トランプ・ショック再来? |
トランプ政権の政策実行力に疑問符がついたことで先日までアメリカの株価が(NYダウ)が8営業日連続で下落していました。
直近の下落相場での主要バランスファンドの成績を比較してみました。対象は「iFree 8資産バランス」、「eMAXIS バランス(8資産均等型)」、「世界経済インデックスファンド」、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」、「Funds-i 内外7資産バランス・為替ヘッジ型」の5つのバランスファンドです。
先進国株式インデックスファンドの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」も参考までに比較対象に加えました。
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ファンドの特徴
「iFree 8資産バランス」と「eMAXIS バランス(8資産均等型)」は国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REITの8資産に均等に(12.5%ずつ)分散投資します。「世界経済インデックスファンド」は国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券に分散投資し、REITは含まれません。株式と債券の比率は50%ずつです。ほかのバランスファンドより新興国資産の割合が高め(全体の30%)です(2017年2月末現在)。
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、バンガード社(米国)の低コストなインデックスファンドを通じて世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資します。原則として株式と債券の投資比率は50対50です。資産配分比率は株式と債券の時価総額によるため国内資産と新興国資産の割合が低めです(新興国債券は含みません)。
「Funds-i 内外7資産バランス・為替ヘッジ型」の資産配分は株式、債券、REIT(不動産投資信託)が3分の1ずつです。内訳は国内株式6分の1、外国株式6分の1、国内債券9分の1、外国債券9分の1、新興国債券9分の1、国内REIT6分の1、外国REIT6分の1となっています。外貨建て資産はすべて為替ヘッジ付きです。
「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、日本を除く先進国の株式市場の値動きに連動する投資成果をめざすファンドです。
ファンドの成績
2017年3月28日の基準価額を起点に計算 |
年初来の騰落率で見ると、トランプ・ショック再来と言えるほど悲惨な状況にはなっていないようです。
まとめ
過去1週間と過去1カ月の騰落率で見ると、いずれも赤字ではあるものの、分散投資のおかげかバランスファンドは先進国株式インデックスファンドよりもマシな成績になっています。年初来の騰落率では、「iFree 8資産バランス」と「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の成績が先進国株式インデックスファンドよりも劣後しています。「iFree 8資産バランス」は「eMAXIS バランス(8資産均等型)」と比較してもさえない成績ですが、新興国株式部分の分散度合いの低さが好不調の波を大きくしているようです。「eMAXIS」の新興国株式のベンチマークが23か国832銘柄で構成されているのに対し(2016年11月末現在)、ファンダメンタルに着目した指数を採用している「iFree」の場合は13か国約350銘柄にとどまります(2016年6月末現在)。
「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の年初来成績の不振は、アメリカの追加利上げをめぐり低迷している先進国債券の比率がほかのファンドよりも高いためだと思われます。新興国債券を含まず、また国内債券の比率も全体の7.1%と小さいです(2016年12月末)。
「世界経済インデックスファンド」は為替ヘッジを行っていないバランスファンドの中では、年初来の成績で一番落ち込みが少ないです。ドル高が予想されていたほど進まず新興国資産が比較的堅調だったおかげのようです。「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と同様に国内資産の割合が低く外貨建て資産の割合が高いので、円高局面では成績が落ち込みやすいです。
「Funds-i 内外7資産バランス・為替ヘッジ型」は、為替リスクを軽減する為替ヘッジを行っているため運用成績が比較的安定しています。ただし、ヘッジ前の利回りが2.7%なのに対しヘッジ後の利回りは2.0%とヘッジコストが相応にかかっています(2017年2月末)。
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