『iFree NYダウ・インデックス』(大和投資信託)の第2期の運用報告書が公表されたので、特徴や実質コスト、運用実績を競合する米国株式や先進国株式のインデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』と『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』です。
過去記事の更新
・つみたてNISA対象『コモンズ30ファンド』『ひふみプラス』の特徴は?インデックス投信と成績比較
iFree NYダウ・インデックスの特徴
『iFree NYダウ・インデックス』は、米国を代表する主要30銘柄を対象とした「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。2018年9月末月報より |
2018年9月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(VTI)を実質的な投資対象にしています。
実質的投資対象ファンドVTIのポートフォリオ 2018年8月末現在(同年9月末月報より) |
実質的投資対象ファンドVTIのポートフォリオ 2018年8月末現在(同年9月末月報より) |
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
2018年9月末月報より |
2018年9月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は無期限です。
iFree NYダウ・インデックスほか実質コスト
各項目ごとに小数点第3位未満は四捨五入 |
上記は運用報告書から「1万口当たりの費用明細」を抜粋したものです(一部推計を含みます)。
『iFree NYダウ・インデックス』の第2期(2017年9月8日~2018年9月7日)の実質コストは0.288%と第1期より低下しています。2018年9月末の月報で8%ほど含まれているETFの報酬(経費率)は0.17%ですが、毎月比率が変動するため表には含めていません。
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の第1期(2017年9月29日~2018年7月17日)は決算期間が1年未満だったので1年相当に改めたうえで、実質的な投資対象にしているETFの報酬を加えています。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、第4期(2016年11月22日~2017年11月20日)の費用明細に改定後の信託報酬率を当てはめています。
『iFree NYダウ・インデックス』の実質コストは『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』には及ばないものの、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』よりも低廉です。
ただし、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コストは純資産総額が急増した第1期のもので高めに出ているので、次の決算では逆転している可能性もあります。
・『楽天・全米株式』『楽天・米国高配当株式』実質コストと運用実績を競合する米国株投信と比較
iFree NYダウ・インデックスほか運用実績
下のグラフは、『iFree NYダウ・インデックス』の基準価額の値動きを『楽天・全米株式インデックス・ファンド』設定来(2017年9月29日~2018年10月26日)と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の値動き 2017年9月29日~2018年10月26日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
下のグラフは、『iFree NYダウ・インデックス』設定来(2016年9月8日~2018年10月26日)の基準価額の値動きを『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』と比べたものです。
比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の値動き 2016年9月8日~2018年10月26日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
過去6ヵ月(2018年4月27日~同年10月26日)、過去1年(2017年10月27日~2018年10月26日)、過去2年(2016年10月27日~2018年10月26日)の騰落率は下の表の通りです。
2018年10月26日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
まとめ
『iFree NYダウ・インデックス』の第2期の実質コストは0.288%でした。『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(0.311%)よりは低廉ですが、こちらは諸経費がかさみがちな第1期ということもあり、次回は逆転される可能性もあります。
先進国株式インデックスファンドは競争が激しいこともあり、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』の運用管理費用や実質コスト(0.218%)は米国株式インデックスファンド2種を下回っています。
「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)」は分散の観点から難ありと見られたのか、つみたてNISAの指定インデックスには残念ながら採用されていません。
とはいえ米国を代表する優良30銘柄で構成された『iFree NYダウ・インデックス』の運用実績はライバルに見劣りしていません。
グローバルに活躍する米国企業に魅力を感じるなら、先進国株式や全世界株式インデックスファンドあるいはバランスファンド等で分散投資をしたうえで、スパイスとしてポートフォリオに加えるのも面白かもしれませんね。
・第2期の途中経過から実質コストを再計算『楽天・全米株式インデックス・ファンド』iFree S&P500/NYダウと実績も比較
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