信託報酬率の引き下げが発表された『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』と『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』の運用実績を比較してみました。
また『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コストを確認してみました。
信託報酬率の引き下げ
・ニッセイアセットマネジメント「<購入・換金手数料なし>シリーズ6ファンドの 信託報酬率引下げ(投資信託約款変更)について」(PDF)
・三菱UFJ国際投信「業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim』信託報酬率の引き下げを実施」(PDF)。
・金融庁が「つみたてNISA対象商品届出一覧」公表 各指数で信託報酬が最安値の投資信託は?
・楽天証券「つみたてNISA取扱商品」株式とバランス型に分類し信託報酬の安い順に並び替えてみました
・SBI証券「つみたてNISA取扱商品」株式とバランス型に分類し安い順に並替 楽天・全世界株、全米株もあり
eMAXIS Slim 新興国株式ほか特徴
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』と『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』は、新興国の株式市場を対象にした「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。同指数はアジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の24か国で構成されています(2018年5月末現在)。
2018年5月末月報より |
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 組入上位10ヵ国 2018年5月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間は無期限です。
eMAXIS Slim 新興国株式の実質コスト
項目ごとに小数第3位未満は四捨五入 第1期運用報告書より |
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の決算期間が1年に達していないことに注意してください。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』は運用報告書がまだ発行されていません。
下の表は上記の1万口当たりの費用明細に、引き下げ後の信託報酬率(税込)を当てはめたものです。信託報酬以外の各項目を1年相当に調整しています。
項目ごとに小数第3位未満は四捨五入 |
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』の実質コストの推計値は0.389%程度です。
先進国に比べ投資環境の整備されていない新興国を対象にした投資信託は、実質コストが高めに出る傾向にあります。
あくまで概算による推計値で正確な数字ではないことに留意してください。投資信託の実質コストは毎年変動します。
eMAXIS Slim 新興国株式ほか運用実績
2018年7月4日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
米国の長期金利上昇や米中貿易摩擦への警戒感から新興国の株式市場は軟調です。
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』(2017年7月31日設定)も、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』(2017年10月13日設定)も運用期間がまだ1年に達していません。
信託報酬(運用管理費用)は変更前の数字です。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』は純資産総額が小さく運用が安定しないのか、信託報酬の差以上に運用実績に開きがあるようです。
信託報酬の差…年率で約0.16%、半年なら約0.08%
運用実績の差…半年で0.88%
まとめ
信託報酬率を大きく引き下げたことにより、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』は『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』と同水準になりました。ただし、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド』は純資産総額がまだ小さいなど課題も残されています。資産規模が小さいと運用が安定しにくいですし、信託報酬以外の諸経費がかさみがちです。
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は別の投資信託とマザーファンドを共有しているので実際には単体で見るよりも大きな差があります。
・信託報酬引下げ!運用実績と実質コスト比較『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』
・信託報酬引下げ!実績と実質コスト比較『<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド』『eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)』
・信託報酬引下げ!実績比較『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』『<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)』
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