株式市場が荒れ模様な時の中小型株を対象にした投資信託の値動きを確認してみました。
直近の基準価額の変動を、東証一部上場の銘柄に幅広く投資するTOPIX連動型のインデックスファンドと比較します。
比較の対象は『eMAXIS Slim 国内株式インデックス(TOPIX)』、『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』、『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』、『ひふみプラス』です。
投資信託の特徴は?
『eMAXIS Slim 国内株式インデックス(TOPIX)』は、東証株価指数(TOPIX)の値動きに連動する投資成果をめざすインデックスファンドです。TOPIXは東京証券取引所の第一部に上場されている全銘柄を対象にした株価指数です。『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』は、JPX日経中小型株指数の値動きに連動する投資成果をめざして運用を行います。
JPX日経中小型株指数は東京証券取引所の第一部、第二部、マザーズ、JASDAQから時価総額、売買代金、ROE(※)等を基に原則200銘柄を選定し算出される株価指数です。時価総額上位20%の大型株式を除外しています。2017年3月13日を起点としています。
※ ROEとは自己資本利益率のことで企業の収益力を示します。
2018年2月末現在 |
『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』は、株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、わが国の経済社会に貢献すると考えられる企業の株式に厳選して投資するアクティブファンドです。
『ひふみプラス』は、長期的な将来価値に対して市場価値が割安と考えられる成長企業に選別投資するアクティブファンドです。直販のひふみ投信と同じマザーファンドを通じて運用されています。
SBI~は2018年3月23日現在 ひふみ~は2018年2月末現在 |
中小型株のイメージが強い『ひふみプラス』ですが、大型株の比率は45.9%に達しています。
2018年2月末現在 |
海外株の比率は2018年1月末の3.7%から2018年2月末には6.6%に上昇しています。外貨建資産は原則として為替ヘッジは行いません。
今回取り上げた投資信託の信託期間は、すべて無期限です。
投資信託の騰落率は?
基準価額値の値動き 2018年2月1日~同年3月27日 比較しやすいよう2018年2月1日の基準価額を1万円に統一 |
上のグラフは直近(2018年2月1日~同年3月27日)の基準価額の値動きを示したものです。
『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』、『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ』、『ひふみプラス』は変動幅は大きいものの、『eMAXIS Slim 国内株式インデックス(TOPIX)』よりも反発力があるように見えます。
もう少し長期での騰落率の比較は下の表の通りです。
2018年3月27日現在 過去の実績は将来の運用成績を保証するものではありません |
購入時手数料は上限の数字で販売会社によって異なり、ネット証券など無料の場合もあります。
『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』は2017年6月12日設定で、運用期間はまだ1年に達していません。
『ひふみプラス』の信託報酬(年率)は純資産総額500億円までは税抜0.98%、500億円を超える部分は税抜0.88%、1,000億円を超える部分は税抜0.78%です。
まとめ
中小型株を対象にした投資信託がいくら好成績でも、投資比率が控えめであれば恩恵は少ないかもしれませんね。その一方で、本格的に株式市場の下落局面が来た時のことを考えると、値動きの大きな中小型株投信への投資比率をあまり高くするのは怖いですよね。
株式市場が好調な時、不調な時で臨機応変に対応できれば理想ですが、相場の先行きを見通してタイミングよく売買するのはプロでも難しいと言われています。
それなら最初からプラスアルファを狙わず、国内外に幅広く分散されたポートフォリオを組むだけでも十分ではという気もしてしまいます。
こぼれ話
ベンチマーク以上の運用成績をめざすアクティブ運用の投資信託では、投資家の実際のもうけを示すインベスターリターンが、投信を継続保有した場合のトータルリターンを顕著に下回っているというデータがあるそうです。
・モーニングスター「アクティブVSパッシブ、投資家の“実際の儲け”は?」
アクティブ投信の値動きの大きさに怖くなって途中で手放してしまうくらいなら、指数連動型のパッシブ運用のインデックス投信を長期保有したほうがいいという考え方もあるでしょうか。
もっとも、多くの国や地域に分散している外国株式インデックス投信に比べ、国内株式インデックス投信は将来の成長性を期待しにくく、下落局面からの回復力などの信頼感に乏しい点が悩みどころかもしれませんね。
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