※ 記事の最後に2017年7月5日現在のデータを追記しました。
2016年8月30日に設定されてから約半年がたった「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」の成績を、「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」と比較してみました。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」が東証一部上場のすべての銘柄を対象にした東証株価指数(TOPIX)をベンチマークにしているのに対して、「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」はS&P/JPX配当貴族指数を指標にしています。その特徴とは?
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SMT 日本株配当貴族の特徴
「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」は、連続増配企業に着目した株式ファンドです。指標とするS&P/JPX配当貴族指数は、TOPIXの構成銘柄のうち10年以上にわたり毎年増配しているか、または安定した配当を維持している銘柄を対象としています。三井住友トラスト・アセットマネジメントは販売用資料(PDF)の冒頭で
長期にわたり連続して増配を継続する企業は、高い企業価値や強固な財務基盤を有する傾向があり、中長期的な成長が期待できます。それらの企業群に投資することで、(中略)市場平均を上回る投資成果を目指します。
とうたっています。
販売資料では、「高い収益力・成長性に裏付けされるキャピタル収益」によって「市場平均を上回る投資成果が期待」でき、さらには「高水準のインカム収益」によって「市場下落時には、インカムの積み上げによる運用収益の下支え効果が期待」できると記載しています。
下の表は組入上位10銘柄を「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」と「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」それぞれについて比較したものです。
2017年1月末の月報より |
業種では、「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」は1位銀行業、2位その他金融業、3位電気・ガス業、4位建設業、5位情報・通信業となっているのに対して、「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」は1位電気機器、2位輸送用機器、3位銀行業、4位情報・通信業、5位化学となっています。
配当利回りの加重平均は、TOPIXは2017年1月末時点で1.9%台ですが、「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」は2.39%(49銘柄)と高めになっています。
SMT 日本株配当貴族ほか成績
2017年3月8日現在の基準価額をもとに計算 |
「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」の成績は良好ですが、「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」とくらべると過去1カ月の騰落率では勝っているものの、過去3カ月、過去6カ月の騰落率では負けています。
販売用資料(PDF)の5ページ目のグラフでは、S&P/JPX配当貴族指数は過去の累積収益率やリスク・リターン特性でTOPIXを大きく上回っていたはずなのですが……。やはり過去の成績は必ずしも将来のリターンを約束してくれるわけではないようです。
まとめ
「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」の信託報酬(年率)は税込0.4536%(税抜0.42%)です。「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」は昨年の11月に信託報酬の引き下げが行われて年率で税込0.1944%(税抜0.18%)です。長期運用を考えると、成績に大きな差がなければコストの安いファンドを選ぶのが定石という結論になってしまうでしょうか。運用開始直後で資産規模が小さいうちは信託報酬以外に諸経費がかさみがちとも聞きますから、設定されてまだ半年の「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」はもう少し長い目で見守る必要があるかもしれませんが。
追記
下の表は2017年7月5日現在のデータです。「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」が「<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド」を逆転しています。
2017年7月5日現在 |
2017年5月末の月報によると、業種の1位は電気・ガス業、2位はその他金融業、3位は情報・通信業となっています。2017年1月の月報で1位だった銀行業は8位に後退しています。
銘柄は組入比率の高い順に1位SANKYO(配当利回り4.04%)、2位日本たばこ産業(同3.12%)、3位イオンフィナンシャルサービス(同2.99%)、4位中国電力(同3.97%)、5位サンリオ(同3.87%)となっています。
配当利回りの加重平均は2.45%(49銘柄)と2017年1月末の2.39%(49銘柄)を上回っています。
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