主だったインデックスファンドの成績と2022年6月末現在のNISA・iDeCo・特定口座の評価額および損益を確認してみました。
また最後の段落で、世界最大級の資産運用会社バンガードの4つの基本原則の一節を紹介しています。
全世界株式、先進国株式、米国株式、国内株式、新興国株式の成績
インデックスファンドの基準価額の推移(チャート)
下のチャートは過去1年間の基準価額の推移(2021年6月末~2022年6月末/月末ベース)です。起点の基準価額を1万円に統一しています。
インデックスファンドの騰落率
下のグラフは6月の騰落率(前月末比)と過去1年の騰落率(前年同月末比)です(2022年6月30日現在)。ドル円もユーロ円も円安傾向な一方、スタグフレーション(景気停滞とインフレの同時進行)に対する警戒感から株式市場は不安定な状態が続いていて、全世界株式インデックスファンドの基準価額は月末ベースで見ると3ヵ月連続で下落しています。
・マーケットビュー Vol.70 -株式・債券・為替市場の見通し-(PDF/岡三アセットマネジメント)
【国内株式】インフレ率上昇が景況感の改善に⻭止めをかける可能性には留意が必要ですが、7-9⽉期にかけては経済再開やサプライチェーン問題の改善で企業業績は持ち直すと予想します。
【米国株式】発表される景気指標も弱いものが増え、米国が景気後退に向かう可能性がより強く意識されるようになりました<中略>企業業績の悪化懸念から、株価は軟調な推移を予想します。
【欧州株式】ウクライナ危機が、(1)エネルギーを中心とした物価高、(2)新たな供給制約、(3)家計・企業のマインド悪化を発⽣させているとの⾒⽅に変わりはありません。
【アジア株式】今回の経済失速を踏まえ、中国政府が市場経済配慮型の政策運営に軌道修正していく可能性は、株式市場にとってプラスと考えます。
・個人投資家がついに降参、弱気相場に屈し大規模売却-JPモルガン(ブルームバーグ)
「人の行く裏に道あり花の山」という投資格言のように、先行きの不透明感が根強く世界的に投資家のリスク選好度が低下している今だからこそ、むしろ中長期的には投資の好機という見方もできるかもしれませんね。
ただ投資信託の基準価額は円安で底上げされているため、為替相場が反転したときにはさらなる下落もありえそうで、積立を続けながら余力を残しておくことも肝要でしょうね。
・全世界株式とも比較!バランスファンドをつみたてNISAで毎月1万円ずつ積み立てたら今いくら? 4、6、8資産均等型、世界経済インデックスファンド
・【インデックス投資】 国内株式・先進国株式・新興国株式をつみたてNISAで毎月1万円ずつ積み立てたら今いくら? 長期運用で売却を踏みとどまる方法とは
NISA・iDeCo・特定口座の評価額と損益(合算)
リスク資産の地域別構成比と評価額および損益
毎月の積立にも関わらず、6月は5月末に比べると10万円くらい評価額が減っています(含み益は42万弱ほど減少)。
基準価額が下落しているときは口数を増やすチャンスだと思って種まきを続けたいです。
もっとも、投資額がふくらんでくると新規の積立分の影響は次第に小さくなっていきますし、常にコロナショックのような急反発が期待できるとも限らないですから、冷静な判断力を保つためには預貯金等の安全資産の備えも欠かせませんよね。
非課税口座の評価額および損益は下の表の通りです。
NISAのしくみや活用法は、金融庁の「NISA特設ウェブサイト」にまとめられています。iDeCoについては、国民年金基金連合会の「イデコ公式サイト」が参考になります。かんたん税制優遇シミュレーションでiDeCoに加入した場合の税負担の軽減額を確認できます。
航路を守れ マーケットの後追いは危険
無計画に投資すると高値づかみや安値売り等の非合理な罠に陥る可能性も
世界最大級の資産運用会社バンガードの「4つの基本原則(目標・バランス・コスト・規律)」から、目標(投資計画)を持たないことの危険性を説いた一節を紹介します。実行可能な投資目標を明確に設定すれば間違った方向に進むのを未然に防ぐことができる、とバンガードは述べています。
どのくらいのリスクを取ることができるのかを確認し、具体的で達成可能な投資額とポートフォリオを見直す時期や頻度を決めることを基本としています。
下記の投資計画はその一例です。
計画を立てずに投資すると、ファンドの格付など一時的な要因をもとにポートフォリオを組んでしまい、高値づかみや安値売り等の非合理な罠に陥る可能性がある、と警告しています。
前年に好成績だったファンドが翌年も好成績を維持できた割合は決して高くはないにもかかわらず、投資信託への資金流入はパフォーマンスの後追いになりがちであると注意を促してもいます。
上記のチャートではオレンジがグローバル株式への資金流出入(左軸)で、赤がグローバル株式のマーケットリターン(右軸)です。
世界的な金融危機であったリーマン・ショック前後に着目すると、グローバル株式への資金流入(オレンジ)は危機が発生する直前に最大となり、暴落が発生すると投資家は下落した株式を買い増ししてリバランスするのではなく逆に投げ売りしていたことがうかがえます。
続く2009年から2011年の変動の激しかった時期には資金は引き揚げられたままになっており、その後、反発する株価(赤)を追いかけて2013年12月末までの間は資金が流入しています。
このような高値で買って安値で売るといった非合理な投資行動を回避するには、リスク許容度に応じて決定した資産配分を保ち運用を続けること、すなわち投資計画という航路を守ることが大事ですよね。
もし軟調な株価にめげそうに感じるなら、定期的なリバランスのとき以外はマーケットとは距離をおいて、悲観的なニュースを遠ざけるのも一案かもしれませんね。
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