とうたっています。
下の表は、『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』と『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』の組入上位10業種について比較したものです。
2017年8月末の月報より |
『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』は老舗企業を投資対象にしているので、『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』で上位に入っている「ソフトウェア・サービス」や「テクノロジー・ハードウェアおよび機器」といった新興の情報技術セクターはランク外のようです。
SMT 米国株配当貴族ほか成績
2017年9月20日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の成績は良好ですが、『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』と比べると見劣りしてしまいますね。2017年8月末現在、S&P500配当貴族指数には新興の成長産業である情報技術セクターが2%しか含まれていないので上昇相場では波にうまく乗れなかったのかもしれませんね。
チャイナショックやイギリスのEU離脱騒動など2016年は相場が荒れ模様だったので過去1年の騰落率はかなり高めの数字になっています。1年前の2016年の9月にはドイツ銀行への米司法省の巨額制裁金をめぐる報道があり金融システム不安から市場が動揺していました。
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。
SMT 米国株配当貴族ほか実質コスト
2017年8月末の交付運用報告書より |
どちらも決算期間が1年ではなく半年である点に注意してください。
信託報酬以外の諸経費を加えた合計が信託報酬の何倍になっているかを比較すると、『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』は2.4倍、『SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン』は約1.06倍です。
『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の信託報酬以外の諸経費がかさんでいるのは純資産総額がまだ小さいためでしょうね。
指数を提供している S&P Dow Jones Indices の資料「S&P500配当貴族指数メソドロジー」(PDF)によると、均等加重指数であるS&P500配当貴族指数は、年1回(1月)構成銘柄を見直すだけでなく、年4回(1月、4月、7月、10月)構成銘柄のウェイト調整も行っているそうです。
この四半期ごとのリバランスも実質コストが高めな理由の一つかもしれませんね。
まとめ
『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』の連続増配企業に着目したコンセプトは魅力的ですよね。その一方で、まだ設定されて日が浅く資産規模が小さいこともあってか実質コストが高めであるなど、実際の運用についてはもう少し長い目で見守る必要がありそうです。インデックスファンドの信託報酬率の引き下げ競争は一段と激しくなっていて、先進国株式では信託報酬(運用管理費用)が年率で税抜0.19%というファンドもあります。『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』と直接は競合しないかもしれませんが、コストに向けられる目は厳しくなってきており高コストなファンドはそれだけで素通りされてしまう可能性もありますね。
下落相場に強い、相場の環境にかかわらず運用実績が安定しているなど『SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン』ならではの特徴を発揮できれば、もっと注目度が上がるでしょうか。
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