『ひふみ投信』が米国株へ投資開始 先進国株式との重複が悩ましい？運用成績に陰りも？

6月の運用レポート（PDF）によると「ひふみ投信」が米国株式への投資を開始しました。もともと交付目論見書（PDF）では投資対象を内外の株式としていましたから、ようやくその時が来たという感想の人もいらっしゃるかもしれませんね。

海外株の投資比率は？

2017年6月末の運用レポートによれば、海外株への投資比率は3.1％です。

組入比率の3位に「マイクロソフト」（世界最大のソフトウェア会社。PCの基本ソフト首位）、7位に「アマゾン」（本、家電から食品まで取り扱う世界的なネット通販企業）が入っています。

どちらも期待の持てる銘柄とはいえ外国株式（先進国株式）インデックスファンドにも分散して投資している場合、重複がやや気になるでしょうか。

ニッセイは2017年5月末の月報を引用（＜購入・換金手数料なし＞の表記を省略）

海外株に投資した理由は？

最高投資責任者の藤野英人さんによると「日本の超大型株の代替投資という側面が強く、日本の超大企業の成長力不足を一部米国株でカバーする戦略」だそうです。「米国株の投資は当面10％以内を考えております」ともコメントされています（運用レポート5ページより引用）。

10％以内とはいえ超大型株の代替ということであれば、やはり先進国株式インデックスファンドと被りそうですよね。重複しても有望な銘柄であれば運用成績にプラスになる可能性も、もちろんありますが。

ひふみ投信にのみ投資している場合であれば投資先が広がるのは歓迎すべきことかもしれません。ただし、投資先の銘柄がインデックスファンドに近づくのであれば、比較的高コストなアクティブファンドよりコストの安いインデックスファンドでいいという考え方も出てきますよね。

ひふみ投信のコストと成績は？

2017年7月4日現在（過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません）

「ひふみ投信」の過去3年の騰落率は、同じアクティブファンドの「ジェイリバイブ」には及ばないものの、日本株式インデックスファンドや外国株式（先進国株式）インデックスファンドを大きく上回っています。

過去1年や過去1カ月の騰落率を見ると、インデックスファンドにむしろ劣後しています。テレビの「カンブリア宮殿」で紹介されてから投資資金が急激に流入したために現金比率を高めにしている影響もあるのかもしれません。

まとめ

一般的に中小型株は投資資金の流出入にともなって値動きが激しくなりがちと言われています。ファンド自身の買いによって株価が吊り上がってしまうケースもあるようです。

ファンドの規模が大きくなってくると中小型株にばかり投資しているわけにもいかず運用の難易度が上がる傾向も指摘されています。「ひふみ投信」の場合、投資先を中小型株や国内株式に限定しているわけではないので、投資資金の集まったこれからが腕の見せ所かもしれませんね。

しばらくは米国株投資のように試行錯誤が続くでしょうけれど、転換点をうまく乗り越えてくれることを期待しています。

・ひふみ投信の海外株が5銘柄増えて7銘柄に（うち2銘柄は中国株）投信の運用実績を国内株式や全世界株式と比較

こぼれ話
「ひふみ投信」の信託報酬（年率）は税抜0.98％ですが、保有期間が5年以上10年未満で0.2％、保有期間が10年以上は0.4％、信託報酬の一部を還元しています（そのぶん口数が増えます）。

・レオスのひふみ投信　直販の口座開設の前に資料請求をすることもできます




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