米国の新興企業向けの市場を対象にした『NZAM・ベータ NASDAQ100』(2020年3月12日設定)の特徴と出足の成績を競合する米国株式インデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』です。
NZAM・ベータ NASDAQ100ほか米国株式インデックス投信の特徴
『NZAM・ベータ NASDAQ100』(農林中金全共連AM)と『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』(大和AM)は、「NASDAQ100指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。NASDAQ(ナスダック)は米国にある世界最大の新興企業向けの株式市場です。米国以外の企業を含みハイテク(IT)関連銘柄の比率が高いのが特徴です。「NASDAQ100指数」は時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)で構成されています。
運用管理費用(年率)は『NZAM・ベータ NASDAQ100』が税込0.440%、『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』が税込0.495%です。
2020年3月末の月報によると『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』は外国投資信託である「QQQ」(経費率0.2%)が資産別構成比の37.9%を占めるので、コストはもう少し上振れします。
2020年3月末月報より |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
2020年4月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
2020年2月末現在(同年3月末月報より) |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを回避するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
NZAM・ベータ NASDAQ100ほか米国株式インデックス投信の成績
NZAM・ベータ NASDAQ100ほか基準価額の推移(チャート)
下のチャートは『NZAM・ベータ NASDAQ100』設定来2ヵ月強(2020年3月12日~2020年5月15日)の基準価額の推移をライバルと比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2020年3月12日~2020年5月15日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
コロナショックでマーケットの変動が激しい時期に設定されたことも一因なのか、同じ指数に連動するはずの『NZAM・ベータ NASDAQ100』と『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』なのに差が開いているように見えますね。
2020年3月13日の騰落率は『NZAM・ベータ NASDAQ100』が-0.03%だったのに対し、『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』は-8.76%でした。『NZAM・ベータ NASDAQ100』は設定直後で現金比率が高めだったのでしょうか。
NZAM・ベータ NASDAQ100ほか騰落率の比較
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年5月16日現在)。設定来騰落率は2ヵ月強の数字です。
2020年5月16日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
『NZAM・ベータ NASDAQ100』(2020年3月12日設定)は設定から日が浅く資産規模が小さいこともあり、運用が安定するまで多少時間がかかるのかもしれませんね。
しばらくしたら、また改めて運用成績を確認してみたいと思います。
・GAFAMの時価総額、東証1部超え 560兆円に 近づく社会インフラ化(日本経済新聞)
・米Microsoft、2桁の増収増益、「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」(マイナビニュース)
NASDAQ100指数が好調なのは新型コロナの流行で社会の変革を担うIT企業への期待感が高まったことも理由のようですが、投資資金の一極集中は危うい印象も受けるでしょうか。
・米司法省が夏にもグーグルを提訴か 独禁法違反(東京新聞)
・史上最強のインデックス!?ナスダック100指数の定時定額投資で資産形成(楽天証券トウシル)
高値づかみを避けるには時間分散も一案でしょうね。積立投資の成績は下の記事も参考にしてください。
・米国新興市場に積立投資『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』楽天・全米株式やeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と実績比較・評価
分散投資を重視するならバランスファンドという選択肢もあります。
・楽天・全世界株式、楽天・全米株式を『楽天・インデックス・バランス・ファンド』3種と比較・評価 あれこれ悩むくらいならバランスファンド1本でいい?
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より幅広い米国株式インデックスファンドの運用実績の比較は下の記事を参考にしてください。・『楽天・全米株式インデックス・ファンド』楽天・米国高配当株式、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFree NYダウ、iFreeNEXT NASDAQ100/FANG+、SMT 米国株配当貴族と実績比較・評価
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』の実質コストや運用実績の比較は下の記事を参考にしてください。
・『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の純資産総額がスリム先進国株式を追い抜く 実質コストや運用実績を比較 月1万円の積立投資の評価額も確認
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