NISAで毎年年初に一括投資 経済成長率が高い中国の株は米国株より有利?投信の実際の成績は?

2017年2月21日火曜日

NISA一括投資 新興国株式 先進国株式 米国株式

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桂林(中国)写真
桂林(中国)

※ 記事の最後に2017年6月8日現在のデータを追記しました。

NISA(少額投資非課税制度)を利用して毎年年初に一括投資した時の先進国株式米国株式中国株式、それぞれのインデックスファンドの成績を比較してみました。NISAでは株や投資信託を売却した時の譲渡益や配当にかかる約20%の税金が非課税になります。

新興国で経済成長率の高い中国の株式への投資は、成熟した先進国株式に投資するよりも有利と言えるでしょうか。NISAの始まった2014年からの実際の成績をくらべてみたいと思います。

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ファンドの特徴とコスト

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、日本をのぞく先進国の株式を対象にしたMSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざすファンドです。MSCIコクサイ・インデックスは2016年11月末現在、北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22か国1,317銘柄で構成されています。投資信託の保有中にかかる信託報酬(年率)は、過去2回引き下げられ現在は税抜0.2%です。購入時や換金時の手数料、信託財産留保額はありません。

SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン」は、アップルやウォルト・ディズニー、コカ・コーラなどアメリカを代表する主要30銘柄を対象としたダウ工業株30種平均株価(円換算ベース)に連動する運用成果をめざすファンドです。購入時手数料は販売会社によって異なり最大で税抜3%です。信託報酬(年率)は税抜0.5%です。換金時に0.2%の信託財産留保額が差し引かれます。

i-mizuho米国株式インデックス」は、アメリカ全株式の時価総額のうち8割近くを占める大型株500銘柄を対象としたS&P500指数(円換算ベース)に連動する運用成果をめざすファンドです。購入時手数料や信託財産留保額はありません。信託報酬(年率)は税抜0.57%です。

i-mizuho中国株式インデックス」は、流動性のある中国の大手企業50社で構成されたFTSE中国50インデックス(円換算ベース)に連動する運用成果をめざすファンドです。購入時手数料はありません。信託報酬(年率)は税抜0.63%です。換金時に0.3%の信託財産留保額が差し引かれます。

先進国株式、米国株式、中国株式のインデックス型投信の成績比較

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン、i-mizuho米国株式インデックス、i-mizuho中国株式インデックス成績比較表

毎年年初に一括投資したと仮定して2017年2月17日の基準価額をもとに各年度の損益や評価額を計算しています。売買が成立する約定日は今回取り上げたファンドはすべて申込受付日の翌営業日なので、各年度の基準価額はその年の最初の営業日の翌営業日の数字になっています。NISAの投資枠は2016年以降それまでの100万円から120万円に増額されています。

まとめ

上記の期間だと新興国の中国に投資する「i-mizuho中国株式インデックス」の値動きは荒く通算成績での損益率は+8.17%と、先進国株式インデックスファンドの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(+11.30%)や、米国株式インデックスファンドの「SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン」(+18.88%)や「i-mizuho米国株式インデックス」(+16.66%)に劣後しています。

中国の経済成長率は2014年が7%台、2015年が6%台、2016年も6%台と推計されています。これに対して米国の経済成長率は2014年、2015年が2%台、2016年は1%台と推計されています。経済成長率の高さが必ずしも投資のリターンを保証してくれるわけではないようです。

こぼれ話
では成績の良かった米国株式に集中投資でいいのかというと、投資する時期や期間の区切り方によっても結果は変わってしまいます。世界的な金融危機となったリーマンショックより前の2007年の年初に一括投資した場合は、「SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン」よりも先進国株式インデックスファンドのほうが好成績でした(「一投資家も米国株式偏重でいいの?」)。

現行のNISAは投資期間が5年と限られているので、どうしても直前に順調だった資産に投資したくなってしまいますよね。トランプ大統領が米国第一主義を唱えて自国に投資を集めるなら、まだまだ米国株式の伸びが期待できるかもしれません。ただし今まで好調だったぶん割高になっていないか、ほかに期待されずに割安に放置されている投資先はないかという視点も忘れずにいたいですよね。

追記
下の表は2017年6月8日現在のデータです。通算成績では及びませんが、2017年度に関しては引き続き中国株式が優位のようです。また2017年年度は先進国株式インデックスファンドが米国株式インデックスファンド2種よりも今のところ堅調です。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、SMT ダウ・ジョーンズ インデックス・オープン、i-mizuho米国株式インデックス、i-mizuho中国株式インデックス成績比較表




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