8資産均等型バランスファンドの成績比較【eMAXIS、eMAXIS Slim、iFree】

『たわらノーロード』も7月下旬に新たに設定するバランスファンドで参戦予定ですが、既存の8資産均等型バランスファンドの運用成績を比較してみたいと思います。

対象は『eMAXIS バランス（8資産均等型）』、『eMAXIS Slim バランス（８資産均等型）』、『iFree 8資産バランス』の3つです。

8資産均等型バランスファンド特徴

世界の株式、債券、REIT（不動産投資信託）への分散投資が手軽に実現できます。国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REITに均等に投資します。

8資産均等型

8資産均等型バランスファンド成績比較

2017年7月14日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません

『eMAXIS バランス（８資産均等型）』は2011年10月31日の設定ですが、『eMAXIS Slim バランス（８資産均等型）』（2017年5月9日設定）と『iFree 8資産バランス』（2016年9月8日設定）は運用開始からまだ日が浅いです。

過去6カ月の騰落率では、同じ8資産均等型なのに『iFree 8資産バランス』が『eMAXIS バランス（8資産均等型）』に対して1％以上劣後していますね。

成績に差がついたのはなぜ？

実は『eMAXIS バランス（８資産均等型）』（『eMAXIS Slim』含む）と『iFree 8資産バランス』では新興国株式のみベンチマークが違います。

『eMAXIS』の新興国株式のベンチマークは、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」（円換算）で、同指数は23か国832銘柄で構成されています（2016年11月末現在）。

『iFree』の新興国株式のベンチマークは、ファンダメンタル（株主資本、キャッシュフロー、売上、配当）に着目した「FTSE RAFI エマージング インデックス」（円換算）で、同指数は13か国約350銘柄で構成されています（2017年3月末現在）。

バランスファンドの新興国株式部分とマザーファンドを共有しているであろう『eMAXIS』と『iFree』の新興国株式インデックスファンドの成績は、下の表のように『iFree』が『eMAXIS』を大きく下回っています。

2017年7月14日現在

ベンチマークに「FTSE RAFI エマージング インデックス」を採用する『iFree 新興国株式インデックス』は、中国が全体の約4分の1（26.7％）を占めるなど偏りがあります（2017年6月末現在）。

上記の期間では運用成績が見劣りしているのは中国株式の不調も理由かと思われます。当局が金融規制を強化したこと、大手格付け機関から中国の格下げが発表され国有企業の資金調達コストの上昇が懸念されたことなどが低迷の原因として指摘されています。

そのほか『iFree 新興国株式インデックス』で比率の高いブラジル（全体の11.5％）の株価も政治の混乱で振るわなかったようです。

まとめ

今回比較した8資産均等型の中では、唯一『iFree 8資産バランス』だけが一部の資産のベンチマークが異なっていて独自性があります。

『eMAXIS バランス（８資産均等型）』よりも好調だった時期もあり、2016年9月8日の設定来の騰落率では『iFree 8資産バランス』は+11.395%と『eMAXIS バランス（８資産均等型）』の同期間の+11.248%をわずかに上回っています。

もっとも最近登場した『eMAXIS Slim バランス（８資産均等型）』は既存の『eMAXIS』はもとより『iFree 8資産バランス』よりも信託報酬が廉価ですから、相応に運用成績の向上も期待できるかもしれませんね。

新興国株式部分にスマートベータ指数を採用する『iFree 8資産バランス』は銘柄の入れ替えが頻繁だったり実質コストが高い可能性があります。

こぼれ話
スマートベータ指数を採用する『iFree 新興国株式インデックス』は投資先を絞り込んでいる分、好不調の波が大きいのかもしれません。以前は調子の良い時もありました。

・「iFree 新興国株式インデックス」はたわらノーロード新興国株式だけでなく先進国株式より好成績？

2017年2月末に比べるとブラジルの全体に占める比率が6月末には半分以下になっている（27.6％→11.5％）のですが、株価や通貨の下落だけが原因ではなく銘柄の入れ替えが激しい可能性もありますね。




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