トランプ銘柄の投資信託である米国インフラ関連株式ファンド「グレート・アメリカ」が今月新設定

2017年2月7日火曜日

トランプ銘柄投信 米国株式

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建設現場写真

米国インフラ関連株式ファンド「グレート・アメリカ」登場

アメリカのトランプ次期大統領が掲げるインフラ投資政策関連の銘柄に投資する投資信託がアセットマネジメントONEから2017年2月17日に新規に設定される予定です。トランプ銘柄に限らず米国株式への期待感は大きいようですが、注意すべき点はないのか確認してみました。

米国インフラ関連株式ファンド<為替ヘッジあり> 愛称:グレート・アメリカ
米国インフラ関連株式ファンド<為替ヘッジなし> 愛称:グレート・アメリカ
・PDF販売用資料岡三証券) 業種構成や主要組入銘柄などマザーファンドの参考ポートフォリオも

為替リスクを軽減する為替ヘッジありと、為替ヘッジを行わない為替ヘッジなしの2種類が設定されるようです。『米国インフラ関連株式ファンド「グレート・アメリカ」』は設定前で運用実績がありませんので、トランプ銘柄投信として類似の「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」(PDF)を参考に見ていきたいと思います。

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米国インフラ関連株式ファンド「グレート・アメリカ」の特徴

交付目論見書(PDF)によると、アメリカの生活インフラ関連企業を「インフラ運営関連企業」と「インフラ開発関連企業」に分類し、投資環境に応じて投資割合を機動的に変更するそうです。

景気減速局面では中長期的に安定的な収益が見込める人々の生活に必要不可欠な設備やサービスを運営・提供する「インフラ運営関連企業」(通信、水道、石油、ガス、電力等)への投資割合を高め、景気拡大局面では収益拡大が期待されるインフラの整備・構築等に携わる「インフラ開発関連企業」(建設、素材、運輸、銀行等)への投資割合を高めるというイメージ図を運用例としてあげています。

最高値を更新した米国株式への期待と不安

アメリカのインフラ関連株については大統領選の前から選挙後の財政出動を予想した買いが入り過熱しているとの報道がありました(WSJ)。テーマ型投資信託は誰もが有望だと思うような人気銘柄に的をしぼって投資するものなだけに、先回りして買いを入れていた人たちが逆に売り抜けるお手伝いをすることにならないかという不安はどうしてもありますよね。

インフラ関連株に限らず米国株式全体が割高になっていているのではという懸念もあるようです。大和投資信託の「iFree NYダウ・インデックス」の基準価額の騰落率は下の表のようになっています。「iFree NYダウ・インデックス」は、アメリカを代表する優良30銘柄を対象としたダウ・ジョーンズ工業株価平均に連動するインデックスファンドです。

iFree NYダウ・インデックス騰落率

大統領選後、株価の上昇と円安で基準価額が急騰したあと、調整しています。『米国インフラ関連株式ファンド「グレート・アメリカ」』が景気局面によって機動的な運用を行うとしたのも、米国株式市場の最高値圏からの反落を心配する声に応えたものなのでしょうね。

「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」を設定した大和投資信託も「投資環境と運用方針について」(PDF)というファンドレターの中でNYダウが2万ドルを超えたことに言及しつつも、老朽化するアメリカのインフラへの投資が喫緊の課題であること、製造業の国内回帰が進めば需要の一層の高まりが期待できること、長期目線で銘柄の発掘に努めることを強調しています。ファンドレターでは業種別構成や組入上位10銘柄についてもふれています。

大和投資信託の「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」と米国株式インデックスファンドや先進国株式インデックスファンドの比較は以下の通りです。

米国インフラ・ビルダー株式ファンドほか騰落率
購入時手数料は税抜の数字。3.0%は上限なので販売会社によって手数料は異なります。

コスト

アセットマネジメントOneの『米国インフラ関連株式ファンド「グレート・アメリカ」』の購入時手数料の上限は税抜3%、投資信託を保有している間かかる信託報酬(年率)は税抜1.55%で解約時の信託財産留保額はありません。

ネット証券の楽天証券でも販売予定はありますが残念ながらノーロードではなく購入時手数料が税込で3.24%かかります。信託期間は2017年2月17日から2027年2月16日までとなっています。

大和投資信託の「米国インフラ・ビルダー株式ファンド」の信託期間は2017年1月17日から2022年1月13日までです。『米国インフラ関連株式ファンド「グレート・アメリカ」』のほうが運用期間を長めにとっているぶん景気局面によって構成銘柄を入れ替える工夫をこらしています。

ちなみに購入時に税込3.24%の手数料を負担すると手数料がない場合にくらべて、信託報酬のほかに10年の運用期間で1年あたり0.324%のハンデを負うことになります。5年なら1年あたり0.648%のハンデです。構成銘柄の入れ替えが頻繁に行われるようだと、信託報酬のほかに有価証券の売買委託手数料がかさむ可能性があります。

まとめ

信託期間の終わりが必ずしも株価が好調な時と重なるとは限りませんよね。テーマ型投資信託が単なる流行りものではなく、インフラ関連銘柄への投資はアメリカの巨大な需要を背景にするなら中長期的な収益を期待できるというのであれば信託期間が無期限ではないのは惜しいです。




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